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巨大になり過ぎたGAFAに規制のメス。規制後のシナリオは?

Google(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)、Apple(NASDAQ:AAPL)、Facebook(NASDAQ:FB)、Amazon(NASDAQ:AMZN)の4銘柄はプラットフォーマーと呼ばれ、それぞれの得意とする分野で圧倒的な地位を築きました。

米国を代表するIT企業として米国株市場を牽引してきた反面、巨大になり過ぎて競争を阻害しているという批判にも晒され続けてきました。

そして、最近は市民の声だけでなく、政策レベルでもGAFAの規制が進むのではないかという観測あります。

GAFAは米国市場に対して大きなインパクトをもっており、規制されれば米国市場の動向も大きく左右します。

そして連鎖的に日本をはじめ全世界の株式市場にも影響を与えます。

規制後のシナリオを考え心づもりをしておくことで冷静に投資判断を下せます。

3つのGAFA規制

GAFA規制には大きく分けて3つのアプローチがあります。

一つめはデジタル課税です。

GAFAはデジタルなサービスを国際的に提供しているため、それぞれの国で物理的な拠点がなくても成り立つビジネスモデルです。

そのため世界各国の政府の中にはGAFAに適正な課税ができていないと考えているところもあります。

例えばG20がIT課税の協議を最近までしていました。

特に欧州各国と自国のGAFAを守ろうとする米国が対立。

2020年内のIT課税は見送られましたが、GAFAのデジタル課税は今後も議論されていきそうです。

二つめは反トラスト法(日本の独占禁止法)です。

特にEUはGoogleの圧倒的な検索エンジンのシェアを問題視してきました。

EUに限らず、米国内でもGoogleをはじめとする巨大になり過ぎたGAFAは、自由競争の原理を働かせるために規制するべきだという論調があります。

三つめは個人情報です。

Facebookが最大8,700万人の個人情報流出で問題になりました。

個人情報保護の観点からも、GAFAは規制されるべきなのではという意見もあります。

このようにGAFAは巨大なプラットフォームになり、多くの人に質も利便性も高いサービスやプロダクトを提供してきた反面、大きくなり過ぎたことによる弊害も問題視されているのです。

Googleが米国内でも反トラスト法で提訴される

2020年の10月20日、Googleは米国の司法省に反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴されました。

具体的に問題になったのは以下の4点です。

  • モバイル機器などに、自社以外の検索サービスをプリインストールすることを禁止する排他的な契約
  • 消費者の選好にかかわらず、自社の検索アプリのプリインストールを強制し、アプリを削除できなくする契約
  • 検索ブラウザの標準検索エンジンとして「グーグル」を設定するように定めたアップルとの長期契約
  • 検索エンジンや検索ブラウザでの優遇措置を買い上げ、継続的な独占を実現する行為

この4つでGoogleはインターネット市場の広告市場を独占しているのでは、ということで問題視されています。

欧州だけではなく米国内でもGoogleをはじめとしたGAFAは規制の槍玉にあがっているのが現状です。

米国下院による規制強化案も具体化しており、2020年の10月6日にも「デジタル市場における競争調査」という報告書が公表されており、国内外でGAFAは厳しい目に晒されているのです。

S&P500の2割はGAFAMの5社が占めている現実

S&P500の2割はGAFAにマイクロソフトを加えたGAFAMの5社が占めています。

この5社を除いた残りのS&P495のパフォーマンスだけを見ると、全世界の市場に比べ特別伸びている訳ではありません。

つまりGAFAが規制されるだけでも、米国市場はかなり大きなインパクトを受けることになります。

GAFAの動向が米国、さらには世界の市場を左右してしまうと言っても過言ではありません。

地元にGoogleがやってきて地価が高騰。元の住民が追い出される

サンフランシスコ周辺は不動産価格が高騰しました。

サンフランシスコ市内の1ベッドルームの家賃は、日本円で約35万円をこえます。

日本では考えられない位高い家賃ですが、米国内でもこの家賃の高さは異常です。

Googleをはじめとするテック企業がサンフランシスコ周辺に集まり富裕層の流入が進みました。

それに伴いサンフランシスコは米国随一の物価の高い地域になったのです。

もとから住んでいた住民の多くが家賃の高騰についていけず、出て行かないといけない事態にまでなっています。

サンフランシスコは格差拡大の象徴という見方もできます。

当然、元の住民の中にはこの事態を快く思わない人もいます。

市民レベルでGAFAを富の独占や格差拡大の象徴と考える人が増えれば、GAFAへの風当たりはますます強くなるでしょう。

コロナの不平等はプラットフォーマーに逆風。法人税引き上げか

経済政策として格差是正を掲げる民主党のバイデンは、法人税の引き上げを掲げています。

法人税を28%に引き上げ、富裕層の課税強化を進めようとしています。

トランプが大幅に法人税を減税したのとは対照的です。

そして引き上げた法人税を格差是正のための財源にしようとしています。

コロナウイルスの感染拡大は低所得者層の生活を直撃しました。

低所得者層の不満はバイデン指示の追い風となるため、GAFAは法人税引き上げの影響も受けてしまうかもしれません。

規制でGAFAが下げるシナリオは「あくまでも」シナリオ

大きく騰がった銘柄は大きく下げてしまいます。

下げ相場の主役は少し前まで相場を牽引していた主役銘柄です。

GAFAとマイクロソフトの5社が次の下げ相場の主役になってしまうケースも考慮しなければいけません。

ただしGAFAそのものの直近の決算自体は決して悪くはありません。

そのため現在のGAFAホルダーは規制後のシナリオを恐れすぎて、すぐに売るという判断は急ぎすぎの可能性もあります。

シナリオはあくまでもシナリオとして、規制による下げの可能性を考慮しながらも、自分の決めたルールに従って売るかどうかを判断した方が良さそうです。

GAFAの好決算の背後にある規制リスクによる成長の鈍化の可能性を意識しながら、自分のポジションを調整していきましょう。

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免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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