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【米国株動向】石油株と再生エネルギー株の比較

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、20201213日投稿記事より

石油産業は生き残りをかけて戦っています。

同業界は過去5年間で2回目となる厳しい下降局面の只中にありますが、今回は新型コロナウイルスのパンデミックがあまりにも大きな需要破壊をもたらしたため、過去のピーク時の状態を回復することはできないかもしれません。

再生可能エネルギー業界が立ち止まることなく、この下降局面を利用して市場シェアを拡大していることが、その主な理由です。

この1年間で石油業界の将来はかなり暗くなっており、投資家は石油株への投資は忘れ、再生可能エネルギー業界に注力した方が良いかもしれません。

正反対の見通し

今年初め、石油大手のBP(NYSE:BP)が最新のエネルギー市場の長期見通しを公表しましたが、その内容は、政府が再生可能エネルギーへの移行をさらに加速する法律の制定を見送るという「ベストシナリオ」の下でさえ、化石燃料は再生可能エネルギーに市場シェアを奪われるという暗いものでした。

「通常シナリオ」では、現在85%ある化石燃料の一次エネルギーに占める割合は2050年までに70%を下回り、他の2つのシナリオ(「急速移行」および「ネット・ゼロ」)では、それぞれ40%および20%まで減少します。

化石燃料がシェアを失う最大の理由は、汚染が少なく、ますます安価になる再生可能エネルギーと競合できないことです。

陸上風力発電は、すでにコンバインドサイクル発電よりも費用がかからなくなっており、数年後には太陽光発電が大規模エネルギー源として最も安価になる見通しです。

ブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ(NYSE:BEP)(NYSE:BEPC)やネクステラ・エナジー(NYSE:NEE)などの大手の再生可能エネルギープロジェクト開発企業は、新たな再生可能エネルギープロジェクトに投資をする機会が加速しているとみています。

たとえば、ブルックフィールド・リニューアブルは、同社の広範な開発プロジェクトパイプラインにも支えられ、少なくとも2025年までは、1株当たり利益(EPS)が年率11%〜16%で成長すると予想しています。

一方、ネクステラは、再生可能エネルギーの成長が見込まれることから、最近、2021年の利益成長見通しを上方修正するとともに、収益予想を2023年まで延長しました。

ほとんどの石油会社の見通しはこれとは対照的で、たとえば、最近、シェブロン(NYSE:CVX)は、2025年までの長期の投資見通しのレンジを年190〜220億ドルから年140〜160億ドルに引き下げており、エクソン・モービル(NYSE:XOM)は長期支出計画を100億ドル削減し、2025年までの支出予算のレンジを200〜250億ドルに引き下げています。

こうした支出削減の結果、ほとんどの石油会社は、今後あまり成長を見込めません。

勝てないなら、仲間に加わる

石油産業の見通しが悲惨なことから、BPは今後数年の間に化石燃料への投資を削減し、その資金を低炭素プロジェクトに振り向ける方針です。

その結果、今後10年間で同社の石油換算生産量が40%減少する一方で、再生可能エネルギーやバイオエネルギーなどの低炭素エネルギー事業を10倍に成長させる方針です。

他のエネルギー企業も同様の動きをしており、たとえばフランスのトタル(NYSE:TOT)は、石油製品の売上が今後10年間で30%減少するとみており、(液化天然ガスを含む)ガスや、(再生可能エネルギーの世界的大手企業に成長することにより)電気に重点をことで、一貫して石油の比重を下げていく方針です。

一方、カナダのエンブリッジ(NYSE:ENB)およびノルウェーのエクイノール(NYSE:EQNR)は、洋上風力発電プロジェクトの開発を行い、現在の石油中心の事業から緩やかな移行を図っています。

シェブロンでさえ石油から離れ始めており、エネルギー転換を進めるため、2021年に3億ドルを投じる計画です。

とるべき選択肢は明確

世界の石油消費量がピークを過ぎた可能性がますます高まっており、石油業界は今後数十年にわたって衰退に向かうと思われ、かなり急な衰退になる可能性もあります。

したがって、石油株の上昇余地は限られています。

これに対し、再生可能エネルギー業界は、コストが下がり続けることから、今後10年間にわたって成長が加速する見通しです。

この業界に重点をおく企業は、力強い成長と高い投資リターンを生む可能性があります。

石油会社よりも再生可能エネルギー企業の明るい未来にかける方が理にかなっていると思われます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Matthew DiLalloは、エンブリッジ株、ブルックフィールド・リニューアブル株、ブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ株、ネクステラ・エナジー株を保有しています。モトリーフール米国本社は、エンブリッジ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ネクステラ・エナジー株を推奨しています。
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