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慈善団体への寄付による資産処分。慈善活動を科学的評価で選別する方法

出典:Getty Images

はじめはちょっとした余裕資金で始めた投資が、自分の身の丈以上に膨れ上がってきたけども、どこかへ寄付をして、困っている人々に有効に使って欲しいというときはありませんか。

ただ単に土地や金融資産を最寄りの自治体に寄付することより、もっと効率的な寄付の仕方があるかもしれません。

そこで、今回は慈善団体へ寄付する場合についての選別方法についてご紹介していきます。

寄付をするという選択肢

昨今の金融教育では「投資」や「貯蓄」について、ある程度は浸透しつつあるといえるでしょう。

しかし、資産を保護することや増やすことばかりで、なぜか「寄付」というテーマについて、金融教育ではあまり触れられていません。

投資をして世の中を良くしたいという人はよく見かけますが、寄付をしたいという個人投資家もまた、あまり見かけないものです。

投資や寄付は世の中をよくするものですが、寄付では一切、手元に償還されないということが最大の懸念といえるでしょう。

寄付は困っている人を幸福にし、また寄付をした人は少額で大きな影響力を与えるということができます。

まずは毎年余剰資金の2~5%、トレード利益の5~10%というように少額で生活に支障のない額ではじめてみるというのはいかがでしょうか。

慈善団体(慈善活動)によって影響力は非常に異なる

慈善団体によって1ドル(または1円)あたりの影響力は大きく幅があります。

仮に現在、あなたは3500ドル(約370万円)の寄付を考えている最中とします。

次のうち、どの慈善活動に寄付をしたいですか。

  • A:盲導犬の育成団体
  • B:子どもの寄生虫駆除
  • C:熱帯雨林の伐採保護

実際に3,500ドルでの効果は以下のとおりです。

  • A:盲導犬の育成→盲導犬1頭の育成(日本では1頭あたり約600万円の育成費用が掛かります)
  • B:子どもの寄生虫駆除→7000人の寄生虫駆除が可能
  • C:熱帯雨林の伐採保護→35エーカーの熱帯雨林伐採からの保護(約14万2千平方メートル)

影響力で考えた場合、圧倒的に盲導犬の育成は効率が悪い寄付先といえます。

一方で途上国での感染予防対策や寄生虫対策では、同じ資金で非常にたくさんの人々の命を守ることができます。

人ではなく、植林や伐採保護など人類共通に恩恵を受けるように自然に対して寄付することも良い結果を生みます。

見過ごされがちなことではありますが、人々が慈善活動へ寄付をするとき、それは報道と共にセンセーショナルな地震や水害が起きたときに注目がされます。

例えば、2011年に発生した東日本大震災では、世界各国から集まった義援金・寄付金の総額は、犠牲となった方1人あたり33万ドル分配される計算になりますが、アフリカで貧困が原因で犠牲となった方1人あたりでは、1万5,000ドルしか分配されないことになります。

慈善活動を支援することは投資と似たように、加熱された報道により資金が集まる慈善団体と対象的に日の目を見ずに放置され続ける慈善団体があるということは留意しておくべきでしょう。

大々的に報道される災害や事故は感情的になってしまうのが人の心ですが、日本から米国など物価の高い国へ義援金を提供する場合、物価の面から、効果的な支援ができません。

そのため、先進各国では災害のために自国で賄えるように政策によって努力がされています。

また、街で募金活動をしている人々に思わず感情的になってしまい、つい寄付をしてしまうというのも効果的な支援活動とはいえないかもしれません。

効果的な寄付には感情を抑えることが重要であり、災害に対して寄付をするならばあまり報道されていない災害の方が資金が集まっておらず、緊急に支援が必要であることが言えるのではないでしょうか。

慈善団体を選ぶ5つのポイント

  • この慈善団体の活動内容は?
  • 各プログラムの費用対効果は?
  • 各プログラム有効であることを裏付ける証拠の信憑性は?
  • 各プログラムはどれくらい適切に実施されているか?
  • その慈善団体は追加の資金を必要としているか?

この慈善団体の活動内容は?

その慈善団体は何種類のプログラムがされていますか?

複数のプログラムを実施している場合、その理由を把握しておくとよいでしょう。

活動自体が複雑に陳腐化していることも考えられ、資金が効率的にプログラムに分配されていないことなどが生じます。

各プログラムの費用対効果は?

その慈善団体は特に重要な課題に取り組んでいますか?

多額の費用が掛かり、救われる人が非常に少ない効率の悪いの慈善活動も存在します。

いくらの費用で、何をどれだけ実施したかという具体的な証拠を掲載しているかを確認しましょう。

各プログラム有効であることを裏付ける証拠の信憑性は?

その慈善団体が実施するプログラムが有効である証拠は何かありますか?

よくある例として、寄付額とお礼だけを後に掲載して、どうなったか、どのくらい効果があったかという具体的な証拠を提示していないことです。

プログラムが有効であるかどうかは、それを証明する試験が行われている必要があります。

プログラムに対して資金を集めるだけではなく、その後もきちんと監視し、評価されているか確認しましょう。

各プログラムはどれくらい適切に実施されているか?

その慈善団体の透明性はどの程度ですか?

慈善活動は必ず成功するとも限らないものです。

過去の失敗をきちんと認め、報告しているかどうか確認してみましょう。

また、代わりとなる寄付先があるかも調べてみると良いでしょう。

同種のプログラムを異なる団体と比較して、より良い寄付先を探してみることも重要です。

その慈善団体は追加の資金を必要としているか?

追加資金の使い道は何か把握していますか?

寄付をする前に「なぜ、資金が必要なのか」を理解しておく必要があります。

また、「なぜ、他の支援者から資金が集まらないのか」を把握しておくと良いでしょう。

3つの寄付先の紹介

ギブダイレクトリーの送金画面 ※1回、月、年ごとに分けて送金が可能

ギブダイレクトリー(Givedirectly

  • 活動内容:ケニアとウガンダの貧困世帯に条件無しで直接送金を行っています。
  • 費用対価:1ドルを寄付するとケニアとウガンダの最貧国世帯に90セントが届けられます。
  • 証拠の信憑性:極めて高い。送金プログラムの有効性を裏付ける調査が数多く行われています。

ギブダイレクトリーの送金画面。1回、月、年ごとに分けて送金が可能。

参考

デウォーム・ザ・ワールド・イニシアティブ(Deworm the world initiative

  • 活動内容:ケニアやインドの政府が学校を中心とする駆虫プログラムが実施できるように技術支援を提供しています。
  • 費用対価:デウォーム・ザ・ワールド・イニシアティブが負担する子ども一人あたりの費用は年間約3セントになります。
  • 証拠の信憑性:非常に高い。長期追跡調査によれば、寄生虫の駆除は教育や経済に大きな利益をもたらしていることを明確にしています。

参考

アゲインスト・マラリア基金(Against Malaria Foundation

  • 活動内容:アフリカの貧困世帯に持続性の高い殺虫剤入り蚊帳を購入しています。
  • 費用対価:6ドルで2人の子ども平均2年間マラリアから守ることができます。
  • 証拠の信憑性:非常に高い。蚊帳の有効性を裏付ける比較試験とメタ分析を行っています。

参考

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