【米国個別株動向】ツイッターが決算で初めて日次ユーザー数を開示。プラットフォームとしての方向転換

モトリーフール米国本社、2019年2月7日投稿記事より
ついにツイッター(ティッカー:TWTR)が、2018年第4四半期決算発表において、プラットフォームの日次アクティブユーザー数(DAU)を初めて公表しました。
同社はこれまで、エンゲージメント増加の証拠としてDAUの増加率のみを公表してきており、月間アクティブユーザー数(MAU)を投資家に開示してきました。
また同四半期の決算発表では新しい測定基準として、収益化可能な日次アクティブユーザー数(mDAU)を導入しました。
この動きは、大手ライバルのフェイスブック(ティッカー:FB)が決算発表内容を変更し、単なるコア・フェイスブック・プラットフォームではなく、より広範なアプリ・ラインナップに焦点を当てていることに起因しています。
以下で、ツイッターの方針変更とその意図を説明します。
ツイッターの豹変
ツイッターは、プラットフォームにログインして広告を見ることができる日次ユーザーとしてmDAUを定義しています。
これは、同社がこれまで宣伝してきたトータルオーディエンス戦略(これは、ログアウトしたユーザーも数え、ツイッターコンテンツのすべての視聴者を含むもの)とは正反対です。
同戦略の細かな定義では、ツイッターが広告を掲載できないサードパーティのサイトの記事にツイートが埋め込まれている場合など、プラットフォーム外のツイートを閲覧する多くのユーザー数も含まれます。
mDAUは2018年第4四半期に1億2,600万に増加し、ツイッターは3四半期連続でMAUを減少させています。
ツイッター・ユーザー数の四半期推移(単位:100万)
出典:ツイッター、チャートはモトリーフール制作
この第4四半期の状況は良い傾向ではありません。
そしてツイッターは、2019年第1四半期にMAUの開示を中止しようとしており、mDAUがビジネスにとって最も重要なユーザー指標であると主張しています。
しかし、SEC(米証券取引委員会)が、2017年にツイッターにDAUの開示を開始させようとした時のことを覚えていますか?
その時のツイッターのSECへの対応は、以下のとおりでした。
「重要な要素はエンゲージメントの相対的な増減であるため、DAUの絶対数はDAUの変化率ほど重要ではありません。
DAUの変化率は、プラットフォームの健全性を評価するため、当社の経営陣によって使用されている業績指標であり、当社は投資家とその測定基準を共有することで、投資家は経営陣と同様に当社を見ることができると考えています。
また、当社が投資家の皆様に対して、DAUの絶対数ではなくパーセンテージ変化を強調しているのは、当社と他の企業を比較する際の混乱を避けるためです。
DAUに関する情報を開示している企業がありますが、ユーザーベースが異なるセグメントを含む可能性があり、DAUの定義が異なります」
つまり、ツイッターはDAUについて180度方針転換したのです。
収益化、エンゲージメント、および相対的な規模は?
ツイッターのmDAUとMAUのベースは、米国ではほぼ安定しており(収益化が最も良好)、すべてのmDAUの増加とMAUの減少は海外の動向によるものです。
幸い、ツイッターはユーザーの収益化能力を向上させています。
同社は他のソーシャルメディア企業のように1ユーザーあたりの平均収入(ARPU)を開示していませんが、ユーザー指標が実質的に横ばいであっても同社の広告収入は米国で増加しています(24%増の4億2,500万ドル)。
新しい指標を使用して、投資家はまた、MAUに対するmDAUの比率をエンゲージメントのもう1つの指標として見ることができます(フェイスブックも使用しています)。
第4四半期においては、ツイッターのMAUの約39%が日々プラットフォーム上で活動しており、フェイスブックの66%を大きく下回っています。
驚くべきことに、ツイッターのmDAUは、スナップ(ティッカー:SNAP)のDAUよりも小さいです。
スナップチャットで有名なスナップは、MAUを開示していません。
ツイッターによると、同社のmDAUは、広告を見ていないユーザーを含んでいる「他社の現在の開示と比較できるものではありません」としています。
同社は明らかに、他のプラットフォームとの不利な(そして避けられない)比較から距離を置こうとしています。
mDAUまたはDAU | 2018年第4四半期 |
フェイスブック(DAU) | 15億2,000万 |
ツイッター(mDAU) | 1億2,600万 |
スナップ(DAU) | 1億8,600万 |
出典:SECへの報告資料
スナップチャットのDAUのユーザー基盤は安定しているようですが、成長は止まっています。
ツイッターの新しい開示には注意すべきですが、同社が少なくとも依然として世界的にmDAUを成長させていることは心強いものです。