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決算後は「K形相場」に注意。コロナショックにより二極化が進む企業決算

出典:Getty Images

コロナ危機真っ只中の4~6月期の決算を通過した企業は、コロナ禍でも強い企業と弱い企業が浮き彫りになってきています。

そんな状況で最近よく聞かれるのが「K形(字)相場」というシナリオです。

今回はK型相場について考察していきます。

コロナショック後の二極化相場の「K

「K字回復」や「K形相場」は2020年夏頃から囁かれ始めました。

コロナショック直後では急回復する「V字」、ショック後に低迷が続く「L字」、回復に時間が掛かる「U字」、そのいずれにも該当せず、今まで強かった企業がより強く、弱かった企業がさらに弱くなっていくという「二極化」を示すようになりました。

そのようすは「K字」のようにコロナショック後に二極化へと分断する様子を表しています。

現時点で世界的に堅調に推移しているのは、デジタルシフト関連株や抗ウイルス医薬関連株、ESG(環境・社会・企業統制)関連株が挙げられ、成長率の高いグローバル株優位の状況が見られます。

また、鉄鋼や非鉄金属、セメントなどの外需要因の大きい景気敏感株や観光や運輸、石油、飲食などといったバリュー株は劣勢の状況が見られます。

日本市場のK形相場

日本市場の7~9月期では、増益1,464社、減益2,257社と4:6の割合で分断されました。

増益を発表した企業の中で、コロナ禍においても過去最高益を更新する企業は486社あり、一方で、減益を発表した企業の中では赤字に陥った企業は508社にものぼります。

日経新聞によれば、日経平均採用銘柄のうち最も上昇が目立った上位10位の平均株価は、4~7月と月を追うごとに上昇し、逆に下落が目立った下位10位の平均株価は月を追うごとにさらに下落していったことを取り上げています。

上位のグループと下位のグループの推移は、まさに二極化を示すK字を描く格好となりました。

出典:日経新聞

米国市場のK形相場

米国において好調なセクターとしては、前述の通り、デジタルシフト、抗ウイルス医薬、ESG、ニューエネルギー、ヘルスケアなどが挙げられます。

軟調なセクターとしては、中国依存企業、銀行、石油、飲食、運輸、観光などが挙げられます。

また、低金利によって住宅市場が堅調でしたが、製造業も緩やかに回復を見せています。

一方で、新型コロナウイルス感染拡大によって、オフィスなどの商業用不動産の悪化や小売業の業績が伸び悩んでいます。

人々の行動変容が二極化を生んでいる

相場の二極化は以下のような行動変容が影響していると考えられます。

  • 働き方の変容
  • 働く場所と住む場所の変容
  • エネルギー需要の変容
  • 消費行動の変容

働き方の変容

働き方の変容としてはテレワークの導入が挙げられます。

テレワークは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時における交通混雑を避けるための一環として推奨されてきましたが、導入・実施までされてきませんでした。

今回のコロナウイルス拡大による影響で、テレワークの実施が大規模で行われました。

東京商工リサーチによれば、調査を実施した全18,002社中、テレワークを実施した企業は全体の56.4%であり、実施していない企業は43.6%になります。

しかし、前年ではテレワークを導入している企業はわずか20.1%と低迷していました。

働く場所と住む場所の変容

テレワークによって、オフィスと自宅で働くハイブリット勤務への変容が見られます。

週5日のうちの一部は、メインオフィスの他に自宅やサテライトオフィスで働くことが企業側から求められています。

その際には、より良い通信環境やセキュリティ、業務をこなすために快適な空間であることが求められ、メインオフィスや自宅以外にもサテライトオフィスの拡充が企業側から推進されていくものと考えられます。

テレワークの普及は一極集中型の都心構造を分散・解体していく可能性を潜めています。

エネルギー需要の変容

働き方の変容や産業の生産の変容から大きく影響を受ける分野が、エネルギー業界です。

コロナ禍である4~5月では、家庭用電力の販売量は増加し、一方で製造業の設備稼働率や業務用のエネルギー消費が減少した影響から、商業用・工業用電力の販売量は減少しました。

在宅時間が長くなり、家庭内での消費電力が増加し、家庭内での消費電力の調達方法にも選択肢が求められると考えられます。

今後、特に太陽光発電や家庭用蓄電池の需要を生むことが考えられます。

消費行動の変容

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令された状況下では、スーパーやドラッグストアなどの小売店の売上は堅調に推移しました。

背景には在宅時間の増加が巣ごもり消費を拡大させたものと考えられます。

オフィス街などの都市部に集中する店舗では、売上の減少が見られましたが、郊外での店舗では、売上の増加が見られました。

また、注目に値するのはEC需要の増加です。

コロナショック以前より高い成長率を維持してきたEC需要は、コロナ禍でさらに需要を伸ばしました。

宅配の取扱個数は同年同月比では5月で+14.3%、6月で+17.6%となり、4億個に迫る取扱個数の伸びを見せています。

おわりに

かつてのドットコムバブルやリーマンショックのように全般的に大きく下げる相場とは違い、今回のK形相場はより強い企業の株価が上昇し、より弱い企業の株価が下落し続けているという状況は今まで経験がなかったことです。

ただし、リーマンショックより相場が重症化しなかった背景には、各国中央銀行や政府による素早い対策があった面もあります。

成長を続けていたグロース株がさらに上昇しているのは、成長株を押し目買いしている相場を裏付けています。

ここから割安に放置されたバリュー株が反発してくるかどうかはさておき、二極化は投資家のパフォーマンスにも及ぶ危険を含んでいるといえそうです。

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