The Motley Fool

【米国株決算】IBMの2020年第4四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

IBM (NYSE:IBM)社はアメリカの大手IT企業です。

主にコンピュータ関連製品とITコンサルティング事業を、民間法人や公的機関に対して展開しています。

現在世界の170ヵ国以上で事業を展開しており、グローバル・テクノロジー・サービス、グローバル・ビジネス・サービス、ソフトウエア、システム、金融で構成されています。

またIT業務の外部委託やソリューションの提供、システム・サーバーの販売なども手掛けています。

2020年10月8日にアウトソーシングサービスを提供するITインフラサービス部門を、2021年末までに分社化することを発表しました。

同部門は115カ国で4,600もの顧客にサポート業務を行っていますが、長年業績が低迷しており、IT業界において注目されているクラウドサービスとの共食いを避けるために分社化を行いました。

事業ポートフォリオの再構築を行い、利益率の高いクラウドサービスや、今後の成長が期待できる人工知能(AI)ソリューションに注力する方針に転換しました。

同社株は長らく割安感な銘柄と認識されており、ITインフラサービス部門の分社化や今回の決算発表は、市場から注目されました。

本記事ではIBMの最新決算情報である2020年第4四半期決算の情報と今後の株価の推移などについて見ていきます。

株価および配当について

同社株価は2013年から長期の下落傾向にあり、2016年に120ドル前後、2018年に116ドル前後と下値を更新しています。

コロナショック以前においては150ドル前後をつけていましたが、新型コロナウイルスの影響により急落し100ドルを切りました。

その後回復の兆しはあるものの上値は重く、6月に135ドル付近を付けた後は115ドルから125ドルの間で推移しています。

10月8日にITインフラサービス部門の分社化を発表したことで一時135ドル前後まで上昇しましたが、その後に大きく下落し、10月下旬にはコロナショック時に迫る105ドル前後まで値を下げました。

11月からは上昇傾向にあり、2021年に入り130ドル前後まで値を上げました。

同社はNYダウ工業株30とS&P500の構成銘柄の一つであり、01月23日における同社時価総額は1,057億ドルとなっています。

また同社の配当利回りは以下の通りです。日付は権利落ち日を記しています。

  • 2020年11月09日…配当:1.63ドル(配当利回り:4.95%)
  • 2020年08月07日…配当:1.63ドル(配当利回り:5.62%)
  • 2020年05月07日…配当:1.63ドル(配当利回り:5.17%)
  • 2020年02月07日…配当:1.62ドル(配当利回り:5.20%)
  • 2019年11月07日…配当:1.62ドル(配当利回り:4.67%)
  • 2019年08月08日…配当:1.62ドル(配当利回り:4.78%)

1996年以降は連続増配となっており、その年数は24年間に相当します。

新型コロナウイルスの影響が色濃くでている2020年においても増配しており、今後もさらなる増配が期待できると言えるでしょう。

最新決算情報について

概要

2020年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…203.67億ドル(前年同期比▲6.5%)
  • 純利益…13.56億ドル(前年同期比▲63%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…1.51ドル(前年同期比▲63.3%)

純売上高は、アナリスト予想の207.5億ドルを下回っています。

この決算情報を発表するにあたって同社が発表したコメントは以下の通りです。

我々は、マクロ環境の広範な不確実性に対処しながら、クライアントのデジタルトランスフォーメーションの基盤としてハイブリッドクラウドプラットフォームを成長させ、2020年に向けて前進しました。

ハイブリッド・クラウドとAIに注力するために行っている行動が功を奏し、2021年の収益成長を達成できるという自信を与えてくれるでしょう。

続いて年間業績について見ていきます。

  • 純売上高…736.2億ドル(前年同期比▲4.6%)
  • 純利益…55.90億ドル(前年同期比▲40.7%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…6.23ドル(前年同期比▲41%)

2020年通して減収減益となっています。

通期の業績は、2019年7月にクローズしたRed Hat買収に伴う取引関連の影響と、第4四半期に構造的措置のために20.4億ドルの税引前費用を計上した影響を反映しています。

