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16万件のデータで判明、利益確定して他の銘柄に乗り換える判断は投資家にとって正しいのか

出典:Getty Images

投資家が値上がりした勝ち組銘柄を売って、他の銘柄を購入する。

資金が限られている個人投資家にとってこのケースは珍しくないでしょう。

しかしこの判断が個人投資家にとって明瞭な判断なのでしょうか。

実はこの判断は正しくないパターンがほとんどです。

カリフォルニア大学バークレー校の金融工学教授のテリー・オーディンはある証券会社の個人1万人分のデータを7年間にわたって追跡しました。

およそ16万3,000件のデータから、個人投資家が銘柄Aを売った後に銘柄Bを買ったケースを抽出し、分析を行いました。

利益確定した銘柄Aとそのあと後に買った銘柄Bのリターンを売買した日から1年間調査を行いました。

結果、売った銘柄Aはそのあと買った銘柄Bより値上がりしていたことが示唆されました。

気になる上昇率はもともと利益確定前銘柄は乗り換えた銘柄に対して平均で3.2%上回っていました。

しかもこの値は売買手数料やキャピタルゲイン税は加味されていません。

この結果はあくまでも平均なのでうまく売買を行い、リターンを高められた投資家もいます。

しかし、大半の取引では思うようにいかなかったことが示唆されています。

勝ち組銘柄をむやみに乗り換えることは投資家にとって大きなリスクとなりえます。

くの投資家たちが不利な選択をしてしまう理由

個人投資家はA株を売ってB株を買ったほうがリターンを得られると思って取引をしたはずです。

なのに投資家の思惑としては逆にどうしてリターンは悪くなってしまうのでしょうか。

それは「気質効果」という行動心理が影響しています。

別名でディスポジション効果ともいいます。

「気質効果」とはプライドを守ろうとしたり損失を避けるための心理効果のことです。

合理的な投資ポートフォリオの管理ではポートフォリオ内の最も将来性のない株式を損切あるいは利益確定します。

しかし気質効果にとらわれていると、買った銘柄は黒字で手じまいしたいという思いから上昇トレンドにある銘柄を売る選択をしてしまいます。

逆に赤字の株をなかなか手放す踏ん切りがつけないのも損失を確定させたくないという「気質効果」です。

つまり株価が上がった時にはリスクを回避したくなり利益確定をする傾向にあり、株価が買値より下落した際には損失確定をしたくなくなってしまうのです。

以下の記事では著者はアマゾン株を30ドルで購入し、201ドルで利益確定をしました。

取引としては6.7倍の値上がりで利益確定できたためその当時では文句なしといえるかもしれません。

しかし現在のアマゾン株を見てみるとその判断は決して賢明とは言えないでしょう。

【米国株動向】アマゾン株に長期間投資しなかったことを深く後悔しています

気質効果を回避するためには?

この気質効果は強力で投資家であれば一度は身に覚えがある経験でしょう。

しかし気質効果による感情の変化にポートフォリオが左右されないよう以下の方法で対処することが可能といえます。

  • あらかじめ取引ルールを設定する
  • 投資をする目的を見直す

例えば、保有している株が2倍に値上がりしたら半分だけ売却する。そして残り半分を長期保有するいったルールです。

また株式の売買する際には投資をする目的を再度思い出し短期目線でなく長期目線に切り替えることで目先の利益を追求することが薄れるかもしれません。

またついつい不本意な売買や取引をしてしまうのは気質効果ではなく睡眠不足というデータがでています。

不本意な投資をしてしまうのは「○○不足」だからかもしれません

まとめ

投資家は、ポートフォリオ内でのリバランスや銘柄入れ替えをする際に利益が出ている銘柄の利益を確定して調整しようとする傾向にあります。

しかし、研究結果では利益確定するよりそのまま保有し続けたほうが資産拡大には理にかなっています。

利益が出たら確定したくなる心理、損失が出たら損切りしたくなくなる心理を頭に片隅に入れておくことで、長期的に株式を保有し堅実にリターンを出していくことができるでしょう。

参考:Odean, T., 1998. Are investors reluctant to realize their losses? Journal of Finance 53, 1775‒1798.

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