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【米国株動向】ピーター・リンチ氏が好みそうな割安な配当銘柄3選

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020123日投稿記事より

30年以上前に出版された書籍「ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け」(原題「One Up on Wall Street」)には、今日の市場にも通用する教訓が含まれています。

「何を保有しているか、そしてそれを保有している理由を知りなさい」「すべての株の背後にはビジネスがある。

そのビジネスが何かを理解しなさい」といったリンチ氏の言葉は流行に左右されません。

既に引退し70代半ばに達したリンチ氏から、新たな銘柄選択について聞く機会はそうそうないでしょうが、同氏であれば今日の株式市場でどの企業を選択するかを想像することはできます。

ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)、キンダー・モルガン(NYSE:KMI)、コノコフィリップス(NYSE:COP)の3銘柄は、ピーター・リンチ氏からお墨付きをもらえるでしょう。

ピーター・リンチ氏の投資スタイルは?

リンチ氏は目立たない銘柄を探し求めるバリュー投資家として成功しました。

1977年から1990年の間、フィデリティ・インベストメンツでマゼラン・ファンドを運用していましたが、同ファンドの運用資産残高は、同期間に1,800万ドルから140億ドルへと拡大し、年間リターンは平均29.2%と驚異的なパフォーマンスを誇っていました。

リンチ氏は株式市場の過熱に惑わされることなく、知られていなくとも容易に理解できる銘柄を好みました。

例えば、ラ・キンタ・モーター・インへの投資は誰もが納得できるものでした。

このチェーン系モーテルは、余分な設備を省くことで宿泊料を競合他社よりも3割安い水準に設定し、さらに空港近くというビジネス客には絶好の立地にあることで有名でした。

リンチ氏にとって投資とは、良い企業を見出し、株価が妥当かを見極め、その企業の成功から恩恵を受けるということでした。

ロッキード・マーチン

防衛関連企業であるロッキード・マーチンはありふれた銘柄ですが、隠れたバリュー株であり、比較的理解しやすい事業を行っています。

歴史通であれば、第2次世界大戦で使われた同社のP-38「ライトニング」戦闘機に馴染みがあるかもしれません。

今日ではF-16やF-35といった戦闘機が世界中で有名でしょう。

ロッキード・マーチンは、米国政府やその同盟国にシステム、製品、サービスを販売しています。

米国政府が安全保障を重視する信頼のおける顧客であることを考えると、同社の事業は非常に安定的といえます。

米政府の歳出の多くは、安全保障、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)およびメディケイド(低所得者向け医療保険)、社会保険の3分野に向けられています。

2020年10月1日に始まった2021年会計年度の歳出計画4兆8,750億ドルのうち、国防関係費は15.4%、非国防関係費(裁量的経費)が15.0%、社会保険は23.6%、メディケアおよびメディケイドが24.6%、利払い費は7.8%、その他義務的経費が13.5%を占めています。

ロッキード・マーチンは、顧客から事前に依頼を受ける形で高額の研究開発プログラムを遂行しています。

既に予算に組み込まれたビジネス取引額を受注残高と呼びますが、同社の受注残高は現在1,504億ドルにものぼります。

来年の売上高を670億ドルと見込んでいることを踏まえると、既に2~3年分の売上を確保していることになります。

同社の売上高、純利益、営業キャッシュフローは過去10年間、順調に伸びています。

ロッキードの順調な売上高と利益の伸びにもかかわらず、過去6カ月間に同社の株価は6%下落しています(同期間にS&P500指数は20%上昇、いずれも執筆時点)。

モメンタム投資家は同銘柄の株価水準を敬遠するでしょうが、ピーター・リンチ氏は恐らく選好します。

そして配当利回り2.8%(執筆時点)も悪くないでしょう。

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キンダー・モルガン

ピーター・リンチ氏であれば、最も敬遠されている業界の一つである石油・ガス業界で、割安の銘柄を発掘していたでしょう。

同業界の長期的な展望への懸念、原油や天然ガス(コモディティ)価格の低下、景気回復の遅れ、その他の逆風により、今年は原油と天然ガス関連銘柄の株価が大幅に下落しました。