詳細

続いて同社決算情報をセグメント別に見ていきます。

  • クラウド&コグニティブ・ソフトウエア…75.75億ドル(前年同期比▲3.5%)
  • グローバル・ビジネス・サービス…42.13億ドル(前年同期比▲3.1%)
  • グローバル・テクノロジー・サービス…68.84億ドル(前年同期比▲4.7%)
  • システム…26.97億ドル(前年同期比▲16.8%)
  • グローバル・ファイナンシング…5.19億ドル(前年同期比▲20%)
  • 総売上高…203.67億ドル(前年同期比▲6.5%)

クラウド&コグニティブ・ソフトウエア部門は、Red Hat、コグニティブ・アプリケーション、トランザクション処理プラットフォームを含むクラウド&データ・プラットフォームで構成されています。

クラウド&データ・プラットフォームズはRed Hatを筆頭に9%増収となり、コグニティブ・アプリケーションの収益はセキュリティとIoTが成長しましたが、横ばいとなりました。

システム部門は、システム・ハードウェアおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアで構成されています。

同部門の収益はすべてのシステム・ハードウェア・プラットフォームが製品サイクルのダイナミクスの影響を反映して減少したため、前年同期から16.8%減少した26.97億ドルとなっていました。

グローバル・ファイナンシング(融資および中古機器販売を含む)の売上高は 前年同期から4.8%減少した2.9億ドルとなりましたが、これはOEM商用ファイナンスの縮小を反映したものです。

最後に、2021年の見通しについて同社は以下のようにコメントしています。

同社は、現在の為替レートに基づいて、2021年通年で収益が伸びると予想している。

また、2021年には110億ドルから120億ドルの調整済みフリーキャッシュフローを見込んでいる。

調整後フリーキャッシュフローには、2020年第4四半期に開始した同社の構造的措置によるキャッシュの影響が約30億ドル分と、マネージドインフラサービス事業の分離に伴う取引コストが含まれていません。

2020年第4四半期決算発表を受けて

同社は第4四半期決算を01月21日の引け後に発表しました。

発表前にあたる21日は始値130.12ドルとなり、終値は131.65ドルと2020年10月頭の水準に迫る伸びを示しました。

しかし、今回の発表を受け、22日の始値は120.70ドルと前日終値から約8%値を下げて始まりました。

午前中はいったん上向きましたが、午後に入り再び下落し、終値は118.61ドルとなりました。

同社CEOであるArvind Krishna氏はカンファレンスコールで以下のように述べました。

2021年は、当社が遂げた進展が業績に表れると確信している。

とはいえ、右肩上がりで順調に軌道に乗るとは限らないことも承知している。

顧客を取り巻く状況ゆえに、事業環境は依然として厳しいものとなっている。それが、直近の四半期に見て取れる。

売上高は、通常の季節性にやや従わなかったが、堅調なフリーキャッシュフローで四半期を終えることができたのは、投資を促進できるという点で重要だ。

当社の業績は、顧客がパンデミックの影響と、マクロ環境におけるより広範な不確実性への対処を強いられていることを反映している。

今年の末には昨年10月に発表したマネジドインフラストラクチャーサービス部門のスピンオフが完了する予定ではありますが、顧客がクラウドに移行し、新型コロナウイルス禍でインフラ更新を遅らせる中で、ビジネスは縮小しています。

今回の決算では減収減益となり、10四半期連続で前年同期比での増収を達成できなかったことになります。

株価が大きく値を下げていることから、投資家からの評価もあまり良いとは言えません。

何かしらの新たな好材料が出てこないうちは、株価も低迷を続けると予想できます。

投資判断は慎重に行った方が良いでしょう。

参照元:IBM REPORTS 2020 FOURTH-QUARTER AND FULL-YEAR RESULTS

フリーレポート配信

株式市場は高値圏にあり、下落・調整リスクを懸念する見方があります。そこで、市場の調整局面でも比較的安定して推移することが期待される消費財銘柄を3銘柄紹介します。こちらからメルアドを登録していただき、レポートをご覧ください。

ディフェンシブな優良消費財銘柄3選」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事