2021の金融市場をかしこく乗り切るための注意点

いよいよ新たな年が始まりました。
昨年は、本当に色々な事がありました。今年こそ、明るい年にしたいものです。
さて、2021年の相場はどのように乗り切っていけば良いのでしょうか?
まず目先の相場に関しては、まだ始まったばかりで「よくわからない」と言ったところでしょう。
4日(月)のマーケットでは、ジョージア州の上院決戦投票を翌日に控えた不透明感から確定売りが多く出た様で、ダウ工業株30種平均は一時700ドル以上値下がり、今までの強気相場に水をさす動きとなりました。
引け後、0~100で示される「恐怖と欲望指数」の値は52を示し、投資家のセンチメントは中立とありました。
「恐怖と欲望指数」は、基本的に「逆張り指標」として使われる事が多く、以下の指標から導き出されています。
- 株価の勢い・強さ
- 株価の値幅
- プット・コール・レシオ(オプション)
- ジャンク債の需要
- 市場のボラティリティー
- 避難所の需要(株式と債券のリターンの違い)
これらの指標のうち、投資家のセンチメントがネガティブ(恐怖)であると示したものは、「ジャンク債の需要」、「市場のボラティリティー」、そして「避難所の需要」でした。
ジャンク債に関しては、ジャンク債の金利が歴史的に見れば低い値であるが、投資家が低い値でも受け入れたことから、リスク回避の動きが加速していると判断されました。
ボラティリティーは、中立と判断できる値であり、リスクテイクの局面ではないと判断されています。
最後の避難所の需要というのは、株式と債券のリターンを比較した上で、株式市場から債券市場に資金が流れ、投資家のリスク回避への動きが加速したと判断されました。
投資家の心理がリスク回避の方向に傾く大きな要因は、不透明な事が多すぎるという点でしょう。
今後の経済は、コロナ次第という現実
昨年、新型コロナウイルスの感染による世界的パンデミックが起こり、世界経済は大きな打撃を受けました。
昨年末には、ワクチンの明るいニュースが次々に出て来て、米国、カナダなどではワクチン接種が始まりました。
最近ではインドでも2種類のワクチンが承認され、途上国での普及にも希望が見えてきました。
しかし、ワクチンを一気に世界中の人が接種できるわけはなく、世界のワクチン接種率を上げるためには、相当な時間と努力が必要です。
米国では、あれだけ新型コロナウイルス感染が広がっているにも関わらず、医療従事者の50%以上が「ワクチンを拒否する」意向であることが分かっています。
このように、自らがワクチン接種を拒否するケースが多い事、また、しっかりとしたワクチンの有効性やワクチンが効く期間、副作用、また最近では新型コロナウイルスの「変異種」もいくつかの国で発見され、「変異種」に対しての有効性など、まだ不透明な事は多く、このパンデミックがいつになったら終わるのか、誰にもわからない状態です。
そして、米国では新政権誕生、英国はブレグジットという新たな道を歩み始め、この二つだけでも相当大きな変化ですが、今はそれに加え色々なところで大きな動きが起きています。
2021年の市場
直近では、ビットコインが3万4,000ドルを超えたという大きな見出しのニュースが、年明け3日に出ていましたが、翌日4日には急落し、約17%も下落するという動きが起きました。
仮想通貨市場は株式市場や為替市場と違い、休みなく24時間365日動いています。
その為、市場の休み中に資金が集まっていたとも考えられますが、一気に17%も下がるとは、まさに「一寸先は闇」です。
この急落で、国内大手取引所のコインチェックでは、50万円幅を超える「フラッシュ・クラッシュ」が起こり、ビットコインの価格が、他の取引所よりも約60万円安い価格で約定し、仮想通貨取引所のビットフライヤーでは、「サーキット・ブレイカー」が発動しました。
このような、急落、又は急上昇という現象が、今年は色々な市場で起こる可能性があります。
特に、株式市場での急落には注意したいものです。
昨年から、コロナ禍の景気対策として巨額なマネーが市場に流れ込み、昨年は「ロビンフッダー」という言葉も出て来て、一般投資家による投資ブームが起こりました。
また、次期財務長官に、ジャネット・イエレン氏が任命されるという人事発表も行われ「ウォール街は安堵のため息」という見出しで大きなニュースとなりました。
しかし、この金融緩和はいつまで続けられるのでしょうか?
新型コロナウイルスによるパンデミックが収まって来れば、政府と中央銀行による金融緩和と財政出動は縮小されていくはずです。
その時、この「金融緩和と財政出動」を理由に上昇して来た相場は、一体どうなるのでしょう?
お金が逃げる時は一斉に逃げます。そして、そのスピードは恐ろしく速いです。
新型コロナウイルスの感染状況、ワクチン関連のニュース、そして金利動向などに注意し、「相場が一方向に走る事もある」と頭に置いた上で、無理をせず今年も共に頑張りましょう。
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新型コロナウイルスの感染再拡大で未だ予断を許さない状況ですが、ワクチン開発で大きな進展が示されるなど、厳しい状況の中にも明るい兆しも見えてきています。2021年にかけて成長ストーリーを持っている5銘柄を紹介します。
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