【米国株決算】アルトリア・グループの最新決算情報と今後の株価の推移

アルトリア・グループ(NYSE:MO)は米国のたばこ・ワイン製造持株会社です。
傘下企業にタバコ事業を展開するフィリップ・モリス、食品メーカーであるクラフトフーズ、ワイナリーであるシャトーサンミッシェルがあります。
本記事ではアルトリア・グループの最新決算である2020年第4四半期決算及び通年決算の内容と今後の株価の推移などについて見ていきます。
決算発表前における株価等のデータ
決算発表前日である1/27の値動きについて確認していきます。
27日における始値は41.96ドル、終値は41.81ドルとなっています。
同社株価は上場以来安定して上昇しており、2017年頃には70ドル台後半の高値を記録していました。
その後は軟調な推移が続いており、コロナショックの際には30ドル前後まで下落していました。
その後株価はやや回復しましたが、36~43ドルのレンジで推移しています。
アルトリア・グループはS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時時点での同社時価総額は763億ドルとなっています。
また同社は高配当銘柄として有名であり、大きな魅力のひとつとなっています。
同社の株式配当実績を見ていきます。日付は権利落ち日を記しています。
- 2020/12/24…配当:0.86ドル(配当利回り:8.07%)
- 2020/09/14…配当:0.86ドル(配当利回り:8.02%)
- 2020/06/12…配当:0.84ドル(配当利回り:8.03%)
- 2020/03/24…配当:0.84ドル(配当利回り:9.31%)
- 2019/12/24…配当:0.84ドル(配当利回り:7.98%)
コロナ禍でありながらも増配を行っています。
連続増配年数は51年であり、長期間にわたって安定した株式配当を行ってきたことが分かります。
また、配当性向は80%弱となっています。
最新決算情報について
概要
2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。
- 純売上高… 63.04億ドル(前年同期比5%増)
- 営業利益…25.81億ドル(前年同期比6%増)
- 純利益…19.24億ドル(前年同期比37.33億ドル増)
- 希薄化後EPS…1.03ドル(前年同期比2.03ドル増)
アナリストによる事前予想では、税抜き売上高が50.1億ドル、non-GAAPベースのEPSは1.02ドルとなっており、実際の業績は事前予想を上回っています。
2020年通年決算の概要は以下の通りです。
- 純売上高…261.53億ドル(前年同期比4%増)
- 営業利益…108.73億ドル(前年同期比5%増)
- 純利益…44.67億ドル(前年同期比57.60億ドル増)
- 希薄化後EPS…2.40ドル(前年同期比3.10ドル)
同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。
アルトリアは2020年に傑出した業績を達成し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる課題を乗り切りました。
当社のタバコ事業は回復力があり、成人喫煙者を責任もって不燃性タバコのある未来へと移行させるという10年ビジョンに向けて着実に前進しました。
当社の今後の計画には10年ビジョンを支えるための投資を加速することが含まれており、タバコ事業の継続的な財務力を通じた資金調達が期待されています。
前四半期決算である2020年第3四半期決算で、出資先である電子タバコのジュール・ラブズの減損を計上し、赤字に転落していました。
同四半期決算では黒字に転換しており、業績は比較的好調であることが分かります。
この背景には、パンデミックによる自宅での喫煙機会の増加や、外出制限によるストレスレベルの上昇、タバコの値上げなどの要因が挙げられます。
詳細
続いて同社の第4四半期決算をより詳細に見ていきます。
売上高
- 紙タバコ製品…55.67億ドル(前年同期比8%増)
- 無煙タバコ製品…6.32億ドル(前年同期比5%増)
- ワイン…1.80億ドル(前年同期比13%減)
セグメント別売上数量の概要は以下の通りです。
- 紙タバコ製品…243.09億単位(前年同期比3%増)
- 無煙たばこ製品…2.02億単位(前年同期比1%増)
依然として、紙タバコ製品が同社の主力商品となっていることが分かります。
紙タバコの売上高は、価格および販売数量が増加しましたが、プロモーション投資が増加したため、増収分の一部が相殺されたとしています。
日本国内での動向からも分かるように、健康に対する害などから、従来の紙タバコを控えるような動きが強まっており、無煙タバコ製品の売上高は価格の上昇に伴い増加したものの、プロモーション投資の増加が一部で見られました。
2021年業績ガイダンス
2021年通期のnon-GAAPベースEPSは4.49~4.62ドルの範囲を予想しており、これは2020年から3~6%の成長に相当します。
同社は2021年通期業績を左右する外部環境として、失業率や財政刺激策、消費者行動、規制・立法動向、コロナワクチンの展開時期などを挙げています。
決算発表後における株価の推移
決算発表直後である1/28における株価の値動きについて見ていきます。
28日の始値は、前日終値である41.81ドルから横ばいの41.82ドルでした。
日中において同社の株価は大きく上昇し、終値は42.57ドルと、前日終値から2%弱上昇しています。
株価が上昇した要因として、同社業績が前年同期比で成長していることなどが挙げられます。
また2021年通年業績について、2020年と比較して成長が期待されることも、株価上昇の一因であると言えます。
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免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。