【米国株動向】2021年、まずはこの3銘柄に注目

モトリーフール米国本社、2021年1月4日投稿記事より
2020年は不安定な1年でしたが、株式市場では必ずしも悪いことばかりではありませんでした。
S&P500指標は3月に3年来の安値を記録したものの、年間を通じて16%上昇しました。
投資に関する昨年の教訓の1つは、安全な銘柄、つまり経済混乱期でも底堅さを示す企業を株式ポートフォリオに組み込むことは重要だということです。
しかし、安全だからといって必ずしも成長が遅いわけではありません。
ターゲット(NYSE:TGT)、エッツィ(NASDAQ:ETSY)、ペイパル・ホールディングス(NASDAQ:PYPL)の3銘柄は2021年、そして長期にわたり成長を続ける確実な投資先といえます。
米国人が好む買い物先
パンデミックの間、ターゲットは生活必需品を販売する類似の小売業者の中で売上が最も伸びました。
下表は各小売業者における四半期ごとの前年同期からの既存店売上高伸び率を示しています(ただし、四半期の締め日が異なることから全く同一条件下の比較ではありません)。
小売業者名 | 2020年
10月/11月期 |
2020年
7月/8月期 |
2020年
4月/5月期 |
ターゲット
(NYSE:TGT) |
20.7%
(10月31日締め) |
24.3%
(8月1日締め) |
12.5%
(5月2日締め) |
ウォルマート*
(NYSE:WMT) |
6.4%
(10月31日締め) |
9.3%
(7月31日締め) |
10.0%
(4月30日締め) |
コストコ*
(NASDAQ:COST) |
17.1%
(11月22日締め) |
14.1%
(8月30日締め)** |
7.8%
(5月10日締め) |
出所:ターゲット、ウォルマート、コストコ
*ウォルマートとコストコはガソリン売上を除く
**コストコについては8月30日締めの四半期は締め日までの16週間が対象、それ以外の四半期は締め日までの12週間が対象。
ターゲットではデジタル販売チャネルが売上成長を下支えしています。
同社の第3四半期(10月末締め)売上高のうちデジタルチャネルは15.7%を占めるに過ぎませんが、同四半期の既存店売上高の伸び20.7%のうち10.9%(ポイント)はデジタルチャネルによるものです。
また、同四半期のデジタル関連売上高は前年同期から155%増加しましたが、これは即日配送サービスからの売上(同217%増)が牽引したとみられます
ターゲットは過去数年にわたり実店舗とデジタルを連携させたオムニチャネル販売に投資してきました。
2017年に即日配送サービスを展開するシプト(Shipt)を買収し、現在では顧客が求めるほぼすべての買い物オプションを揃えています。
2021年にはターゲットはシプトの商品ラインナップを拡充し、全ての即日配送サービスを最新の内容へ更新する予定です。
配送センターの代わりに地元のターゲット店舗が受注の半分以上に対応することで、より迅速な配達で顧客満足を向上させ、同社にとってはコスト低減を可能にします。
さらにターゲットは45にのぼるファッションブランドを有しており、現代風のファッションを手頃な価格で提供しています。
美容分野の強化の一環としてUlta Beautyと提携し、2021年には100件のUltaショップを店内に呼び込むことも発表しています。
また、ターゲットは、フルサイズの店舗では対応できない地域でもターゲットの体験を顧客に提供できるように、商品ラインを厳選した小型店舗を密集した地域にオープンするなど、店舗サイズのコンセプトにも取り組んでいます。
2020年に29件の小型店舗を開店し、年間40件の開店を目指しています。
ターゲットは小売業として正しい方向に向かっており、今後数年間は安定した利益を上げるでしょう。
趣向を凝らしたeコマースの創造的破壊者
エッツィはハンドメイドやユニークな商品を販売するeコマースサイトで、同社のマーケットプレイスは数千もの売り手を抱えています。
同社は過去数年の間、ユーザーの利便性を高めたり、実店舗でのショッピングに代わる存在として知名度を高めたりといった取り組みを積極的に進めてきました。
パンデミックの間も堅調な業績を維持し、第3四半期(7-9月)の売上高は前年同期比で128%増、GMV(総流通総額)は同120%増、純利益は同520%増を記録しました。
同社のプラットフォームはアクティブユーザーとして、350万人の売り手と6,900万人の買い手を有しています。
第3四半期には売り手は前年同期から42%増、買い手は同55%増となりました。
以前は売り手の増加ペースが買い手を上回っていましたが、買い手の増加が上回ったことは注目に値します。
問題はエッツィの株価がどこまで上昇するのか、そして同銘柄は割高なのか、ということです。
過去3年間に株価は770%超の上昇を遂げました(執筆時点)。
今後の成長を市場規模から見た場合、同社の獲得可能な市場規模は1,000億ドルであるのに対し、第3四半期の売上高は5億ドルと依然としてわずかです。
パンデミックの間のような大きな伸びは経済が回復するにつれて鈍化するかもしれませんが、デジタル化は今後も継続し、同社は過去9カ月間に新たな顧客も獲得しています。
エッツィの今後の売上成長を考えれば、バリュエーションの心配は不要でしょう。
パンデミック中そして今後も購買活動の促進に寄与
ペイパルはデジタル決済分野のリーダーで、パンデミック中に実店舗が休業を余儀なくされた際に、ペイパルの技術を用いたオンライン販売は世界中の企業の事業継続に貢献しました。
同社の第3四半期(7-9月)の決済総額は前年同期から36%の増加、売上高は同25%の増加となり、第4半期の数値も同水準になると見込んでいます。
そして、同社は継続的に新たなオプションや商品を投入しており、直近では分割払いプログラムを拡張したり、対面およびデジタルいずれの支払いでも有用なベンモ・クレジットカードを開始したりしています。
ペイパルは何百万ものオンラインストアで簡単な決済方法として受け入れられていますが、成長の余地は依然として存在します。
ショッピングのデジタル化は進んでおり、同社は何百万ドルもの消費の一部から恩恵を受けています。
さらに、事業拡大のために、個人間送金サービスを提供するベンモや消費者分析を手掛けるハニーといった、いくつかの企業を買収しました。
投資家は2021年以降もペイパルの展開に期待を持てるでしょう。
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