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ESG投資とは?世界で急拡大している7つの投資手法

現在、資産規模がおよそ2,500兆円と世界の投資の4分の1を占めるまでに成長している投資手法があります。

それは、ESG投資」です。

個人投資家には馴染みがありませんが、機関投資家中心に広がっている手法です。

日本でも年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2017年にESG投資を始めてから広がりを見せています。

今回はESG投資の仕組みと運用手法、そして実際に投資するにはどのようにしたらいいのかを解説していきます。

新しい投資手法の仕組みを理解して、株式投資に役立てていただければ幸いです。

それでは、ESG投資の仕組みから見ていきましょう。

ESG投資とは

ESG投資とは、企業への投資判断を行う際に利益率やキャッシュフローなどの財務情報に加え、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「企業統治(Governance)」も考慮する投資手法のことです。

企業の業績だけでなく、環境や社会の課題に配慮する企業へ投資することが、長期的なリターンにつながるという考え方です。

きっかけは、2006年に当時のアナン国連事務総長が、機関投資家に責任のある投資原則PRI(Principals for Responsible Investment)を策定した事で、欧米の機関投資家を中心にESG投資に弾みがつきました。

PRIとは、機関投資家の意思決定にESG投資を反映させるべきとした世界共通のガイドラインです。

2015年に公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)PRIに署名し、日本でも大きな注目を集めるようになりました。

ESGの各要素が示す事例を見てみましょう。

  • E=環境(Environment

二酸化炭素の排出量

環境汚染への対策

気候変動対するに配慮

  • S=社会(Social

地域社会とのかかわり

従業員への健康と安全に配慮

女性活躍の推進

  • G=企業統治(Governance

女性取締役

ステークホルダーに対する責任

不祥事防止の方針

世界のESG投資

PRIはESG投資における世界のガイドラインとなり、署名機関は設立から12年で1,942に達しています(2018年3月時点)。

世界の運用機関の過半数、有力な運用会社トップ50の8割超が含まれ、世界的な流れとなっています。

世界のESG投資額を集計している国際団体のGSIAの発表によると、2014年から2016年の2年間で世界全体のESG投資額は25.2%増加し、228,900億ドル(2,541兆円)となりました。

世界の投資額の26.3%を占めるまでになっています。

各地域のESG投資額は以下のようになります。

地域別の割合を表すと以下のようになります。

出典 GSIA 2016 Global Sustainable Investment Review

欧州と北米で95%超となっています。

日本は2014年の投資額が低かったとはいえ、6689%、約70倍弱と大きな伸びを見せています。

2015年にGPIFがPRIに署名して知名度が上がったというのが大きいと考えられます。

ESG投資7つの手法

それでは、ESG投資が具体的にどのように行われているのかを見ていきましょう。

GSIAでは、ESG投資を7つに分類しています。

2016年の残高が多い順にご紹介します。

  • ネガティブスクリーニング…150,230億ドル

武器・ギャンブルなど特定のセクターや企業を投資先から除外する手法

  • ESGインテグレーション…103,690億ドル

企業の評価を行うにあたり、財務情報と非財務情報を統合して分析する手法

  • エンゲージメント・議決権行使…83,650億ドル

株主として議決権行使の前後において、企業に対してESG投資への取組みや開示を働きかける手法

  • 国際規範に基づくスクリーニング…62,100億ドル

国際的な規範に違反した企業を運用対象から除外

  • ポジティブスクリーニング…10,300億ドル

同業種の中でESGの評価が高い企業に投資する手法

  • サステナビリティに関するテーマ投資…3,310億ドル

ESGの特定のテーマ(クリーンエネルギー、グリーンテクノロジー、サステナブル農業など)や企業に対して投資を行う手法

  • インパクト投資…2,480億ドル

社会問題や環境問題の解決を目的として投資を行う手法

日本におけるESG投資

2015年9月にPRIの署名機関となったGPIFは、2017年7月にESG投資を開始しました。

GPIFは株式を直接保有せず、外部の運用会社を通じて投資をしています。

受託する金融機関にESGを考慮して投資するように求めているのです。

2017年7月に以下の3指数を採用しました。

  • FTSE Blossom Japan Index(総合型指数)

FTSE japan index構成銘柄のうち、国内外の環境・社会・ガバナンス要因への対応力が優れた企業を選定

  • MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(総合型指数)

MSCIジャパンIMIトップ500指数構成銘柄のうち、ESGリスク要因を包括的に考慮して銘柄を選定

  • MSCI日本株女性活躍指数(テーマ指数)

MSCIジャパンIMIトップ500指数構成銘柄のうち、各業種から女性活躍度の高い企業を選定

そして、2018年9月には新たに2指数を採用しました。

  • S&P / JPXカーボンエフィシェント指数(テーマ指数)
  • S&Pグローバル大中型株カーボンエフィシェント指数(除く日本)

環境評価のパイオニア的存在であるTrucostによる炭素排出データをもとに、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが指数を構築。

同業種内で炭素効率性が高い(温室効果ガス排出量 / 売上高が低い)企業、温室効果ガス排出に関する情報開示を行っている企業の投資比重を高めた指数です。

採用ESG指数一覧は以下のようになります

出典:GPIF

日本企業のESG評価

それでは、日本企業のESGに対する取り組みはどのように評価されているのでしょうか。

MSCIジャパンIMIトップ500では、ESGレーティングとして、AAA~CCCまでの7段階で格付けを行っています。

その割合は以下のようになっています。

出典:MSCI

そして、時価総額トップ10銘柄の格付けは次のようになります。

出典:MSCI

日本は他の先進国企業と比べると格付け上位(AA及びAAA)の割合が少なく、格付け下位(CCC)の割合も少なくなっています。

MSCIジャパン指数構成銘柄トップ10のうち、最上位のAAAはKDDIだけとなっています。

また、中小型株の半数以上はBBBとBB格で、規制対応レベルとなっています。

ただ、ESG投資の広まりと共に取組みに前向きな企業が増えてきています。

事実、トップ10のうち、約半数の企業のレーティングが上がっています。

業績だけでない企業価値の向上は、長期的なリターンにもつながります。

各企業の今後の取組みが期待されます。

ESG投資に関するETF

ESG投資はETFを通じて行うことができます。

ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、株式と同じようにリアルタイムで取引することができます。

2019年1月現在、次の5銘柄が上場しています。

まだ新しいタイプのETFなので出来高が少ないものの、ESG投資の拡大とともに注目が集まるでしょう。

  • 1498 One ETF ESG

対象指数 FTSE Blossom Japan Index

  • 1654 ダイワ上場投信―FTSE Blossom Japan Index

対象指数 FTSE Blossom Japan Index

  • 1653 ダイワ上場投信―MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

対象指数 MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

  • 1652 ダイワ上場投信―MSCI日本株女性活躍指数

対象指数 MSCI日本株女性活躍指数

  • 2518 NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数連動型上場投信

対象指数 MSCI日本株女性活躍指数

まとめ

ESG投資は欧米を中心に拡大していて、投資家の関心も高まっています。

日本ではGPIFが2017年に開始したばかりなのでまだ始まったばかりですが、ETFを活用すれば個人投資家もESG投資を行うことができます。

現在のところ出来高はまだ増えていませんが、今後の拡大が期待できます。

従来の株式投資とは違う視点で投資できるESGを、資産運用の一つに加えてみてはいかがでしょうか。


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