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ドットコムバブルの崩壊を振り返る。S&PTOP5(GAFAM)の下げに警戒

出典:Getty Images

IT企業のGoogle(NASDAQ:GOOG)(NASDAQ:GOOGL)、Amazon(NASDAQ:AMZN)、Facebook(NASDAQ:FB)、Apple(NASDAQ:AAPL)のGAFA、そしてMicrosoft(NASDAQ:MSFT)のMを合わせてGAFAMと呼びます。

GAFAMの5大IT企業はS&P500の構成銘柄でもあり、S&P500の上昇はGAFAMが牽引しているとまで言われています。

米国株は日本株に比べよく伸びていると言われますが、GAFAMを除く495銘柄だけでインデックスを組み直すと、日経平均と大差がないという意見もあります。

そのことからGAFAMは「S&P5」、残りの495銘柄をS&P495と分けて考える市場関係者もいるほどです。

そんな米国市場全体を力強く牽引するGAFAM(S&P5)ですが、暴騰しすぎなのではないか、巨大過ぎて規制されるのではないか、もしそうなったらGAFAMが下げて連鎖的に市場全体も大きく下げてしまうのではないかと、不安視する人もいるのではないでしょうか。

実は90年代後半から2000年代初頭にも、IT企業が市場を牽引するドットコムバブルがありました。

ドットコムバブルは有象無象のIT企業が期待感から積極的に買われ、最後に崩壊した事例ですが、ドットコムバブルの教訓がGAFAMの牽引する今の市場の参考になるかもしれません。

そこで本記事ではドットコムバブルを振り返ります。

ドットコムバブルとは?

(ナスダック市場)

ドットコムバブルとは、1990年代の半ばから2000年にかけて米国を中心にIT関連企業への期待が膨らみ株価が急騰した現象です。

特に象徴的な年は1995年でした。

MicrosoftのWindows95の発売や、ブラウザーのネットスケープのIPOの年です。

この二つはインターネットを一般家庭に広く普及させるきっかけにもなりました。

ネットスケープのIPOは特に象徴的で、初値設定が14USDにも関わらず値決めでは28USD、そしてIPO当日に71USDまで急騰したことから、市場関係者に衝撃を与えました。

そしてIT関連企業が続々と現れ、資金調達も期待されているIT企業だからこそ、容易に株価も上がりました。

96年にはYahoo!Inc.、97年にはAmazonが上場しました。

特に1999年代前半から2000年代の初期は、株価が大きく上昇しています。

米国のドットコムバブルの崩壊は利上げが大きく影響した

期待が先行し大きく騰がったドットコムバブルも、2000年をピークに下げ相場に突入しました。

ドットコムバブル崩壊の要因は複数挙げられます。

まずFRBによる利上げが株式市場に下げに繋がりました。

IT企業関連の決算そのものが市場の膨れあがった期待に追いつけませんでした。

多くのドットコム企業が破綻に追いこまれる事態で、相次いでリストラや倒産が発表されてしまいました。

MicrosoftやAmazon、eBay、といった当時のITバブル崩壊後も生き残っている企業もありますが、多くのIT企業が淘汰されていったのです。

そしてアメリカの同時多発テロ事件も株価を押し下げました。

バブル崩壊に伴い、PCや通信インフラの世界的な生産減少がおき、半導体の供給過多も不況に拍車をかけてしまいました。

市場の大き過ぎた期待は「根拠なき熱狂」と、当時のFRB議長のアラン・グリーンスパンの講演で言われました。

日本のITバブルは光通信の下げがトリガーになった

日本でもアメリカのドットコムバブルの影響があり、90年代後半から2000年はIT企業群が好調でした。

特に光通信は携帯電話販売代理店として事業を急拡大し、90年代後期に大きく上昇した企業でした。

しかし当時の携帯電話市場が飽和する中で新規契約が頭打ちになり、そこで架空契約が大量発覚。

記者会見で業績を上昇修正するも、2週間後に大幅下方修正するという事態になりました。

当然、日本のITバブルの象徴だった光通信は、市場の不信感から大きく下落しました。

なんと値下がり率99%を超えという記録的な下げになり、日本のITバブル崩壊の引き金を引きました。

投資歴の長い人の間では、ITバブルからの光通信の下げは、今でも語り草になるほどインパクトのある下げでした。

大統領選はバイデン勝利。GAFAの規制論に勢い

2020年の大統領選は、民主党のジョー・バイデンの当選が確実になりました。

バイデン氏は大企業への法人税の引き上げを政策に掲げており、GAFAの決算にネガティブな影響があるかもしれません。

そして、不安視されているのがGAFAの規制論です。

民主党主導でまとまった事業分割を含んだ規制強化を求める報告書があがっており、バイデン氏自身は分割論まで踏みこんでいないものの、民主党の急進派が勢いづいてGAFA規制論が加速する可能性もあります。

バイデン大統領誕生がGAFAの上値を押さえつけてしまうのではないかという不安が、市場関係者からあがっていました。

巨大になり過ぎたGAFAに規制のメス。規制後のシナリオは?

GAFAMが下げ相場の主役になったら要注意

GAFAMのような一部の巨大IT企業が牽引する米国株式市場は、GAFAMの株価が崩れた途端に大きく下げてしまう可能性があります。

2000年までのドットコムバブルの崩壊は、金利の上昇とIT企業の決算が市場の期待に追いつけないなどの理由で起きました。

ドットコムバブル崩壊は、相場牽引の主役だった当時のIT企業が下げの主役となりました。

上げ相場の牽引役は下げ相場では一転、大きく下げてしまうケースが多いのです。

2020年の市況は、GAFAMのようなIT企業プラットフォーマーが牽引しています。

牽引役のGAFAMが政策など何らかしらの理由で下げれば、GAFAMこそが下げの主役として大きく相場を引き下げてしまいます。

高値を追ったからこそ大きくあげた分、下げてしまうのです。

バイデン勝利も議会はねじれ。株価は下げていないが注意深く見守るべき

バイデン氏の大統領選勝利にも関わらず、米国は上昇しました。

2000年のITバブル崩壊のときとは異なり、金利が下がっているからです。

2000年のITバブル崩壊は、金利の上昇が引き金の一つになりました。

しかし、2020年11月大統領選後の金利はむしろ下げています。

金利が下がっている要因は、上院と下院のねじれにあります。

実は大統領選と同時に議会の上院・下院の選挙も行われました。

2020年11月現在の状況では、大統領と下院は民主党、上院は共和党が支配する状況になるのではという見方が市場関係者の間で広がりました。

つまり大統領がバイデン氏でも、民主党の法案を通すのが難しくなるということです。

議会で何も決まらない状況が続けば、追加景気刺激策の進展が難しくなってしまうため、FRBの債権買入れプログラムの拡大が期待され、結果的に債権利回りが下がります。

また議会がねじれによって何も決まらないとなると、バイデン大統領当選によって懸念されていた法人税の引き上げや、GAFA規制も簡単には進みません。

これもバイデン当選にも関わらず、米国市場が下げない理由です。

IT企業を代表するGAFAが市場を牽引していますが、GAFA全体の直近の決算はネガティブな結果ではなく、金利も上がっていません。

IT企業のGAFAが市場を牽引しているとはいえ、ドットコムバブルの崩壊と同じ状況ではありません。

ただGAFA規制と金利の動向次第では、GAFAの牽引する市場が崩れる可能性もあります。

GAFAの決算に関係しそうなアメリカの政策や政治には、十分注意を払った方が良さそうです。

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免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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