なかでもリンチ氏はパイプライン(輸送)セクターに注目したでしょう。

中流エネルギー(パイプライン)事業は、予測可能なキャッシュフローが高い配当を担保することで知られ、上流事業(採掘および生産)や下流事業(精製および石油化学製品)に比べて多くの利点があります。

魅力的なパイプライン企業は数多くありますが、その中でも傑出しているのが主に天然ガスの輸送を営むキンダー・モルガンです。

同社事業の62%超を天然ガスが占めますが、これは米国の天然ガス消費および輸出の総量の40%に相当します。

米国では石炭から天然ガスへの移行が進むなか、発電と産業プロセスにおける天然ガスの先行きは良好です。

同社の第3四半期決算は好調で、配当を賄うだけの豊富なキャッシュフローを稼いでいます。

キャッシュフローの68%はテイク・オア・ペイ契約(買手が契約で取り決めた量を引き取るか否かにかかわらず、全量に対する支払いを行う義務がある)によるもので、輸送量にかかわらず支払いを受けることができます。

キャッシュフローの残りの30%は、可能な限り予測可能な収益を確保するために、手数料ベースか、もしくは先物契約でヘッジしています。

また、負債の返済と配当金の増加に力を入れており、現在の配当利回りは7.3%(執筆時点)です。

株価は年初来33%下落していますが、(執筆時点)、ピーター・リンチ氏であれば、例え敬遠される業界であっても、信頼できるキャッシュフローと魅力的な配当がある同社に価値を見出すかもしれません。

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コノコフィリップス

ピーター・リンチ氏が強気であれば、コノコフィリップス株を選ぶかもしれません。

同社は最大手の独立系E&P(exploration and production、石油・天然ガスの探鉱、開発・生産、および輸送・販売を行う)事業者の1つです。

つまり、エネルギー業界の3つの業態区分のうちリスクが最も高い上流の石油企業ということです。

しかし、コノコフィリップスは年月をかけて生産コストを下げ、豊富なリザーブ(原油埋蔵地域)を所有するに至りました。そして、株価は年初来40%下落しています(執筆時点)。

10月に同業のコンチョ・リソーシズを有利な価格で買収する計画を発表しました。

この買収により、コノコフィリップスの生産コストは一段と低下するでしょう。

コノコフィリップスの事業は、生産コストよりも高い価格で製品を販売する、という比較的シンプルな形態を取っています。

もし原油や天然ガスの価格が上昇すれば、この事業モデルは通用しますが、これらの価格は調整可能なものではありません。

同社が調整できることは、オペレーションの向上に努めたり、コンチョのようなリソースを安い価格で獲得して、供給コストを削減することです。

2019年11月下旬に、コノコフィリップスは供給コストが1バレル40ドルを超える資産(原油埋蔵地域)への投資は行わないと言及しました。

原油価格が1バレル40~45ドルで推移していることを踏まえると、それは賢明な対応に思えます。

同社は供給コストが1バレル40ドル未満の原油埋蔵を230億boe(石油換算バレル)有しています。

経営陣は2020年の平均生産量は1日あたり112万~113万boeと予想していることから、同社は今後数十年にわたり生産可能な手つかずの原油埋蔵を有しているということです。

低い供給コストとバランスシート上の豊富な現金保有により、コノコフィリップスは、原油を取り巻く現在の環境下で有利に事業を行うことができます。

また、同銘柄の配当利回りは4.4%と魅力的です(執筆時点)。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Daniel Foelberは、コノコフィリップス株、キンダー・モルガン株、ロッキード・マーチン株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ネキンダー・モルガン株を保有し、推奨しています。
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