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2021年に注目したい米国半導体銘柄3選

出典:Getty Images

スマートフォンやパソコンをはじめ、さまざまなエレクトロニクス産業を支える半導体に対する注目度が高まっています。

新型コロナウイルスが世界的に流行したことで、経済に大きな打撃を与えた一方で、リモートワークなど人々の行動様式に変化が見られ、通信機器に対する需要が加速しました。

半導体は景気敏感セクターであるため、これらに注目することで、景気の動きを先んじて察知することができます。

新型コロナウイルスによる低迷から抜け出し切れていない現在においても、半導体セクターはその力強さを示し続けています。

また次世代移動通信システム(5G)が市場に登場し、その波及効果が半導体セクターに広まるのは時間の問題となっており、半導体銘柄に注目する投資家も多くなってきています。

今回は半導体セクター銘柄から3つほど紹介したいと思います。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)社はアメリカに本社を置く、グローバルな半導体会社です。

コンピューティング&グラフィックス事業と、エンタープライズ・エンベデッド・セミカスタム事業の2つの事業区分で同社は構成されており、主にマイクロプロセッサ、APU、GPU、フラッシュメモリなどの設計開発・販売等を行っています。

同社は1969年に設立され、当初はインテルx86互換マイクロプロセッサを製造するセカンドソース会社でしたが、インテルがライセンス契約を破棄したため、同社は製品の独自開発を行い、現在、CPUでは「Ryzen」シリーズ、GPUでは「Radeon」シリーズを展開しています。

今年11月に新型CPU、第4世代Ryzen「Ryzen 5000」シリーズと、新型GPU「Radeon RX 6000」シリーズを発売しました。

新シリーズ発売前の2020年第3四半期時点で、x86CPUのセグメントの市場シェアが22.4%と2007年以来の高水準となっており、市場を席捲しつつあります。

株価等のデータ

続いて同社の株価等のデータについて見ていきます。

同社株価は2015年頃から上昇を続け、2018年に一度34.14ドルを付けた後は一時20ドル付近を推移していましたが、2019年頃から再び上昇しています。

コロナショック直前では50ドル前後を推移していましたが、コロナショックの影響もあり、40ドル前後まで下落しました。

4月頃には50ドル前後まで回復し、7月下旬には70ドル付近まで急上昇しています。

その後も上昇を続け、9月の頭に94ドルをつけましたが、その後半導体セクター全体の調整が入ったことで、75ドル前後まで下落しました。

11月に入り再び上昇しはじめ、12月の中頃に過去最高値である97.98ドルまで値を上げました。

現在は90ドル前後まで値を戻しています。

また同社は現在配当を行っていないため、株価上昇によるキャピタルゲインを狙ったグロース株となっています。

業績

続いて業績について見ていきます。

同社の2020年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…28.01 億ドル(前年同期比+55.5%)
  • 営業利益…4.49億ドル(前年同期比+141%)
  • 同社に帰属する純利益…3.90億ドル(前年同期比+225%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…0.32ドル(前年同期比+190%)

CPUおよびGPUの新シリーズが発売開始したことにより、売上高は前年同期比55.5%、前四半期比で45%も増加しています。

希薄化後一株当たり純利益は、GAAPベースで前年同期比約3倍の0.32ドル、非GAAPベースでは前年同期比で約2.3倍の0.41ドルとなりました。

まとめ

いままで市場を席捲していた世界最大の半導体メーカーであるインテル社が、次世代型プロセス製品の開発に苦戦し、業績が低迷しつつある中で、AMDは次々と新世代製品を開発・販売することで力強い伸びを見せています。

リモートワークなどでサーバーや個人利用のパソコンへの需要が加速していく中、AMD製のCPUが次なるスタンダードとなる可能性が見えてきました。

今後さらなる成長が期待できるのではないでしょうか。

エヌビディア

エヌビディア・コーポレーション社(NASDAQ:NVDA)はアメリカに本社を置く半導体メーカーです。

コンピュータのグラフィックス処理や、演算処理の高速化を主な目的とするグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を開発・販売しています。

PC向けグラフィックプロセッサである「GeForce」、プロフェッショナル向けでワークステーションに搭載される「Quadro」、高性能コンピュータ向け「Tesla」や「3DVision」、モバイル通信向け「Tegra」などが主な開発・販売商品です。

