【米国株動向】注目すべき割安な配当銘柄3選

モトリーフール米国本社、2020年1月31日投稿記事より
近年の株式市場では成長株が大きな注目を集めていますが、華やかさには欠けてもより着実な配当銘柄は、長期的に市場を上回るリターンをあげ、安定したキャッシュフローを生み出します。
意外にも、いま最も割安で最良の配当銘柄のいくつかは、馴染み深いと思われる企業です。
以下では、サイモン・プロパティ・グループ(NYSE:SPG)、ベライゾン(NYSE:VZ)、プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE:PG)を紹介します。
サイモン・プロパティ・グループ
同社は商業施設の不動産投資信託(REIT)大手で、2020年は多くのショッピングモールやそこに入居する小売店が休業せざるを得なかったり、再開後も消費者から敬遠されたりと厳しい年となりました。
多くのテナントが時には家賃を払えず、ショッピングモールの展望はこれまでになく不確実でしたが、2020年終盤には状況は通常の水準に戻りつつあるようでした。
同社によれば、2020年第2四半期には請求した賃料総額に対する支払い額の割合は72%だったものの、第3四半期には85%に上昇しました。
第4四半期の数値はこれからですが、パンデミックが沈静化するにつれて、賃料支払いの割合は上向くとみられます。
このような試練の中でも、同社は第3四半期のFFO(Funds from operations、当期純利益から不動産売却損益を除き、減価償却費を加算)として7億2,320万ドル(1株あたり2.05ドル)を計上し、1株あたり1.30ドルの配当支払いを発表しました。
パンデミック前の1株あたり2.10ドルからは減少しましたが、配当利回りは現在の株価に対して5.3%と、比較的高い水準にあります。
パンデミック前の配当支払いの水準を維持していれば、配当利回りは8.6%に上っていたはずです。
筆者はモール事業が終焉を迎えたとは全く考えませんし、同社のような一流の不動産所有者は、パンデミックの間も大きなキャッシュフローを生み出すことができます。
さらに、回復局面での利点を考えると、同社は長期的に保有したい配当銘柄です。
【米国株動向】さらなる上値余地が見込まれるインデックスファンド3銘柄
ベライゾン
過去10年の間、ベライゾンは他の多くの通信株と同様、新鮮味に欠ける推移を見せていました。
しかし、この間も同社の事業は非常に手堅く、大量の現金を創出し続けています。
売上高が停滞することはあるものの同社の収益性は高く、配当利回りは現在の株価に対し4.4%で、増配が続いています。
安定した業績や配当支払いに加えて、同社の今後の事業展開も注目に値します。
5Gネットワークを展開する中で、自動運転などの新たなテクノロジーやVR(仮想現実)ヘッドセットなどのエッジコンピューティング端末への接続を可能にしたり、ケーブルインターネットより高速の5Gを利用した家庭用ワイヤレスインターネットなどの顧客向けサービスも拡充しています。
ベライゾンはトップクラスの成長銘柄にはならなくとも、大量のキャッシュフローを創出し良好な配当を支払う手堅い企業です。
新たな5G端末や家庭用インターネットなどを展開することで、同社の手堅い事業はますます強化されるでしょう。
【米国株決算】ベライゾン・コミュニケーションズの最新決算情報と今後の株価の推移
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
近年では小規模な小売業者が自社ブランドを手掛けて消費者に直接販売することが容易になり、生活必需品関連企業は圧迫を受けてきました。
しかしP&Gはこういった試練を上手く切り抜け、過去5年にわたり事業を拡大し、収益を伸ばしてきました。
トイレットペーパー、オムツ、シェービング製品といった日用品は新たな競合が出現しにくいことから、皆が知っている同社の製品は事業の安定に大きな役割を担っています。
P&G製品はその規模と同社の販売力という大きな強みがあり、確立された生産方式により、同社はスタートアップには模倣しづらい有利なコスト構造を有しています。
そして、スタートアップがそういったハードルを乗り越えることができた時には、P&Gはそのスタートアップを買収するといった手法をとります。
シェービング専門小売業The Art of Shavingの買収はその好例です。
配当の観点からいえば、P&Gの2.4%という配当利回りは市場で最高水準ではありませんが(執筆時点)、130年連続で配当を支払っており、64年連続で増配を行っています。
配当性向は60%を下回り、事業は成長していることから、長期的には配当成長の可能性もあります。
【米国株決算】プロクター・アンド・ギャンブル社の最新決算情報と今後の株価の推移
長期的に保有したい配当銘柄
ショッピングモール、ワイヤレスネットワーク、生活必需品はいずれも保有するのに適した銘柄であるうえ、上記3社は良好な配当支払いもあります。
経済が引き続き回復するにつれ、これらの企業は好調な展開を見せると思われ、投資家はこれらの配当銘柄が2021年初めには割安だったと考えるようになるでしょう。
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定期的に現金を得られる配当株投資は、年金を補うポートフォリオの構築をしたい投資家にとって最適といえるでしょう。配当及びキャピタルゲイン込みで年率4%ほどのやや保守的なリターンを仮定しても、18年間で元本は2倍になります。このレポートでは、そういった配当と堅実な成長性の観点から注目すべき米国株を3つ紹介します。
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