【米国株動向】コストコとジュミアを比較する

モトリーフール米国本社、2021年1月14日投稿記事より
ギャンブルのスリルを好む人もいれば、危険を冒したくない人もいます。
ジュミア・テクノロジーズ(NYSE:JMIA)とコストコ・ホールセール(NASDAQ:COST)は両極端な銘柄です。
ジュミアは黎明期にあるアフリカのeコマース市場のリーダーで、現在は赤字ですが、今後の成長性を考えると株価は天井知らずとなる潜在性を秘めています。
コストコは言わずもがなの安全パイで、天井はそれほど高くないかもしれませんが、床は頑丈です。
異なる2つの世界
コストコは、世界で803店舗の会員制倉庫型スーパーを運営しており、そのうち30%以上が米国外です。
8期連続で1桁の増収でしたが、今年度に限っては2桁の増収が見込まれます。
12月(1月3日までの5週間)の売上高は前年同月比12.3%増、既存店売上高では10.3%増でした。
ガソリン販売を除く既存店売上高は、7カ月連続で2桁の伸びとなりました。
2桁の増収が長く続くことはないと思われますが、1桁の成長でも十分なことは過去数年で実証済みです。
四半期配当の配当利回りは0.8%で決して高くはありませんが、同社は数年ごとに特別配当を実施しており、昨年12月に実施された1株当たり10ドルの特別配当を加えると、年間の配当利回りは3%を上回ります。
コストコは力強いブランド力と実績のあるビジネスモデルで安定した小売り銘柄ですが、決して立ち止まっているわけではありません。
同社が推進するデジタル化は成果を見せ始めており、eコマース部門の第3四半期売上高は前年同期比で86%以上増加しました。
一方のジュミアは、2020年に株価が6倍に上昇した注目銘柄です。
しかし業績は低調で、売上高は2020年第1四半期から第3四半期にかけて連続して減少し、しかも減少幅は拡大傾向にあります。
パンデミックの中、先進諸国ではeコマースが人々の助けとなりましたが、アフリカの状況はまるで異なっています。
ジュミアがやっていることは決して間違っていません。
たとえインターネット環境が整っていても、依然としてオンラインプラットフォームを容易に信用しないアフリカにおいて、eコマースや決済処理で主導的役割を果たしています。
これまでなかった物流インフラを構築しました。
アフリカ大陸の中には、今では当たり前となっているアドレス方式が存在しない地域もあります。
ジュミアは市場教育に多額の投資をしています。
アフリカが大きなeコマース市場として開花すれば、同社も利益を生み出すことができる可能性があり、それまで投資家は忍耐強く待つ必要があります。
今年は、売上高は増加に転じる見通しですが、黒字化は数年先になりそうです。
ホームランを狙って三振に終わる可能性もありますが、ホームランを打つには時間がかかるものです。
コストコは地味な内野安打かもしれませんが、打率は高いです。足が速ければバントでも安打をかせげます。
いずれにしても塁に出なければ点も取れず、地味な低成長でも、最後に報われるのはコストコの投資家かもしれません。
高い天井も魅力的ですが、2021年は床の強さ、つまり下値を心配した方が良さそうです。
アフリカのEコマース、ジュミア・テクノロジーズはまだまだ黎明期?
【米国株決算】コストコ・ホールセール社の最新決算情報と今後の株価の推移
フリーレポート配信
短期的にはボラティリティが高い傾向がありますが、グロース株投資は長期の資産形成に最も寄与するといっていいでしょう。そういった成長株として注目できる5銘柄紹介します。
「長期成長株投資で注目の米国株5銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)
また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。
公式ツイッターアカウント、公式フェイスブックアカウントをフォローする。
また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rick Munarrizは、コストコ・ホールセール株を保有しています。モトリーフール米国本社は、コストコ・ホールセール株を保有し、推奨しています。