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【米国株決算】セールスフォース・ドットコム社の最新決算情報と今後の株価の推移

出典:Getty Images

セールスフォース・ドットコム社(NYSE:CRM)はアメリカに本社を置き、クラウドコンピュータリング・サービスを提供する企業です。

提供するサービスとしては、販売、顧客サービス、マーケティング、クラウドプラットフォームなどがあるほか、クラウド型企業内コラボレーション支援ツールのほか、オンデマンド・アプリケーション共有サービスなども提供しています。

簡単に述べると、業務を効率化して売り上げを上げるための仕組みをクラウド上で提供している企業になります。

本記事では近年注目を集めているクラウドサービスを提供する成長企業であり、新たにNYダウ工業株30種平均構成銘柄に採用された、セールスフォース・ドットコム社の2021年第3四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

また米フォーブス誌が発表する「世界で最も革新的な企業」ランキングでは4年連続で第1位に選出されているほか、Great Place to Work Instituteが実施した調査において「働きがいのある会社」ランキング1位に2年連続で選ばれており、企業として魅力的なだけでなく、従業員にとっても魅力的な企業となっていると言えるのではないでしょうか。

セールスフォース・ドットコム社の決算発表前における株価等のデータについて

セールスフォース・ドットコム社は2021年第3四半期決算を2020/12/01のアメリカ市場閉場後に発表しましたので、決算発表直前である12/01における同社株価の値動きについて見ていきます。

12/01における同社株価の始値は245.00ドルであり、その後日中を通して大きな値動きなどはなく、終値は241.79ドルとなっています。

続いて同社株価の今までの値動きについて概観していきます。

上場以降、2018年頃までは上昇の一途をたどっていましたが、2018年の9月頃に160ドル弱の高値を記録して以降、横ばいでの推移をしていました。

しかしながら2019年の終わりごろから再び上昇に転じており、コロナショックが発生する直前である2月中旬頃には195ドル前後まで上昇していました。

しかしながらコロナショックの影響もあり、3月中旬には115ドル台で取引されるようになりました。

その後は順調に回復の一途をたどっていましたが、9月初頭に284ドルの高値を更新した後は、横ばいでの推移をしており、ここ数カ月は230ドルから270ドルの間で推移していました。

またセールスフォース・ドットコム社はNYダウ工業株30種平均及びS&P500の構成銘柄のひとつとなっており、執筆時時点での同社時価総額は2,040億ドルとなっています。

セールスフォース・ドットコムの最新決算情報について

概要

セールスフォース・ドットコムが発表した2021年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…54.19億ドル(前年同期比20%増)
  • 営業利益…2.24億ドル(前年同期比245%増)
  • 純利益…10.81億ドル(前年同期比11.90億ドル増)
  • 希薄化後一株当たり利益…1.15ドル(前年同期比1.27ドル増)

売上高は前年同期から20%増加した54.19億ドル、純利益は前年同期の1.09億ドルの赤字から11.90億ドル増加した10.81億ドルとなっています。

アナリストらによる同社業績の事前予想では、売上高が52.5億ドル、non-GAAPベースのEPSは0.747ドルとなっていました。

同社の実際の業績では、売上高が54.2億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.74ドルとなっていましたので、アナリストらによる事前予想を大きく上回る業績を残すことができていることが分かります。

同社のCEOであるマーク・ベニオフが決算のプレスリリースで発表したコメントは以下の通りです。

今回も記録的な四半期になりましたが、2021年度の売上高ガイダンスを高水準の211.1億ドルに引き上げ、2022年度は255億ドルのガイダンスを開始しました。

このようなペースで成長している大手エンタープライズ・ソフトウェア企業は他にありません。

私たちは、人々がどこにいても仕事ができるオールデジタルの世界へと急速に移行しています。

当社の業績は、お客様の成功と、この新しい通常の世界における当社のCustomer 360 Platformの妥当性によって推進されています。

また同社はビジネス対話アプリ「Slack」を手掛けるスラック・テクノロジーズ社を買収すると発表しました。

買収額は277億ドルとなっており、買収によってセールスフォース・ドットコム社は企業向けのサービスを強化する見通しとなっています。

スラック・テクノロジーズ社は、マイクロソフト社の「Teams」などの競合に押され、在宅勤務拡大による同社サービスの普及を円滑に進めることができていませんでした。

【米国株動向】セールスフォースがスラックに277億ドルのオファー。「未来のための仕事のオペレーティングシステム」を構築

詳細

続いて同社決算をより詳細に見ていきます。

売上高の内訳は以下の通りです。

売上高…54.19億ドル(前年同期比20%増)

