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【米国株動向】半導体大手のエヌビディアとAMD、2021年により注目すべきは?

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、20201222日投稿記事より

エヌビディア(NASDAQ:NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)(以下AMD)は2020年に最も勢いのあった半導体銘柄です。

いずれの銘柄も株価は年初来で2倍以上に上昇し、フィラデルフィア半導体株指数の約50%の上昇を容易にアウトパフォームしました(執筆時点)。

来年も引き続き両銘柄の好調が期待できるか、どちらにより注目すべきかを以下で見てみましょう。

エヌビディアとAMDの主な相違点

両社はどちらもGPU(画像処理装置)とCPU(中央処理装置)の開発・販売に従事しています。

エヌビディアは売上の大半をパソコンやデータセンター向けの外付けGPUから、それ以外の売上をテグラCPUから得ています。

テグラCPUはコネクテッドカー(インターネットへの常時接続機能を具備した自動車)や同社の携帯型ゲーム機、ニンテンドースイッチなどに使用されており、クアルコムやメディアテックなどが開発する類似のARMベースのCPUと競合しています。

テグラCPUは通常、AMDやインテル(NASDAQ:INTC)が開発するパソコンやサーバー向けのより強力なx86 CPUとは競合しません。

エヌビディアは今年後半、英半導体設計会社ARMの買収に合意しましたが、これによりARMベースの他の半導体メーカーから利益率がより高いライセンシング収入を得ることが可能になるでしょう。

また、イスラエルの半導体設計会社メラノックスの買収が今年完了したことで、データセンター分野で両社の製品・サービスを併せて提供することが可能になりました。

AMDは売上の3分の2以上をパソコン向けCPUと外付けGPUから得ており、前者はインテルと後者はエヌビディアと競合しています。

それ以外の売上は、主にデータセンター向けのCPU「Epyc」から得ており、同分野ではインテルと競合しています。

AMDは今年後半、最大手のFPGA(製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)メーカーであるザイリンクス(NASDAQ:XLNX)を買収することで合意しました。

この買収が完了すれば、2015年にインテルが行ったザイリンクスの競合会社アルテラの買収に追いつくことになるでしょう。

FPGAはCPUを補完したり、人工知能(AI)や機械学習といった難易度の高い作業を高速化したりするためにプログラミングし直すことができることから、AMDとインテルが行ったいずれの買収もデータセンター向け事業を補完します。

パンデミックによる追い風

パンデミックはエヌビディアとAMDにとって追い風となりました。

より高度なグラフィックス技術が必要な新たなゲームが出現したり、外出禁止令によりビデオゲームに費やされる時間が増えたりしたことから、ゲーム向けGPUの需要は高まりました。

コロナ禍を通じたリモートワークとオンライン授業の増加はラップトップを中心としたパソコンの買い替えを促進したことから、モバイル向けCPUとGPUの需要は増加しました。

またクラウド・サービスの利用が増加したため、同サービスの提供会社がデータセンターの規模拡大や性能向上に努めたり、AIを利用した高度な作業が増加したことで、より高性能なGPUの売上が伸びたりしました。

インテルでは、製造プロセスの問題により昨年はCPUの供給が不足し、さらに7nmチップの出荷が遅延したことから、顧客となるPCメーカーは、製品供給や研究開発(R&D)に問題のないAMDへ向かいました。

CPU処理性能比較サイトによれば、CPU市場におけるAMDのシェアは2016年第4四半期の17.8%から2020年第4四半期には38.4%へと拡大する一方で、インテルは同期間に82.2%から61.6%へと縮小しました。

成長が速いのはどちらの企業か?

2020年度(2019年2月~2020年1月)にエヌビディアの売上と調整後EPS(1株あたり利益)はそれぞれ前年から7%減、13%減となりました。

この減少は主に、昨年急激に発生した仮想通貨バブルによるもので、マイナー(仮想通貨の掘削をする人や組織)が安価な中古GPU市場へ殺到したためです。

しかし、エヌビディアの2021年度第1~3四半期(2020年2~10月)売上高は前年同期から49%増加しました。

パンデミックにより自動車やプロフェッショナル用ビジュアル関連製品向けの事業が減少しましたが、ゲーム及びデータセンター向けチップの売上増加がその減少を相殺しました。

また同期間にはメラノックスとの買収完了や、粗利益率が相対的に低いゲーム向けGPUの比率上昇により、エヌビディアの粗利益率は前年同期からやや低下しましたが、当期純利益は同55%増加しました。

アナリスト予想によれば、2021年度通期の売上は前年から51%の増加、利益は同68%の増加となる見通しで、2022年度通期はパンデミックによる追い風が後退するとみられることから、売上、利益ともに21%増の見通しです。

AMDの2019年通期の売上は前年から4%増、調整後EPSは同39%増となりました。

同社のGPU事業はエヌビディアと同様、仮想通貨関連の問題に直面したうえ、ゲーム機器販売の減速が同社のセミオーダーのチップの売上にマイナスに影響しました。

しかし、2020年1~9月期にはゲームおよびパソコン、そしてデータセンター市場向けのCPUおよびGPUの売上が伸びたことから、売上高は前年比42%増となりました。

粗利益は改善し、純利益は4倍以上になりました。

アナリスト予想によれば、2020年通期の売上高は42%増、利益は92%増の見通しです。

2021年通期については、AMDがエヌビディアとともにインテルを追撃するなか、売上高を27%増、利益を49%増と予想しています。

勝者:AMD

両銘柄とも予想利益に基づくPER(株価収益率)は50倍以上と割高ですが(執筆時点)、次の3つの理由からAMDはエヌビディアよりも魅力があるでしょう。

第1にAMDは、自動車業界や法人向けといったマクロ環境に左右されやすいセクターへのエクスポージャーがエヌビディアより少ないことです。

第2に、インテルが製造問題に揺れている間はAMDの成長は続くとみられます。

最後に、AMDのチップはPlayStation5やXボックスX/Sシリーズに使用されていますが、これらのゲーム機の需要がホリデーシーズンに高くなるとみられます。

こうした好材料と、より分散したポートフォリオから、エヌビディアよりもAMDにより注目すべきでしょう。

ただし、両銘柄とも当面は好調が続くとみられるものの、来年は今年ほどの伸びは期待できないでしょう。

【米国株動向】アドバンスト・マイクロ・デバイシズとエヌビディアの比較

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Leo Sunは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株、エヌビディア株、クアルコム株、ザイリンクス株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、インテル株、任天堂株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株のオプションを推奨しています(2021年1月の85ドルのロング・コール、2021年1月の115ドルのロング・コール)。
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