【米国株動向】アドバンスト・マイクロ・デバイシズとエヌビディアの比較

モトリーフール米国本社、2020年12月3日投稿記事より
重要なポイント
・2020年夏、エヌビディアは時価総額でインテルを追い抜きました。
・アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、新しい中央演算処理装置(CPU)と画像処理半導体(GPU)が市場シェアの獲得に貢献しており、エヌビディアと同様に時価総額が増加しています。
・インテルは依然として年間800億ドル近くの売上を上げており、エヌビディアとAMDにはいずれも、より多くのシェアを奪う大きな機会があります。
今年はエヌビディア(NASDAQ:NVDA)とAMD(NASDAQ:AMD)の株主にとって素晴らしい年となっています。
両銘柄とも過去12カ月間で株価が2倍以上に上昇しました(執筆時点)。
コンピューティングの新時代が幕を開け、半導体設計会社は業界のリーダーとしての位置に付けています。
一方、インテル(NASDAQ:INTC)は創造的破壊による影響を受けやすい状態です。
同社の780億ドル強の年間売上が少しずつ減少するにつれて、エヌビディアとAMDが成長し続ける余地は十分にあります。
筆者はどちらかと言えばエヌビディアに注目していますが、AMDもテクノロジーの未来に賭けるための銘柄としては申し分ありません。
エヌビディアは演算の加速に向けて能力を強化
エヌビディアが単純なビデオゲーム・ハードウェア会社であった時代はとっくに終わっています。
確かに、GPUのパイオニアである同社にとって、ゲームは今でも最大の最終市場です。
実際、ビデオゲーマー向けの売上は爆発的に増加し続けています。
しかし、エヌビディアの技術革新は、ビデオゲームをはるかに超えた領域にまでGPUの用途を拡大しています。
データセンターは、エヌビディアの最大の販売先として、ゲームを追い越す勢いです。
エヌビディアは、ネットワーク・ハードウェア企業のメラノックスを買収し、基本的な強みを持つ領域外へと事業を拡大しました。
GPUは人工知能(AI)のような複雑なタスクの演算を高速化するのに適していますが、ネットワークが大量のデータを処理できなければ、その演算力が弱まる可能性があるからです。
エヌビディアは、データセンターやクラウドコンピューティング事業者向けに、同社のGPUとメラノックスのネットワーク機器をパッケージ化することを決定しました。
さらに最近、エヌビディアはデータ処理半導体(DPU)を開発したと発表しました。
DPUは、データセンターのデータの流出入、およびデータセンター内でのデータの流れを調整する特殊な半導体です。
エヌビディアのDPUは、同社が買収を進めている半導体設計会社であるアーム・ホールディングスのアーキテクチャをベースにしています。
ビデオゲーム用のハイエンドなグラフィックは、エヌビディアの事業にとって常に重要な部分です。
しかし、同社の成長のカギを握っているのは、クラウドコンピューティングやAIのような高成長分野であることは明らかです。
そして、この重要な分野での研究開発のおかげで、同社は同分野で先頭に立つことが可能となっています。
AMDも研究開発を強化しており、利益も増加する見込み
AMDは長い間、プロセッサのラインアップではインテルに次ぐ存在でした。
また最近では、グラフィックカードでエヌビディアに次ぐ2番手でした。
しかし、AMDは近年、特に2008~2009年の金融危機の間に製造部門を分社化した後、大きな進歩を遂げています。
分社化以来、同社は合理化されたオペレーションを研究開発の強化に活用しており、その努力は成果を上げ始めています。
こうした動向に加え、特にインテルが最近テクノロジーの面で遅れていることもあり、AMDの半導体はデスクトップパソコンやノートパソコンに搭載されることが増えています。
同社はエヌビディアのような成長率を誇るわけではありませんが、AMDにとってもデータセンターの市場は拡大しています。
同社の製品は、次世代ゲーム機であるソニーの「プレイステーション5」やマイクロソフトの「XboxシリーズX」にも搭載されています。
つまり、AMDはもはや半導体業界の敗者ではないということです。
また、AMDは最近、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA。購入後にユーザーが回路を設定できる集積回路)のリーダーであるザイリンクス(NASDAQ:XLNX)を、全額株式交換により350億ドルで買収する意向を発表しました。この買収はインテルに対する新たな挑戦となります。
なぜなら、インテルは2015年にザイリンクスの競合企業であるアルテラを買収し、FPGAセグメントに参入しているためです。ザイリンクスの利益率はAMDをはるかに上回っています。
そのため、今回の買収は、AMDが辛うじて利益を上げていた中堅半導体企業から、強力な研究開発プロジェクトを持つ技術設計のリーダーへの道を歩み続けるのに役立つでしょう。
AMDよりもエヌビディアに注目する理由
筆者は、エヌビディアとAMDには、どちらも明るい未来が待っていると思います。
しかし、筆者は個人的にエヌビディアを好んでいます。その理由は利益率です。
エヌビディアの半導体技術は、常に十分なフリーキャッシュフロー(売上から現金の営業費用と設備投資を差し引いたもの)を生み出すのに役立っています。
売上に対するフリーキャッシュフローの割合は過去12カ月間で29%近くに達しています。
一方のAMDは、2019年には業界全体の売上が低迷する中、フリーキャッシュフローがマイナスとなりました。
半導体企業にとって利益は重要です。
なぜなら、長期的な成長を維持し、事業が景気循環の影響を受けやすいという性質を克服するためのカギとなる新技術の開発に、現金を投入することができるからです。
AMDは利益構造の改善に向けて順調に進んではいますが、この点ではエヌビディアがリードしています。
とはいえ、AMDは、特にザイリンクスを買収すれば、将来のニーズに賭ける上で堅実な銘柄であることに変わりはありません。
疑問に思える場合は、エヌビディアとAMDの両社の株式を少しずつ購入すると良いでしょう。
両社は、インテルのシェアを奪って拡大することが見込まれ、今後10年間やそれ以降に大いに期待できると考えられます。
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