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「世界で最後のフロンティア」ミャンマー株式の魅力とリスク

ミャンマーは冒険投資家ジム・ロジャースから「世界で最後のフロンティア」と呼ばれた国です。

新興国投資で有名なジム・ロジャースの注目もあり投資家から注目されている国の一つでもあります。

ミャンマーの経済成長は約7%と言われており、ここ数年でも経済の中心都市ヤンゴンの街並みは大きく変わりました。

ヤンゴンには巨大なショッピングモールや外国資本の飲食店も増え、スマホアプリのGrabタクシーも使えるようになりました。

実際に行ってみると思っていた以上に発展していたという感想をもつ人も多いでしょう。

2018年にミャンマーの現地株の売買が在ミャンマー外国人にも解放されるニュースもありました。

新興国投資においてミャンマーは注目しておくべき国の一つです。

本記事ではミャンマーの株式市場の今をお伝えします。

ミャンマー経済のポテンシャル

ミャンマーはエネルギー資源、観光資源が豊富で交通の要所です。

人口は6000万人を超えています。

そして賃金水準が安いうえに高い識字率もあり勤勉な国民性です。

2011年に発足した新政権は諸外国からの投資を積極的に誘致し内向きの政策から方向転換しました。

それまでは内向きの閉ざされた政権であったため経済発展が遅れていました。

その分、伸び代が大きいので注目を集めてきました。

ヤンゴン証券取引所

ヤンゴン証券取引所は、実は日本の大和総研と日本取引所グループが設立に深く関わっています。

ミャンマー経済銀行と大和総研、日本取引所の3社合弁の準備会社として設立されました。

現在5社の上場で取扱い銘柄数も少ないです。

上場企業はFMI、ミャンマー・ティラワ経済特区、ホールディングス、ミャンマー市民銀行、ファースト・プライベート銀行、TMHテレコムの5社。

社債、国債、ETF、オプション取引などはなく普通株式のみの取引所です。

売買できるタイミングは現在1日に4回。

2017年12月にオンライン取引が開始された、まだまだ歴史の浅い取引所です。

ヤンゴンの街中にあるヤンゴン証券取引所の中を平日に覗くと人もほとんどおらず、新興国の証券取引所の雰囲気を味わうことができます。

ミャンマー株が在ミャンマー外国人に解放?

2018年の夏には新会社法の施行に伴い、ヤンゴン証券取引所でミャンマー在住の外国人による株式投資が解禁がニュースになりました。

ヤンゴン証券取引所の取引高の減少傾向もあり活性化を狙った試みです。

今後ミャンマーの市場も少しずつ解放されていく見込みです。

2019年現在はミャンマー株はまだ買えない

報道では「在住外国人の株投資が可能に」と言われています。

しかし今のところ在住外国人が本人名義でミャンマー株を買うことはできていないようです。(記事執筆時点)

アナウンスはされていますが、まだ実際に取引できる段階には至っていないため、取引できるのはもう少し先になりそうです。

2019年のミャンマーの足元の景気

ミャンマーは高い経済成長率のイメージがあります。

しかしミャンマーの足元の景気は決して良いとはいえません。

ミャンマーの自国通貨のチャット安が進んでいます。

成長に必要な原材料や資本財を国内で調達することが難しいため、輸入に頼りすぎた貿易赤字の拡大や原材料費・人件費の上昇が悪材料になっています。

ヤンゴンの不動産もピーク時から約3割近く下落しており、最近のミャンマーの足元の経済は決して良いとはいえないのが現状です。

外国人観光客にとってはチャット安と不動産価格の下落で、少し前に比べると宿泊費も安くなり両替レートも有利になるため、ミャンマー観光はしやすくなっています。

特に2018年10月から日本人はノービザでの入国も可能になりました。

ミャンマー観光には良い条件が揃っているため、今後のミャンマーの現地事情や可能性を肌で感じたい人には良い時期ともいえます。

ミャンマーのカントリーリスク

ミャンマーのビジネスを取り巻く環境は日々、変化しています。

法律や規制も安定していません。

例えば、車の輸入では日本の中古車が昔は多かったのですが、2017年から右ハンドル車の輸入規制がはじまるなどルールがよく変わります。

またミャンマーは100以上の民族からなる国家で民主化が実現した後も衝突が続いています。

ミャンマー国内の紛争もカントリーリスクです。

米中経済摩擦の余波を受け、対ドルのチャット安も進んでおり、まだまだ不安定な要素がミャンマーには多く、経済成長のポテンシャルもある反面、新興国投資だけありリスクも高めです。

OECD(経済協力開発機構)の発表したカントリーリスク分類によると、ミャンマーの総合カントリーリスクは評価は0〜7までの8段階評価中で6となっています。

他の国では日本やシンガポールが0、タイが3、ベトナムとバングラディッシュが5、カンボジアが6と評価されており、ミャンマーのカントリーリスクは相対的に高めです。

ロヒンギャ問題とは?

ミャンマー政府に対してEUが経済制裁をするのではないかという観測があります。

その原因がロヒンギャ問題です。

ロヒンギャ問題とはミャンマーのイスラム系少数民族のロヒンギャ族が国籍を与えられず、移動・結婚の制限、労働の強制、恣意的な課税、財産の没収などの様々な制約・差別・迫害を受けている問題のことです。

2017年には、ロヒンギャの約60万人を超える住人が隣国バングラディッシュに避難する事件がおきました。

60万人を超える難民が大量に発生した事件の発端は、ロヒンギャの武装勢力が警察などへ攻撃を行ったため、ミャンマー軍の治安部隊が報復として武装勢力のみならず、ロヒンギャの人々にも容赦ない掃討作戦を行ったことです。

このようなミャンマー政府のロヒンギャに対する弾圧は国際的な非難の対象です。

例えばEUでは、ミャンマーが無関税でEUに輸出できるなどの関税優遇措置などを今まで設けてきました。

しかしロヒンギャ問題の改善措置がない場合は経済制裁を発動する見込みです。

この動きに続いて世界各国がミャンマーへの経済制裁に舵をきれば、ミャンマーの勢いが落ちてきてる経済にますます悪影響がでる可能性があります。

ミャンマーの多民族国家であるカントリーリスクが発動したと見ることもできるでしょう。

ミャンマーの経済発展に外国からの投資は大きく貢献してきました。

しかし経済制裁が起きると今後のミャンマーの発展の勢いは衰えるでしょう。

ロヒンギャ問題の背景は複雑で根本的な解決には時間もかかります。

まとめ

ミャンマーは伝説の投資家ジム・ロジャースによれば、最後のフロンティアともいえる可能性のある国です。

ヤンゴン証券取引所のミャンマー現地株の取引が在ミャンマーの外国人にも開かれることが2018年にニュースになりました。

2019年現在では実際には取引はできないものの、今後ミャンマーの現地株は少しずつ外国人投資家もアクセスできるようになる見込みです。

一方で現地通貨のチャット安や不動産価格の下落、ロヒンギャ問題による経済制裁の観測などミャンマーの足元の経済は決して追い風ばかりではありません。

むしろ難しい局面に立たされているともいえます。

新興国ならではの難しさと、高いポテンシャルが同居したミャンマー株式市場の今後の動向が注目されます。


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