  • サブスクリプション及びサポート…50.85億ドル(前年同期比20%増)
  • プロフェッショナルサービス及びその他…3.34億ドル(前年同期比22%増)

サブスクリプション及びサポート収入・プロフェッショナルサービス及びその他収入は、前年同期比でそれぞれ20%以上の増加を達成しており、非常に好調な売上高を記録していると言えるでしょう。

続いて地域別の売上高について見ていきます。

地域別の売上高の概要は以下の通りです。

  • アメリカ地域…37.58億ドル(前年同期比17%増)
  • ヨーロッパ地域…11.49億ドル(前年同期比31%増)
  • アジア・太平洋地域…5.12億ドル(前年同期比23%増)

各地域ともに大幅な売上高の増加を記録しています。

次にサブスクリプション売上高をセグメント別に分類して見ていきます。

  • セールス・クラウド…13.11億ドル(前年同期比12%増)
  • サービス・クラウド…13.76億ドル(前年同期比21%増)
  • セールスフォース・プラットフォーム…15.94億ドル(前年同期比24%増)
  • マーケティング及びコマース・クラウド…8.04億ドル(前年同期比25%増)

各部門ともに大幅な売上高の増加を記録しています。堅調な成長を見ることができます。

また同社の今四半期におけるフリーキャッシュフローは前年同期の1.28億ドルから68%増加した2.15億ドルとなっています。

同社が発表した同社業績のガイダンスについて見ていきます。

まず2021年第4四半期決算の業績見通しは以下の通りです。

【2021年第4四半期決算】

  • 売上高…56.65~56.75億ドル
  • EPS(GAAP)…0.05~0.06ドル
  • EPS(non-GAAP)…0.73~0.74ドル

売上高は前年同期から17%前後増加する見込みであり、EPSについても成長が見込まれています。

続いて2021年通年決算の業績見通しについて見ていきます。

【2021年通年決算】

  • 売上高…211.0~211.1億ドル
  • EPS(GAAP)…4.14~4.15ドル
  • EPS(non-GAAP)…4.62~4.63ドル

売上高は前年から23%前後増加する見込みであり、EPSについても成長が見込まれています。

前四半期決算時に発表された2021年通年業績見通しでは、売上高は207~208億ドルとなっていましたが、今四半期決算においては上方修正されています。

またEPSについても同様に上方修正されています。

同社業績の好調さを伺うことができるでしょう。

決算発表後におけるセールスフォース・ドットコム社の株価の推移

セールスフォース・ドットコム社は2020/12/01のアメリカ市場閉場後に2021年第3四半期決算を発表しましたので、決算発表翌日である12/02における同社株価の値動きについて見ていきます。

前日終値である241.79ドルに対して12/02における同社株価の始値は225.50ドルであり、7%安となっています。

その後も同社株価は上昇することなく、横ばいでの推移をしたため、終値は220.67ドルと、前日終値から9%安となっていました。

同社が好調な四半期決算やスラック・テクノロジーズ社の買収を発表し、また通年業績見通しを上方修正したにもかかわらず、株価が下落した要因として以下のものが考えられます。

一つめは、四半期ベースでの売上高の増加率の鈍化です。

第1四半期から第2四半期、第2四半期から今四半期にかけてそれぞれ売上高は5%以上増加していましたが、次四半期における売上高は今四半期から4.6%ほどの増加を見込んでおり、その成長率には鈍化が見られます。

2つめはスラック・テクノロジーズ社の買収です。

買収額は277億ドルとなっていますが、市場からは割高であるとの指摘もされており、このことを投資家が嫌気したものと思われます。

しかしながら、スラック・テクノロジーズ社の買収は長期的に見ればセールスフォース・ドットコム社に対して利益をもたらすものと言えます。

したがって同社株価は、決算発表後の大幅安から回復すると考えることができます。

同社株価は決算発表後の現在、9月以降のレンジから離れて推移していますが、いずれそのレンジ内の株価に回帰するものと言え、今回の決算発表後の大幅安は、同社株式の売却を検討するほどのものでないと考えます。

楽観的な投資判断は危険ですが、悲観的になりすぎるのも利益を得る機会の損失に繋がりますので、客観的な事実に基づいた投資を行うよう、心掛ける必要があると言えます。

参考元:Salesforce Announces Strong Third Quarter Fiscal 2021 Results

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