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投資対象としてバークシャー・ハサウェイを考える

バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の投資ポートフォリオがどのようになっているのか、そして新たに何を買い、何を減らしているのかが、四半期毎にメディアに大きく取り扱われています。

同じものを後から買っていたりもします。

だったら、バークシャー・ハサウェイの株を買ってしまったらどうだろうかと考え、投資対象として見た時にバークシャー・ハサウェイ株が魅力的なのかどうかを考えてみたいと思います。

企業としてのバークシャー・ハサウェイ

まず、バークシャー・ハサウェイがどのような企業かご存じですか?

分かりにくいのですが、保険会社をコアとしたコングロマリット企業です。

主なビジネスとしては損害保険を中心に生命保険も一部扱っています。

そして、元受け(契約者から保険契約を引き受ける)のビジネスだけではなく、再保険会社としても世界最大級の会社です。

この保険ビジネスがバークシャーのコアビジネスです。そして、これがバフェットの彼の投資戦略のひとつです。

保険会社は、先に保険料を徴収し、保険金支払いが発生したとしても支払い自体は後になるため、一定量の資金が常に滞留します。

この滞留している資金をフロートと言います。

これが、投資資金として使えることに気づいたバフェットは、保険会社としてバークシャーを再出発させました。

保険のビジネスを拡大すればするほど、このフロートが大きくなっていきます。

アメリカにおいては、保険会社のビジネスは、保険の収支だけでは赤字なることが多く、このフロート運用でどれだけプラスを出せるかが、保険会社としての収益につながるような構造になっており、資金運用は保険会社の重要なビジネスです。

この保険ビジネスがコアビジネスなので、バークシャーを投資対象として見る際には、一義的には保険会社(損害保険です)として見ることになります。

保険会社を投資対象として見た時、何が魅力的でしょうか?

保険ビジネスは、収益性が高い、あるいは成長性が高いかというと、どちらもそうではありません。

しかし、好景気の時には、保険の対象となるものが増えます(身近なものでは、家や車など)。

そして、不景気の時でも、保険は必要です(不景気の時に保険が無いと、更にリスクが高くなってしまいます)。

そういった意味で、不景気に強いビジネスと言えます。

バークシャーの保険以外のビジネス

バークシャーの保険以外のビジネスで大きいのは、鉄道ビジネスです。

バークシャーは、子会社にBNSF(Burlington Northern Santa Fe)という会社を保有しています。

BNSF鉄道は、テキサス州フォートワースに本社を持つ鉄道会社で、テキサス州と北部そして西部太平洋沿いを結ぶ鉄道網を有しています。

バークシャーはBNSF鉄道を2009年に買収しています。

その鉄道路線網は、北米においては、ユニオン・パシフィック鉄道とともに最大です。

米国の物流においては、国土が広いこともあり、大量の物資の移動には、鉄道の占める役割が非常に大きいです。

景気の動向を占う上で、鉄道物流の状況は先行指標の一つにもなります。

4万人以上の従業員と、2019年には$5.4bil(55百億円)の収益を生み出しており、非常に重要な一部門となっています。

次のビジネス・セグメントとしては、エネルギー(ユティリティ事業:電気・ガス)です。

90年代後半にMid-American Energyを買収して、このビジネスに入っています。

このビジネスは、人々の生活に必要不可欠であり、不景気の時でも大きく落ち込むことのないビジネスです。

2019年は、$2.8bil(29百億円)の収益を生み出しています。

製造業分野では、様々な企業を持っています。

Precision Castparts(精密機械加工)、Lubrizol Corporation(潤滑油などの化学製品)、International Metalworking Companies(金属切削ツール製造)、Marmon Holdings(様々な機械製品製造)などがあります。

建設プロダクト分野では、Clayton Homes(戸建て住宅建設)、Shaw Industries(米国最大のカーペット・メーカー)、Johns Manville(断熱材、屋根材など)、MiTek Industries(住宅分野での建設工具、その他)、Benjamin Moore(コーティング剤)、Acme Brick(レンガ製造)などがあります。

消費者向け製品の分野も非常に多くの企業を持っています。

Tシャツや下着などを作っているFruit of the Loomなどが有名です。

また、RV製造のForest River、アルカリ電池で世界的なメーカーであるDuracellなどもバークシャーの子会社です。

配送サービスのMcLane Company、パイロットのトレーニング機器のデザインと製造を行うFlightSafety International、プライベートジェットの時間貸しを行うNetJetsも保有しています。

全米に販売網を持つ自動車ディーラー、家具販売(ネブラスカ・ファニチャー・マートはバフェットの伝記などを読むと必ず出てきます)や、Borsheim Jewelry、See’s Candies(アメリカのお土産に買ったことのある方も多いでしょう)などもバークシャーの子会社です。

これだけのビジネスを展開していると、それぞれのビジネスを評価して合計した金額は、バークシャーの時価総額を大きく上回るのではないかと思います。

投資先としてのバークシャー・ハサウェイ

ビジネスが多岐にわたるため、分かりにくい、そして成長性のあるビジネスがあっても、一方で成長性は低いが安定性の強いビジネスがあるなど、全体としてその特徴が打ち消し合ってしまいます。

結果、コングロマリット・ディスカウントと呼ばれる現象が起きます。

即ち、個々のビジネスの評価の積み上げに比べ、割安に放置されるという現象です。

それを理由に割安と判断しても、それが解消されることはあまりないので期待しない方が良いです。

それぞれのビジネスのウェイトなどは特に言及せずに、どのような子会社を持っているかをお伝えしてきました。

これらに加えて、投資ポートフォリオがあってバークシャー・ハサウェイとなります。

(Bloomberg)

これは過去5年のS&P500(青)とバークシャー(クラスB、オレンジ)の株価の比較です。

5年でS&P500に劣後していますが、この傾向は特に過去2年で激しくなっています。

傘下の子会社のビジネスや、投資ポートフォリオを見ても、GAAFA主導の市場では勝ち目は薄いのはすぐに分かります。

こうした状況の中で、バークシャーが投資先として魅力的かどうかを考えてみましょう。

そもそも、企業としてのバークシャーがバフェットの経営のもとに運営されているということがあります。

バフェットは投資の神様と言われますが、経営者としての能力も非常に高いと言われています。(経営者の目で投資をするので、素晴らしい投資が出来るとも言われています)

そして、株価ではなく、企業の収益ということを考えた時、不景気に強いビジネスと景気の上昇期に強いビジネスの双方を持っており、株主としては安心して持っていられるビジネスではないかと思われます。

今後、コロナからの景気回復が見えてきたときに、メリットを受けるビジネスも沢山持っており、そのメリットも享受できるかと思います。

値上がり益をともかく追究するという投資家には向かないかもしれませんが、安定性を狙いつつ、ある程度のアップサイドも欲しいという投資家には向いているのではないかと思います。(配当はありません)

一点注意が必要なのが、後継者問題です。バフェットももう90歳です。

2018年にチーム体制での運営を宣言し、運用の後継候補としてTodd CombsとTed Weschlerが投資に参加しています。

【米国株動向】バフェット氏と後継者候補がバークシャー・ハサウェイの未来を保証

そして、保険ビジネスはAjit Jain、その他のビジネスはGreg Abelが統括するようになりました。

体制は整ってきています。

しかし、バフェットのようなカリスマ経営者からの承継は簡単ではないし、彼が引退するときには、市場は一旦大きく売り込む可能性は十分にあります。

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