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【米国株動向】バフェット氏がJPモルガン株を売却、しかし個人投資家は楽観を維持すべき

モトリーフール米国本社、20201119日投稿記事より

著名な投資家であり投資会社バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK-A)(NYSE:BRK-B)を率いるウォーレン・バフェット氏は、第2四半期に、保有する銀行株を大量に売却しましたが、第3四半期もその動きは継続しています。

中でも米最大の銀行であるJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)については、2019年末時点では5,900万株、83億ドル相当を保有していましたが、今年第2四半期末時点では2,220万株(20億ドル相当)に、さらに第3四半期には100万株未満(9310万ドル相当)まで削減されています。

オマハの賢人と呼ばれるバフェット氏には、もう銀行株に未練はないのかもしれません。しかし個人投資家がバフェット氏の真似をする必要はないと筆者は考えます。

総資産3.2兆ドル超のJPモルガンには、株価の上値余地が多くあります。

今年の第2四半期では、米国内総生産(GDP)成長率が年率換算で33%超の大幅減速を示す中、JPモルガンはおよそ47億ドルの黒字を維持しました。

第3四半期に銀行全般が回復に転じると、同行の利益は94億ドルまで改善しましたが、この数字は、経済が良好だった昨年第4四半期を上回るものでした。

金融セクターは未だ苦境から完全に抜け出してはいないものの、経済環境が厳しい中で健闘しています。

貸倒れについては、政府の支援策もあり、過去の景気後退局面のような形で表面化はしていませんが、JPモルガンを含め、銀行は軒並み貸倒引当金を積み増しており、これが利益を押し下げています。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が「要塞のように堅固なバランスシート」と表現するように、JPモルガンの財務基盤は経済がどちらに転んでも安定して利益を出せる強さがあります。

例えば経済が上向きの時には、消費者を相手にカードローン、自動車ローン、住宅ローンなどで利益を上げ、また、経済の後退期には、投資銀行部門が市場の変動や取引から得る利益で経営を支えます。

バフェット氏は以前、ダイモンCEOの指導者としての手腕や聡明さを称賛していました。

バークシャーがJPモルガンのポジションを新規に構築したのは2018年で、CNBCとのインタビューでなぜ投資することに決めたかについて聞かれると、バフェット氏は「正しい質問はなぜもっと早く投資しなかったのかということです。そうすべきでした」と答えています。

同氏はまた、JPモルガンの事業形態を考慮すると、株価は有形純資産の3倍程度で取引されるのが妥当だと話しました。足元の株価有形純資産倍率は1.82倍です。

銀行は経済の動向と密接に関係しているため、恐らくバフェット氏は米国経済そのものに強い懸念を頂いているのかもしれません。

米連邦準備制度理事会(FRB)が当面、金利水準を現状維持する意向を示していることを考えても、融資から得る金利収入は減少し、全体の利益が押し下げられるのは避けられません。

ただ、バフェット氏はバンクオブアメリカのポジションは大きく積み増しており、USバンコープの保有残高も維持しています。

第3四半期の業績コンファレンスコールで、ダイモンCEOは「我が行は低金利環境にうまく対応し、リターンをあげることが可能だ」と述べています。

FRBは2008年の世界金融危機以降、金利を低く維持してきました。

ベンチマークとなる貸出金利は2019年に2.5%まで上昇しましたが、JPモルガンはどちらの局面においても、増益と資産拡大を達成してきました。

現在、銀行セクターは厳しい環境にありますが、JPモルガンの事業にとって好ましい要因は複数あります。

米規制当局は、少なくとも年内は自社株買いや増配を控えるよう銀行に求めていますが、筆者は、この規制が解除されれば早ければ来年第1四半期にも、ダイモンCEOは自社株買いや増配を再開すると考えています。

さらに、340億ドルという同行の貸倒引当金の額は、経済が更に悪化し政府が刺激策を実施しないという、起こる可能性が低い最悪のシナリオをベースに算出しているものです。

景気後退の可能性はもちろんありますが、最悪シナリオほど悪くなければ引当金は利益に戻し入れられ、将来数四半期に渡って利益を押し上げます。

他に今後期待できる分野として筆者が挙げるとすれば、個人向け銀行業務のフランチャイズと資産運用ビジネスです。

JPモルガンは数年前、最初の個人向けサービスの支店をボストン、フィラデルフィア、ワシントンDCに開設したばかりで、ローカルレベルでの市場開拓の余地がまだ多くあります。

そのテクノロジーやブランド力、積み上げた専門性で市場シェアを獲得し、維持管理費用の低い口座開設に結び付け、新たな融資機会を開拓することはさほど難しいことではないでしょう。

さらに、JPモルガンの資産運用部門はこれまでも業績は好調で、ダイモンCEOも最近、業界再編に参加することに興味を示したと発言しています。

1つ、あるいはそれ以上の資産運用会社を今後買収する可能性も十分あります。

うまくいけば、金利以外の収入を増やし、収入の源泉の多様化の助けになるでしょう。

投資の達人であるバフェット氏の動向や投資判断が参考になることはもちろんですが、バークシャーの投資ポートフォリオは2,450億ドル規模であることも忘れてはなりません。

平均的な個人投資家にとって、JPモルガンは上値余地があり、注目に値する銘柄だと筆者は考えます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Bram Berkowitzは、記事で言及されている株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2021年1月の200ドルのロング・コール、2021年1月の200ドルのショート・プット、2020年12月の210ドルのショート・コール)。
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