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ブラジルの鉄鉱石企業、「ヴァーレ」の時代が到来する理由

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ヴァーレ(NYSE:VALE)はブラジルにある大手鉄鉱石会社です。

創業1942年と歴史があり、鉄鉱石やニッケルの生産高世界一を誇る、ブラジル経済を牽引する優良企業です。

日本では三重県に松坂工場があります。

今回はなぜヴァーレが注目なのか、その理由を挙げていきたいと思います。

ヴァーレの鉄鉱石を求める中国需要

中国経済の発展には鉄鉱石が欠かせません。

中国国内において鉄鉱石需要があることは、鉄鉱石の先物価格を見れば明らかです。

2020年12月10日のシンガポール取引所で鉄鉱石先物価格が上昇し、1トンあたり150ドル台まで価格が伸びました。

執筆時点では155ドル台まで伸びています。

これは市場が中国の鉄鉱石需要が2021年に入っても活発であり、極めて明るい見通しであることがハッキリしたからです。

2020年11月末からの約1ヶ月で鉄鉱石価格は約30%上昇しており、これは2013年以来となる高値となっています。

またゴールドマンサックスによれば、中国市場の底堅い鉄鉱石需要と欧米の鉄鋼需要の急拡大により、鉄鉱石の供給が追いつかなくなるとの見方を示しました。

これは鉄鉱石の需要に対して、供給が追いつかない状況がしばらく続くことを意味しています。

つまり鉄鉱石の生産・販売シェアNo.1のヴァーレから鉄鉱石を供給してもらう必要があるのです。

中国需要の恩恵を受ける企業こそヴァーレなのです。

なぜヴァーレの鉄鉱石が必要なのか?

中国国内でも鉄鉱石は僅かですが採掘しています。

ではなぜヴァーレの鉄鉱石が求められているのかというと、中国の鉄鉱石は品質が悪く、自動車や都市開発、商業ビルなどの大型施設では使いものにならないからです。

良質の鉄鉱石を得るには、ブラジルやオーストラリアで採るしかありません。

つまり中国経済の発展を支える基盤にヴァーレが大きく貢献することを意味しており、ヴァーレに投資することは間接的に中国のインフラや自動車産業へ投資していることと同じです。

そしてコロナ禍において、中国は2020年GDPは+1.8%の成長となる見込みで、これはG20の中で唯一の+成長の国となります。

2021年は+8%の成長を見込む中国において、「鉄鉱石」の需要はさらに高まることは間違いありません。

こうした理由からヴァーレの鉄鉱石はさらに需要が高まり、中国経済に引っ張られる形で株価も上昇することが期待できます。

ヴァーレ売上高分析

ヴァーレの売上高構成比を見ていくと、鉄鉱石79.9%、ニッケル11.3%、銅5.1%、石炭2.7%となっています。

またEPS(1株当たり利益)を見ていくと、2017年のEPS1.1%、2018年のEPS1.3%、2019年のEPS−0.3%となっています。

2019年にEPSがマイナスに転じたのは理由があります。

それは2019年1月にブラジルのミナスジュライス州ブルマジーニョで、ヴァーレが所有する鉄鉱石ダムが決壊する大事故が起き、270人の死者を出す惨事となったことです。

事故の補償金として26億ドルを使い、これがEPSがマイナスに転じた要因です。

時価総額も710億レアル(2兆円)以上下落し、この下げ幅はブラジル市場最高額です。

とはいえ、そこから順調に経営も立て直しており、コンセンサス予想では2020年のEPSは$1.79、2021年のEPSは$2.48が見込まれており、今後の見通しは明るいことが予想されています。

ヴァーレ相場の幕開け

粗鋼生産量とは、鉄鉱石や石炭の原料から作る「鋼(はがね)」段階の生産量のことですが、これは鉄鋼業全体の生産規模を表す指標としても機能しており、国の経済力が見えてきます。

そして2019年時点での世界一の粗鋼生産量は、中国の996.3(単位は百万ドル)と2位インドの111.2を大きく離しています。

世界の鉄鉱石業界を引っ張るヴァーレは、今後も中国経済を支える一翼として重要な企業であり続けるはずです。

実際、中国経済がどれほどの勢いかというと、1997年〜2017年の20年間で全世界の粗鋼生産量は2.1倍へと増加しており、その増加分の81%が中国需要による増加分です。

これにより中国の鉄鉱石需給における海上貿易の支配率は、12%から68%へと急増しています。

つまりヴァーレのアップサイドはこれから長期に渡って始まることを意味しています。

また鉱山や鉄鉱石はすぐに増産ができない分野です。

それはつまり需給の悪化に時間がかかることを意味しており、長期に渡ってトレンドが続くことへ繋がっています。

執筆時点でのヴァーレの株価は16ドル台です。

筆者はヴァーレの相場はまだ始まったばかりであると考えています。

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