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【米国株決算】インテル社の2020年第4四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

インテル(NASDAQ:INTC)は半導体チップの設計・生産を行う世界的半導体素子メーカーです。

主にマイクロプロセッサ、チップセット、フラッシュメモリ等の設計開発・製造・販売等を行っています。

1990年代からはコンピューター関連のハードウェア事業も展開しており、長年にわたって不動の地位を築いてきたものの、近年はその地位が脅かされつつあります。

市場動向調査会社である米Gartnerが2020年の売上高ランキングを発表しました。

それによると1位はインテルの702.44億ドル、2位はサムスン電子で561.97億ドルとなっています。

しかし、主力製品であるCPUにおいてAMDの「Ryzen」シリーズが次々と新製品を発表しており、インテルのCPUの市場シェアが急落してきています。

ベンチマークソフトウェアメーカーのPassMarkによると、AMDがデスクトップCPUの市場シェアにおいて、インテルを追い抜いた可能性があるとも指摘しています。

インテルの市場シェアは、82%を誇った2016年に10nmプロセスの立ち上げに失敗したことに端を発し、現在では65%ほどにまで落ちています。

現行のCPUにおいても14nmプロセスを採用しており、競合であるAMDが7nmを採用し、次世代機には5nmの採用を発表するなど、インテルとしては厳しい状況に立たされています。

本記事ではインテルの最新決算情報である2020年第4四半期決算の情報と今後の株価の推移などについて見ていきます。

株価および配当について

インテルの株価は2017年頃から乱高下しており、40ドルから70ドルの間を推移しています。

2019年の4月にコンピューター用プロセッサー需要が拡大するとしていたインテルへの信頼が揺らいだことで、58ドル前後だった株価は44ドル付近まで急落しました。

2019年8月頃から上昇傾向にあり、コロナショック以前において69ドル前後を付けました。

コロナショックによりその後44ドル付近まで急落したもののすぐに戻し、6月には64ドル付近を推移していました。

2020年第2四半期決算発表直後大きく値を下げ50ドル付近にまで至り、第3四半期決算発表後にまた大きく値を下げています。

その後は上昇傾向にあり、01月13日に同社は、CEOのBob Swan氏が退任し、Pat Gelsinger氏が後任となることを発表したことを受け、急伸し、現在は2020年の7月頃の水準となっています。

また同社はS&P500およびNYダウ工業株30種平均の構成銘柄の一つであり、時価総額は01月22日現在で2,560億ドルとなっています。

次に同社の株式配当実績について見ていきます。日付は権利落ち日を記しています。

  • 2020年11月05日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.25%)
  • 2020年08月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.62%)
  • 2020年05月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.24%)
  • 2020年02月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.45%)
  • 2019年11月06日…配当:0.315ドル(配当利回り:1.99%)
  • 2019年08月06日…配当:0.315ドル(配当利回り:2.39%)

1992年以降減配はなく、2013年と2014年に配当据え置きとなったため、連続増配記録は長くありませんが、安定的な配当を行っている企業であると言えます。

最新決算情報について

概要

インテルが発表した2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…199.78億ドル(前年同期比▲1.1%)
  • 営業利益…58.84億ドル(前年同期比▲13.4%)
  • 純利益…58.57億ドル(前年同期比▲15.1%)
  • 希薄化後一株当たり純利益(ESP)…1.42ドル(前年同期比▲10.1%)

当期における純売上高は、前年同期から1.1%減少した199.78億ドルとなっており、アナリスト予想平均の175億ドルを上回っています。

希薄化後一株当たり純利益(ESP)も、アナリスト予想平均の1.10ドルを上回っています。

同社が発表した決算短信におけるコメントは以下の通りです。

当四半期は予想を大幅に上回り、5年連続で過去最高の業績を達成しました。

インテルが提供するコンピューティング・パフォーマンスに対する需要は依然として非常に強く、成長機会に焦点を当ててきたことが実を結んでいます。

この素晴らしい会社を率いることができて光栄であり、チームとして達成したことを誇りに思います。

インテルは戦略的にも財務的にも強力な立場にあり、このリーダーシップの転換を行い、インテルを次のレベルへと引き上げていきます。

続いて年間業績について見ていきます。

  • 純売上高…778.67億ドル(前年同期比+8.2%)
  • 営業利益…236.78億ドル(前年同期比+7.46%)
  • 純利益…208.99億ドル(前年同期比+0.7%)
  • 希薄化後一株当たり純利益(ESP)…4.94ドル (前年同期比+4.9%)

