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インデックスファンドの生みの親、ジョン・ボーグルとインデックスファンドの功績

出典:Getty Images

ジョン・ボーグルあるいは、ジャック・ボーグル(ジャックは、ジョンの一般的な呼称)は、投資家ではありませんが、彼が現代の投資、投資理論に残した功績は非常に大きいものがあります。

彼は、ヴァンガード社の創設者であり、多くの方が投資されているインデックスファンドの創設者です。

彼の経歴と彼がインデックスファンドを作るに至った経緯やその背後の考え方、そして現代の投資に与えた影響など、ジョン・ボーグルとインデックスファンドをめぐる問題などを今回はお話ししていきたいと思います。

インデックスファンド「バンガード」の基本原則とジョン・ボーグルの金言

インデックスファンドの生みの親、ジョン・ボーグルの経歴

彼は、アイビー・リーグの名門校の一つであるプリンストン大学(NJ州)で経済学と投資を学び、ミューチュアル・ファンドを研究しています。

これが彼のインデックスファンドを作る基礎となっています。

大学卒業後、彼は、ウォルター・モーガン率いるウェリントン・ファンドに就職します。

このファンドは所謂会社型投信のような形態で、ファンドの投資家はこのウェリントン・ファンドの株式を購入する形をとっていました。

このファンドは、米国株式と米国債券で運用されるバランス・ファンドです。現在でも米国で販売されている長寿ファンドです。

ボーグルは、ウェリントン・ファンドで1967年には社長に就任しています。

そして同年、ウェリントン・ファンドはボストンの投資会社であるソーンダイク・ドーラン・ペイン・アンド・ルイスと合併し、名門運用会社のウェリントン・マネジメントが出来ています。

ボーグルは、ファンド・ビジネス(具体的にはインデックスファンド)に関する経営方針を巡って取締役会と対立し、最終的に社長を解任させられてしまいます。

そして、彼はヴァンガード社を立ち上げます。

一方で、ボーグルを追い出したウェリントンは、ファンド・ビジネスを自らすることはなく、運用に特化する会社となっています。

ヴァンガードはそのファンド・ビジネスを進めるにあたり、アクティブ・ファンドの運用会社としてウェリントンを採用して運用させています。

考え方の相違で袂を分かったものの、お互いにそれぞれの仕事をリスペクトしているような形で、プロとして関係を保つ姿は尊敬に値します。

ヴァンガード社を1975年に立ち上げ、翌年の1976年にポール・サミュエルソンの理論に裏打ちされたインデックスファンドを立ち上げています。

これが現在の投資の主流にもなっているインデックスファンドの始まりです。

ジョン・ボーグルの哲学

彼が、このインデックスファンドにこだわり、組成に注力した考え方・哲学は何だったのでしょうか?

ボーグルは、「普通の平均的な投資家が、長期にわたって市場平均を上回る成績を残すことは非常に難しい、もしくは不可能である」と考えており、そうした平均的な投資家が市場平均に近い投資成果を得られる手段が必要であるとの信念を持っていました。

シンプルかつ低コストのインデックスファンドは、彼の理想には最適でした。

そこで、徹底的にファンドにかかる経費を削減し、ノー・ロード(販売手数料なし)で、銘柄の売買コストを抑制することで、信念を実践していったのでした。

インデックスファンドの運用は、インデックスに含まれる銘柄を全てインデックスにおける構成比に従って買ってしまえば簡単にできます。

資金の流入があれば、その資金で全銘柄をそのインデックス構成比で購入するだけです。

資金の流出(ファンドの解約)の際には、その金額分、全銘柄をインデックスの構成比に従って売却すれば良いというものです。

理屈は極めてシンプルです。

ただ、現実にその通りにやろうと思うと、それを行うことが難しいことが良く分かります。

GAFAMのような超大型銘柄がかなりのウェイトを占めてしまう一方で、インデックス中のウェイトが非常に小さく、あえて買わなくてもほとんどインパクトの無いものまであります。(S&P500では、単純計算でも500社あるので、平均ウェイトは0.2%です)

全てを買わずに、全体としての特性を維持するように、コンピュータを使って分析をしながら調整して運用しているケースも多いようです。

ボーグルは、ウェリントンのウォルター・モーガンから、バランスの取れた運用(ウェリントン・ファンドはバランス型ファンドでした)の重要性を徹底的に叩きこまれました。

その影響もあり、インデックスファンドをバランスよく分散して保有し、定期的にリバランスして長期で保有し続けるのが最善の方法である、という投資哲学を持っていました。

インデックスファンドの功績

ボーグルがインデックスファンドを世に出したころは、アクティブ型のミューチュアル・ファンド全盛の時期で、受け入れられるまでにかなりの時間を要しています。

それでも、ここまで普及したのには、以下のような理由が上げられるかと思います。

  1. アクティブ・ファンドが市場平均に長期で勝つのが難しくなってきたこと、あるいは長期的には勝てていないことが明らかになってきたこと。90年代に非常に市場が良かったので、アクティブ運用による銘柄分析の差が出にくくなっていた。
  2. ①と相俟って、効率市場仮説が受け入れ始めていたこと。

プリンストン大学のバートン・マルキール教授がA Random Walk Down Wall Street(「ウォール街のランダム・ウォーク」)を著したのも、90年です。効率市場仮説に沿った内容の書籍です。

更に、確定給付年金から確定拠出年金(DC)への移行が始まり、多くの個人がDCでインデックスファンドに投資することになったことも、インデックスファンドが普及した理由の一つです。

市場参加者の増加もあり、市場の歪みがあったとしても、すぐにその歪みは修正されてしまうなど、市場平均を出し抜くことが更に困難になった上に、市場全体の上昇が大きかったことなどもあり、無理せず、市場平均であるインデックスファンドで十分という考え方が広がったものと思われます。

このインデックスファンドは、投資に対するハードルを大きく下げ、投資の民主化に大きく貢献したことは間違いないかと思います。

また、巨大な機関投資家にとってみれば、アクティブファンドの重要性は認めつつも、多大なコストを払って市場平均に負けるのであれば、低コストで市場平均並みの成績が出れば十分という考え方が広まるのは当然のことです。

ポートフォリオの運用成績の約9割がアセットアロケーション、どの資産にどれだけ配分したかで決まることも明らかになってくると、アクティブでどれだけ勝つかは、全体の成績へのインパクトが小さいことも認識されるようになってきました。

こうしたことから、個人のシンプルで低コストの運用だけではなく、機関投資家のポートフォリオの主要投資対象にもなってきたことで、インデックスファンドは、現代の投資にはなくてはならないものになってきています。

このインデックスファンドをどう投資で使うかは、投資家それぞれの裁量次第ですが、投資のツールとしてインデックスファンドが存在することで、投資手法に多くの選択肢がもたらされたと思います。

効率市場仮説に基づいた投資手法を投資家に提供したとも言えますし、より大局的な観点からポートフォリオを考える視座を与えてくれたとも言え、現代の投資の世界に与えた影響は図りしれないものがあります。

投資の成果で人々に尊敬された投資家ではなく、それ以上に現代の投資の在り方に大きなインパクトを与えた人物として、ジョン・ボーグルは忘れてはならない人かと思います。

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