また近年は自動運転分野の開発にも力を入れています。

今年の9月に新型GPU「GeForce 3000」シリーズの発売を開始し、2018年に発売された前世代の「2000」シリーズをはるかに超える性能に加え、価格を大幅に抑えたことで話題になりました。

また大ヒットしたNintendo Switch内部に同社のカスタムされた「Tegra」が搭載されており、ゲーム機が爆発的に売れたことを受け、同社の業績も過去最高水準にまでいたりました。

株価等のデータ

続いて同社の株価等のデータについて見ていきます。

上場以来5ドルから30ドルの間で推移していましたが、2016年頃から急激に上昇し、2018年の夏頃には280ドル前後で取引されていました。

2018年の夏頃に急落しましたが、2019年頃から再び上昇し、2020年11月に過去最高値である583ドルをつけました。

現在は520ドル前後を推移しています。

同社は配当を続けていますが、配当利回りは0.12%と非常に低くなっています。

これは、増配率に比べて株価が急激に上昇したことが要因です。

業績

続いてエヌビディアの業績について見ていきます。

同社の2020年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…47.3億ドル(前年同期比+57%)
  • 営業利益…14億ドル(前年同期比+51%)
  • 同社に帰属する純利益…13.4億ドル(前年同期比+49%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…2.12ドル(前年同期比+46%)

売上高は前年同期比で57%増加した47.3億ドルで、ゲーミングの売上高が過去最高の22.7億ドル、データセンターも過去最高の19億ドルとなりました。

希薄化後一株当たり純利益は前年同期比46%増加した2.12ドルで、同社は第3四半期に9,900万ドルの配当金を支払いました。

まとめ

エヌビディアはPC向けGPUではAMDを抑え市場優位性を保っています。

また、同社の自動運転チップ「Orion」が中国の電気自動車(EV)メーカーである理想汽車に採用されました。

主力であるゲーミング部門やデータセンター部門に加え、今後伸びることが期待される自動運転技術においても、同社が優位性を保つ可能性は十分にあります。

来年以降の同社の動きに注視していくとよいでしょう。

アプライドマテリアルズ

アプライドマテリアルズ社(NASDAQ:AMAT)はアメリカに本社を置く世界最大の半導体製造装置メーカーです。

プラズマCVDの市場シェアは53%、スパッタリング装置は70%、CMP装置は約50%と多くの市場で優位性を誇っています。

世界18か国で100か所以上に拠点を持つ多国籍企業となっており、2013年には東京エレクトロン社との経営統合を発表していました。

2015年にアメリカ合衆国司法省の承認が得られなかったとして、経営統合は中止になりました。

同社は2019年における世界の半導体製造装置メーカー売り上げランキングで1位の134.6億ドルを誇っており、半導体製造において大きな影響力を持っています。

株価等のデータ

続いて同社の株価等のデータについて見ていきます。

2008年頃は10ドルから16ドルの間で取引されていましたが、2015年から急激に株価が上昇しはじめ、2018年には2000年につけた最高値を上回る59ドルにまで値をあげました。

2019年にかけて33ドル前後まで下落しましたが、再び上昇に転じ、2020年10月からさらに一段上に跳ねあがり、現在は85ドル前後で推移しています。

また同社は配当を行っており、配当利回りは1.05%となっています。

業績

続いてアプライドマテリアルズの業績について見ていきます。

同社の2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…46.8億ドル(前年同期比+24.9%)
  • 営業利益…12.8億ドル(前年同期比+48.5%)
  • 同社に帰属する純利益…11.3億ドル(前年同期比+62%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…1.23ドル(前年同期比+64%)

売上高は前年同期比24.9%増加した46.8億ドルで、ファウンドリ(半導体受託生産業者)・ロジックその他向けが最も多くなっています。

希薄化後一株当たり純利益は、前年同期比64%増加した1.23ドルとなっています。

まとめ

半導体メーカーが注目を浴びている中で、その半導体を製造する装置を販売しているメーカーにも多くの投資家が注目しています。

アプライドマテリアルズ社は世界最大の半導体製造装置メーカーであり、来年度の業績も好調であることが予想されていることから、2021年に投資する銘柄の選択肢に含めてもよいのではないでしょうか。

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新型コロナウイルスの感染再拡大で未だ予断を許さない状況ですが、ワクチン開発で大きな進展が示されるなど、厳しい状況の中にも明るい兆しも見えてきています。2021年にかけて成長ストーリーを持っている5銘柄を紹介します。

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