2020年通算では増収増益となっています。

過去最高の354億ドルの営業キャッシュを生み出し、56億ドルの配当金を支払い、142億ドルを使って、27,460万株の自社株買い戻しを行いました。

同社は2021年第1四半期の見通しも同時に発表しています。

  • 純売上高…186億ドル
  • 営業利益率…27%
  • 希薄化後一株当たり純利益(ESP)…1.03ドル

詳細

続いて同社決算をセグメント別に見ていきます。

データセンター・グループ…60.88億ドル(前年同期比▲19.6%)

プラットフォーム…52.97億ドル(前年同期比▲11.4%)

隣接収入…7.91億ドル(前年同期比+0.3%)

IoT…11.1億ドル(前年同期比▲4.3%)

IOTG…7.77億ドル(前年同期比▲15.5%)

Mobileye…3.33億ドル(前年同期比▲38.8%)

不揮発性メモリーソリューションズ・グループ…12.08億ドル(前年同期比▲0.7%)

プログラマブルソリューションズ・グループ…4.22億ドル(前年同期比▲16.4%)

クライアントコンピューティング・グループ…109.39億ドル(前年同期比+9.3%)

プラットフォーム…99.39億ドル(前年同期比+16.2%)

隣接収入…10.00億ドル(前年同期比▲18.4%)

その他…2.11億ドル(前年同期比+102.9%)

総売上高…199.78億ドル(前年同期比▲1.1%)

データセンター・グループ(Data Center Group)は、クラウドサービスプロバイダー、企業、政府機関、通信サービスプロバイダーの市場セグメント向けに設計されたワークロードに最適化されたプラットフォームと関連製品が含まれています。

DCG全体の売上高は前年同期から19.6%減少した60.88億ドルとなっています。

IoT(Internet of Things) は小売、産業、ヘルスケア、ビジョンなどの市場セグメントにおいて、ターゲットとなる業種や組み込みアプリケーション向けの高性能コンピュートソリューションが含まれています。

同セグメントの売上高は前年同期から4.3%減少した11.1億ドルとなっています。

不揮発性メモリーソリューションズ・グループ(Non-Volatile Memory Group)における売上高は前年同期から0.7%減少した12.08億ドルとなっています。

不揮発性メモリとは、電気が流れていなくても記憶することができるメモリの総称のことを指します。

プログラマブルソリューションズ・グループ(Programmable Solutions Group)における売上高は前年同期から16.4%減少した4.22億ドルとなっています。

クライアントコンピューティング・グループ(Client Computing Group)の売上高は前年同期から9.3%増加した109.39億ドルとなっています。

2020年第4半期決算発表を受けて

同社株価は第4半期決算発表を受けて大きく上昇しました。

同社は1月21日の午後、取引終了直前に決算を発表しています。

引け後に発表する予定でしたが、決算資料の一部への「不正アクセス」について調査していると発表しており、英紙フィナンシャル・タイムズは同社がハッキングを検知し、予定より発表を早めたと報じています。

21日の始値は59.04ドルであったのに対し、終値は62.46ドルと5.8%ほど上昇しています。

先日交代が発表された、パット・ゲルシンガー次期最高経営責任者は「2023年の製品の大半が自社生産になると確信している」とし、「特定の技術や製品」については「当社ポートフォリオの幅広さを踏まえると、一部の技術や製品については外部のファウンドリー(半導体受託生産会社)活用を増やす公算が大きい」と述べるにとどまり、外部委託への明確なシフトを示さなかったことから、時間外取引で株価は4.7%ほど下落しました。

投資家たちは、同社が競合他社から遅れていることを懸念しており、生産の外部委託を増やすかどうかに注目していたことが、時間外取引における下落の要因と考えられます。この結果、競合であるAMD社の株価は値を上げました。

しかしながら、今年下半期には回路線幅10nmの半導体の生産量が14nmの半導体の生産を上回ると語ったことから、今後に期待が持てると言えるでしょう。

参照元:Intel Reports Fourth-Quarter and Full-Year 2020 Financial Results

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