【米国株動向】さらなる上値余地が見込まれるインデックスファンド3銘柄

モトリーフール米国本社、2020年11月19日投稿記事より
市場にとって11月は、控え目に言っても素晴らしいものとなっています。
S&P500指数の月初来の上昇幅は10%を超えています(本稿執筆時点)。
その主な原動力は、2つの新型コロナウイルス・ワクチンが緊急使用承認を申請しようとしており、ほとんどの専門家が予想していたよりも効果的で安全であると発表されたことです。
株式市場には、小売、不動産、金融など、ワクチンに関する前向きなニュースにより特に大きな恩恵を受けているセクターがいくつかあります。
以下、これらのセクターが市場を打ち負かしている理由、追随するインデックスファンドのこれまでのパフォーマンス、上値余地がある理由を説明します。
小売業セクターはワクチンの明確な受益者
小売業は安全で効果的なワクチンの最大の受益者の1つです。
小売業者は、消費者が積極的に外出して買い物ができる状況に依存しています。
2020年はパンデミックが消費者を家の中に留まらせ、電子商取引への依存を高め、失業率を高める中、実店舗型の小売業者における消費者の支出は弱含んでいます。
しかし、最近のワクチンに関するニュースのおかげで、SPDR S&PリテールETF(NYSEMKT:XRT)は11月に15%近く上昇しています(本稿執筆時点)。
そして、ファンドの上位保有銘柄の一部、特に一般小売銘柄のいくつかはさらに良好なパフォーマンスを示しています。
例えばギャップ、ノードストローム、アバクロンビー&フィッチの11月の月初来上昇幅はそれぞれ23%、76%、40%となっています(本稿執筆時点)。
不動産セクターがアウトパフォームしている理由
11月は不動産セクターもアウトパフォームしており、バンガード不動産ETF(NYSEMKT:VNQ)は11月に12%上昇しています(本稿執筆時点)。
とはいえREIT(不動産投資信託)によって強弱はまちまちで、一部のREITが大幅にアウトパフォームしている一方、他のREITは遅れを取っています。
アウトパフォームの度合いが最も大きいのは、消費者により近い不動産や大きな打撃を受けた不動産を所有するREITです。
11月だけでもモールリート・サイモン・プロパティ・グループが24%上昇し、ホテルREITライマン・ホスピタリティ・プロパティーズが47%上昇しています。
一方、データセンターREITのデジタル・リアルティ・トラストが11月に1%以上下落するなど(本稿執筆時点)、在宅経済で好調だったREITのパフォーマンスは低調です。
ワクチンの可用性は銀行にとって大きな好材料である可能性がある
金融セレクトセクターSPDR(NYSEMKT:XLF)の11月の上昇幅は16%となっており(本稿執筆時点)、本稿で紹介する3つのインデックスファンドの中で最大です。
失業率の上昇は銀行にとって悪材料です。
数百万人もの米国人が失業する中、消費者はローン返済に苦労し始め、銀行に数十億ドルもの損失をもたらしました。
一方、生活が正常に戻り始め、失業率がパンデミック前の水準に戻り始めると、銀行業界に漂う不確実性が解消される可能性があります。
今から購入しても遅すぎることはない
以上の3つのインデックスファンドは11月のパフォーマンスが最も高いにもかかわらず、パンデミックが始まって以降のパフォーマンスは最悪だったことも注目に値します。
効果的で安全なワクチンの実用化が進んでいるというニュースが投資家に安堵感をもたらしことは事実ですが、小売業者、REIT、銀行のビジネスが通常の状態に戻るまでには、依然として長い道のりを歩むことになります。
筆者は、パンデミック前のレベルに戻るプロセスは以下の3つのステップで構成されると考えています。
- 安全で効果的なワクチンが進行中であるという証拠
- ワクチンの普及
- ビジネスが通常のレベルに戻る
投資家は、現在はまだステップ1の段階にすぎないことに留意する必要があります。
ワクチンが普及するまでには少なくとも数ヵ月を要し、多くの小売業者、REIT、銀行でパンデミック前のレベルに戻るまでにさらに時間がかかります。
遅かれ早かれ、正常な日常生活に戻ると考えるなら、これら3セクターにはさらなる上値余地があるかもしれません。
【米国株動向】資産形成にはバークシャー株とインデックスファンドのどちらがより適切か
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