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1月8日米国雇用統計の結果と株価の変化

全世界に大きな衝撃をもたらしたコロナパンデミックが発生した2020年が終わり、2021年が訪れました。

新型コロナウイルス感染症に対する新型ワクチンが開発されたものの、未だに多くの感染者が発生しており、収束の目途はたっていません。

そんな中、2021/01/08のアメリカ市場開場前に米国雇用統計が発表され、2020年12月の非農業部門雇用者数変化・失業率などが判明しました。

コロナショック後の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比ベースで▲2,050万人と、リーマンショックをはるかに上回る過去最低の結果となっていました。

しかしながら、翌月以降の米国雇用統計を見ると、アメリカの労働市場は順調に回復しつつあることが分かり、その後も安定した回復が見られていました。

今回発表された12月期の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比で14万人減少していました。

エコノミストの事前予想では5万人増となっていましたので、事前予想を大きく下回る結果であり、アメリカの雇用状況の悪さを示しています。

また失業率は6.7%となっていましたので、前月から変化していません。

米国雇用統計の主要データ(12月期)

  • 非農業部門雇用者数…14.0万人減(前月結果:24.5万人増)
  • 失業率…6.7%(前月結果:6.7%)
  • 平均時給…+0.8%(前月結果:+0.3%)
  • 不完全雇用率…11.7%(前月結果:12.0%)
  • 労働参加率…61.5%(前月結果:61.5%)

1/08米国雇用統計の詳細

まず非農業部門雇用者数について見ていきます。

非農業部門雇用者数とは、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつであり、農業部門を除いた産業で働く雇用者数のことで、データは前月比でどれだけ増減したかで公表されます。

米国の雇用情勢を示す重要な指標の一つであり、為替相場や株式相場に対して大きな影響を与えます。

1/08に公表された12月期の非農業部門雇用者数は前月比で14.0万人減となっていました。

先月の12/04に公表された結果が24.5万人増であり、前月結果よりも回復のペースは大幅に減少していることが分かります。

またマイナス結果になったのは8カ月ぶりであり、新型コロナウイルス感染症の感染急増が米国経済への重しとなっていると言えるでしょう。

アメリカにおける感染者数は増加の一途をたどっており、執筆時時点では毎日3万人ほどが感染しています。

今回の統計を見ると、特に娯楽・ホスピタリティ分野に関して著しい弱さが見られており、同部門の結果が非農業部門雇用者数の数字を押し下げていると考えることができます。

娯楽・ホスピタリティの雇用は大きな打撃を受けたものの、12月には多くの業界で雇用が増加しており、建設業では5.1万人増、製造業では3.8万人増、小売業では12.5万人増の結果がそれぞれ見られています。

続いて失業率について見ていきます。

失業率とは、米国労働省が毎月第一金曜日に効用数米国雇用統計のひとつであり、約6万世帯が調査対象となって割り出される指標です。

1/08に発表された12月期の失業率は6.7%となっており、前述の通り前月結果の6.7%から変化していません。

先々月は6.9%となっており、失業率に改善が見られていたものの、今回の統計では改善が見られていません。

米国政府の財政政策の少なさがもたらした結果であると言えるでしょう。

ただ事前予想では6.8%ほどとなっていたため、予想よりも良い結果となっています。

次に平均時給について見ていきます。

平均時給とは、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつで、農業部門以外の主要産業の一時間当たりの平均賃金のデータであり、前月比でどれだけ増減したかで公表されます。

1/08に公表された12月期の平均時給は、前月比で0.8%増加しています。

11月期は0.3%、事前予想は0.2%の増加となっていましたので、平均時給については比較的良好な結果が見られたと言えるのではないでしょうか。

次に不完全雇用率について見ていきます。

不完全雇用率とはU6とも呼ばれている米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつで、フルタイムでの雇用を望んでいるがパートタイムでの勤務を行っている労働者や、積極的に職を探している求職者などが含まれています。

1/08に公表された12月期の不完全雇用率は11.7%となっており、前月結果の12.0%から0.3ポイントの減少となっていました。

不完全雇用率については、少しずつではあるものの、改善が見られています。

最後に労働参加率について見ていきます。

労働参加率は雇用されているか積極的に就労している労働力人口(16歳以上)の総数に該当する年齢層の全人口に対する割合を示しており、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつです。

1/08に公表された12月期の労働参加率は61.5%となっており、前月結果から変化はありません。

前々月結果が61.7%となっていたことから、労働参加率については、あまり改善が見られていないと言えるでしょう。

全体的に見ても、米国の雇用状況及び経済状況は不安定さを持っており、悲観的な内容になっていると言えるのではないでしょうか。

雇用統計発表前後の株価の値動き

米国雇用統計発表前後におけるNYダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数、S&P500指数の変化について見ていきます。

【NYダウ工業株30種平均】

  • 1/07…終値31,041.13ドル
  • 1/08…始値31,069.58ドル(前日終値+0.1%)
  • 1/08…高値31,140.67ドル(前日終値+0.3%)
  • 1/08…終値31,097.97ドル(前日終値+0.2%)

【ナスダック総合指数】

  • 1/07…終値13,067.48ドル
  • 1/08…始値13,160.22ドル(前日終値+0.7%)
  • 1/08…高値13,208.09ドル(前日終値+1.1%)
  • 1/08…終値13,201.98ドル(前日終値+1.0%)

【S&P500指数】

  • 1/07…終値3803.79ドル
  • 1/08…始値3815.05ドル(前日終値+0.3%)
  • 1/08…高値3826.69ドル(前日終値+0.6%)
  • 1/08…終値3824.68ドル(前日終値+0.5%)

全ての指数において同様の値動きが見られており、1/08における各指標の始値から微増、終値についても微増となっています。

各指標のチャートを見てみると、日中にかけて下落し、後場において上昇が見られています。

終値ベースでは上昇が見られていますが、これは米国雇用統計の悲観的な結果がその要因として挙げられます。

悲観的な結果が株価の上昇をもたらすという関係性は、一見すると矛盾しているように思えます。

悲観的な結果が発表されることにより、追加の経済刺激策が行われるのではないかとの期待が強まったため、株価は上昇しました。

1月20日にはバイデン氏が大統領に就任することになりますが、バイデン次期米国大統領は、この米国雇用統計の結果を踏まえて、財政赤字が膨らんだとしても、今すぐにでも行動を起こすことが経済に対する支援になるとの考えを示しました。

就任直後であり、コロナ禍の改善に対して意欲を高めているバイデン氏がなんらかの経済刺激策を実施することを期待することができます。

米国雇用統計の結果やバイデン氏の考えを踏まえると、各指数が上昇したことは十分納得できるものとなっています。

ただ、これらの上昇は刺激策への期待から上昇しているため、今後バイデン氏が就任し、有効な経済施策をうまく実行することができなければ、今後の施策実行が期待できなくなることになりますので、株価が下落する可能性があることには留意する必要があると言えるのではないでしょうか。

まとめ

1/08に発表された米国雇用統計の結果は、前月結果からさらに悪化している部分もあり、特に非農業部門雇用者数は8カ月ぶりのマイナスを記録しました。

改めて米国政府による追加の経済政策の実施が求められていると言えるでしょう。

今月末にはバイデン氏が大統領に就任することもあり、追加の経済施策を期待することができます。

悲観的な雇用統計の結果ではあるものの、今後の改善には一定の期待を持つことができ、今後の相場を必ずしも悲観的に見る必要はないと言えるのではないでしょうか。

今後のバイデン氏の発言や、経済施策の動向については、注視していく必要があると言えるのではないでしょうか。

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