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中国の経済はなぜ強いのか?成長の鍵は「AI開発」

出典:Getty Images

今月7日に発表された中国の11月の貿易収支(輸出入の収支)は754.2億ドルとなり、市場予想を大きく上回りました。

また、輸出額では2,670億7,000万ドルとなり、去年同月比で21.1%増、6ヶ月連続のプラスとなっています。

この背景には、欧米での新型コロナウイルス感染が拡大し、マスクや医療機器の輸出が増えた事、またテレワークの広がりで電子機器の輸出が増えたことがあります。

中国は、世界的な「新型コロナ危機」をきっかけに、米国に代わってEU(欧州連合)の最大貿易相手国になりました。

EUの統計局で発表されたデータによると、今年1月から9月までの対中貿易額は約5,168億ドルで、同時期の対米貿易額を上回っています。

EUから中国への輸出は横ばいでしたが、中国からEUへの輸入は4.5%増加しています。

反対に、EUから米国への輸出入は、輸入(-11.4%)輸出(-10.0%)共に大幅に減少しました。

新型コロナウイルス感染は最初に中国で発生しましたが、中国は早い段階でコロナ感染の封じ込みに成功し、早期に貿易を再開させました。

一方の米国は同時期、新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、経済活動を制限せざるを得ない状況でした。

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済を減速させる中、中国経済は好調でまさに「中国の一人勝ち」です。

国際通貨基金(IMF)の見通しによると、今年の中国の実質国内総生産(GDP)は、前年比1.9%増で主要国の中で唯一プラス成長、また2025年には中国の経済規模が米国の9割に達するとみられています。

中国の大企業

アリババ、ファーウェイ、テンセント、バイトバンスなど、世界の大手企業と肩を並べる中国企業は、今テクノロジーの世界で存在感を放っています。

今年の7月にはアリババの時価総額が、米国ソーシャル・ネットワーキングサービス大手フェイスブックの時価総額を上回る場面もありました。

また近頃、中国テクノロジー大手各社は自動車メーカーと組み、自動車市場にも参入して来ています。

パリ協定など、脱炭素世界に向けた取り組みが進んでおり「脱ガソリン車」の動きが世界的に広がっています。

このことから自動車産業は、世界的なEV(電気自動車)への移行、自動運転、また5Gを利用したアップグレードの可能性を秘めており、更なる企業の成長を見込める分野です。

日本でも今月8日、日本政府が発表した新たな大規模な経済対策の中にも「グリーン分野の研究開発を支援する2兆円の基金の創設」が盛り込まれていました。

また東京都は、2050年までに都内の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指し、都内で販売される新車について乗用車は2030年、二輪車は2035年までにガソリンエンジンだけの車をなくし、全て電気自動車や燃料電池車などにする目標を打ち出しています。

中国企業の成長

新たな産業に参入し、成長して行く大手中国企業ですが、そもそもなぜ中国企業は、ここまで高度な技術を持っているのでしょうか。

中国は近年、国家戦略として「AI開発」に力を注いでいます。

中国企業は、国家や地方レベルで政府のサポートを得ることができ、個人情報の利用も許されています。

人々の行動監視や医療データのアクセスも容易にできるようになっています。

日本人の私たちからすると、信じられないような環境です。

ですが、このような中国の個人データ利用の制限の少なさが、「AI」の研究には有利であると言われているのです。

中国の人口は、約14億人です。

そして、国民がAI(人口知能)を利用している割合は、中国が世界で一番多いのです。

AIというと、IT関連の分野だけで使われているイメージがありますが、今では様々な分野でAIは活躍しています。

製造業や物流の分野ではAIロボットが活躍、スポーツや将棋では分析や戦略、また医療分野でも多く利用されており、「医療AI」への期待も集まっています。

他には、農業や飲食業、接客、観光、警備、建設、また介護と、あらゆる分野でAIは利用されており、ビジネスにおいて経費削減に繋がる業務効率化が進んでいるのです。

身近な所では、スマートスピーカー、冷蔵庫、洗濯機、清掃ロボット、テレビ、エアコンなどといった家電製品にもAIは搭載されています。

さて大活躍のAIですが、しっかりと機能し役割を果たすためにはそれだけのビックデータが必要となります。

AIは、人が情報をデータとしてAIに与える事で、初めて自己学習することが出来ます。

逆に情報が何もない状態では、AIは機能しません。

AIは、データが沢山集まらないと機械学習(マシンラーニング)をすることは出来ない為、ビックデータが不可欠なのです。

つまり、AIを利用する人が多い中国ならば、AIが利用される場面は他国より多い事になります。

分かりやすく説明すると、このようになります。

  1. データを使う人が他の国に比べて圧倒的に多い
  2. より多くのデータを集めることが出来るので、十分な機械学習が可能
  3. AIの技術の進化が速い

このように中国は、AIが成長しやすい環境にあると言えるのです。

中国は、キャッシュレス先進国と言われているように、モバイル決済が当たり前の世の中になっています。

現在、中国でモバイル決済を利用するユーザーは、7億人いると言われており、このモバイル決済からだけでも7億人分と、十分なビックデータを得ることが出来るのです。

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