【米国株動向】安全性が高いエネルギー配当銘柄3選

モトリーフール米国本社、2020年1月14日投稿記事より
年初にサウジアラビアが原油生産の追加的な抑制を決定したことで、原油価格は一段と上昇しました。
現在は強気な展開を示していますが、原油価格にはボラティリティが付き物です。
同国は2月と3月にも更なる減産を行うことを表明しています。
一方で、他の産油国が生産量を引き上げれば、原油価格は不安定化します。
従って、いまエネルギー株に投資するなら、原油価格とは関係なくビジネスが順調な企業に注目すべきです。
以下のエネルギー関連3銘柄は安全性が高い配当株です。
TCエナジー
65年以上の歴史を持つTCエナジー(NYSE:TRP)はカナダ最大手のエネルギーインフラ企業です。
同社は米国、カナダ、メキシコで天然ガスおよび液体燃料のパイプラインを運営し、カナダ西部の堆積盆地(WCSB)と米国のアパラチア盆地という2つの主要な供給地域に強力な資産基盤を有します。
カナダのオイルサンドからの原油輸送には大きな需要があり、同社のWCSBにおけるインフラは通常、高水準の料金でフル稼働しています。
同社のガス輸送業務はほぼ規制下にあるため、認可されたインフラ使用料を徴収することが可能で、パイプライン建設に充てた資金を回収できます。
規制下にある資産からの収益は概して安定的なうえ、同社の他の資産は長期的な手数料契約に支えられています。
2020年の収益の約95%は、規制下の資産または長期契約に支えられている資産のいずれかから創出されています。
こうした資産により、コモディティ価格の短期的変動にかかわらず、TCエナジーは安定的な収益を生み出すことができます。
こうした低リスクのビジネスモデルのおかげで、新型コロナウイルスや低水準のコモディティ価格といったネガティブな要因があるなか、同社は2020年通期のEBITDA(支払い利息・税金・償却控除前利益)を、前回のガイダンスと同様の93億カナダドルと予想しています。
TCエナジーは20年連続で増配しています。現在370億カナダドル規模の設備投資計画を有する同社は、将来にわたって確実に増配を続けることが可能でしょう。
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(NYSE:EPD)は大手MLP(マスターリミテッドパートナーシップ、エネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態)で、中流事業者として原油、天然ガス、石油精製品の輸送、保管、加工などの業務を担っています。
同社はこれらのサービスに対して手数料を得ており、収入は特定のコモディティ価格に直結していません。
第4四半期の分配金(MLPが支払う配当)を1.1%引き上げており、22年連続の増配を記録しました。
好調な増配実績の背景にはいくつかの要因があります。1つ目は堅固なバランスシートです。
同社は常に保守的な負債水準を維持しており、現在のEBITDA有利子負債倍率は3.7倍です。
通常、パイプラインやエネルギーインフラ事業では同指標が4.5倍以下であれば保守的とみなされますが、同社の数値は同業他社の中で最も低い水準にあります。
配当成長の2つ目の要因は、同社の事業の多様性と規模です。昨年は同社の天然ガス液体燃料事業が原油とガス事業の低調を相殺しました。
エタン、プロパン、ブタンといった天然ガス液体燃料は、プラスチック、塗料、化学製品などといった幅広い製品を製造する原料として使われています。
2020年1-9月期には配当の1.6倍にのぼる分配可能なキャッシュフローを創出しました。
さらに、39億ドル規模の建設中の設備投資プロジェクトがあることから、今後数年にわたり同社の増配は継続するでしょう。
エンブリッジ
上記2社と同様、カナダのエネルギー会社エンブリッジ(NYSE:ENB)も印象的な増配実績があり、26年連続で配当を引き上げています。
さらに、同社は1株当たりの分配可能なキャッシュフローの伸びを2023年までの間で年率5-7%と予想しています。
液体燃料パイプライン事業が同社収益の半分近くを占めますが、同事業からの収益が減少しても、収益全体の40%超を占める規制下にあるガス輸送と配送事業が収益の安定化に寄与します。
エンブリッジはいくつかの部門にわたる複数の成長プロジェクトに取り組んでおり、今後3年間に完了する予定のプロジェクトは約100億カナダドル規模にのぼります。
これらは将来的に同社の収益成長を牽引するでしょう。
ライン3パイプライン取り換えプロジェクトの米国側の工事も開始しており、2021年第4四半期には操業可能となる見通しです。
またエンブリッジは再生可能エネルギー事業を拡大していますが、同事業の現在の収益への貢献は約4%です。
EBITDA有利子負債倍率は4.7倍で、目標レンジとしている4.5~5倍内に収まっています。
つまり、同社は今後長期にわたり成長を続ける極めて良い位置につけているようにみえます。
【米国株動向】来年に向けすぐに投資を検討するべきエネルギー3銘柄
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