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中国のナスダックとなるか。香港ハンセンテック指数に注目

出典:Getty Images

2020年の夏にまた新たな注目のインデックス「香港ハンセンテック指数」が誕生しました。

実は中国はIT大国で、実際に訪れると若者はスマホを積極的に活用し、SNS経由で買い物やゲーム、コミュニケーションを楽しんでいます。

キャッシュレスも進んでおり、既に世界を代表するIT大国のひとつとなっています。

米国でも中国を代表するIT企業のアリババや百度が、ADRとして上場し、人気銘柄として注目されていました。

中国の巨大な市場のITを支える企業群は、投資家にとって投資妙味がある銘柄も多いのではないでしょうか。

現在は香港を巡る政治的な問題をはじめ、様々な理由から米中の関係がギクシャクしています。

そんな中、何故ハンセンテック指数は生まれたのでしょうか。

香港ハンセンテック指数は香港版のナスダック

香港ハンセンテック指数は、一言でまとめると「香港版のナスダック指数」です。

米国のナスダックは、IT銘柄を中心に構成されています。

それと同じく香港ハンセンテック指数は、IT銘柄で構成されています。

ハンセンテック指数が登場した背景には、香港証券取引所が中国を代表するIT企業のアリババやJDドットコムなどの上場誘致に成功したことが挙げられます。

また香港のハンセン指数は、金融をはじめとしたオールドエコノミー関連中心の指数で、現在の中国IT企業があまり組み込まれておらず、有力な新興産業の成長を反映できていない、取りこめていないといった問題がありました。

しかしハンセンテック指数は、中国経済を牽引する新興IT企業に資金を集める呼び水となるのではと期待されています。

ハンセンテック指数のような勢いのある指数を見ることで、市場関係者は香港市場の魅力を再発見し、結果的に香港に資金を呼びこめるという流れです。

現在、香港は政情が不安定で自由の街、アジアの金融センターとしての地位を維持できるのか疑問視されています。

香港ハンセンテック指数の存在が、香港の金融センターとしての魅力と地位を守れるのかにも注目したいところです。

香港ハンセンテック指数の主要銘柄。構成を見れば中国を代表するIT企業が分かる

香港ハンセンテック指数の主要銘柄は、アリババ集団、テンセント、美団点評、キングソフト、JDドットコム、レノボなど香港上場の旬な銘柄ばかりです。

裏を返すと中国のIT企業で注目されており、実績もある銘柄を探すなら、香港ハンセンテック指数からピックアップするのも手です。

アリババは中国を代表するEC企業から、実店舗販売やキャッシュレスなど様々なIT事業やリアル店舗の融合を成し遂げたコングロマリット企業ですし、美団点評は口コミサイトからO2Oというオンラインからオフラインに消費者を誘導するビジネスモデルで成功をおさめている企業です。

キングソフトはマイクロソフトのWordやExcelのようなオフィス系のソフトウェア販売で昔から有名です。

中国IT企業の個別銘柄投資に興味があるなら、ハンセンテック指数に採用されている銘柄から探してみるのをおすすめします。

JDドットコムは米国ADRのティッカー・シンボル「JD」で取引されている直販系ECプラットホームです。

香港ハンセンテックに採用されている銘柄は、中国を代表するIT企業なので、ひとつずつ銘柄を調べていくと中国のITセクター事情にも詳しくなれます。

香港ハンセンテック指数のETFも登場

香港ハンセンテック指数に連動するETFも登場しました。

日本を代表するネット証券ではまだ取り扱ってはいません(2020年10月現在)が、今後評価が定まり、取り扱いがはじまれば人気が出てくるかもしれません。

中国のIT銘柄への分散投資に、香港ハンセンテック指数連動型のETFは使えそうです。

米国のETFでいうQQQ(ナスダック100指数連動ETF)の中国版という位置づけになれるのか注目しておきましょう。

ただ香港ハンセンテックETFそのものには投資できなくても、個別では買える銘柄も多いため、ETFが買えるまで待てない人は、構成銘柄の中から気になる個別銘柄を選んで自分でポートフォリオをつくっても良いかもしれません。

もちろん急成長している銘柄やセクターは騰るときは騰りますが、下げるときは大きく下げます。

香港ハンセンテック指数のボラティリティも米国のナスダック指数と同様、高くなることが予測されます。

急成長している反面、気をつけなければいけない面もあるのは、米国のITセクターと変わりません。

中国のIT関連は今後、米国上場のADRから香港で買う時代か?

米中の国際関係の悪化に伴い、アメリカでは中国のソフトウェアを国家安全保障の観点から禁止にする動きが出ています。

ショートムービーSNSのTikTokが米国で配信差し止めされるのではという観測もありました。

一般のスマートフォンにはアプリを入れられても、政府支給のスマホではアプリを入れられないなど、中国IT企業の米国での地位は揺らいでいます。

このような状況では中国のIT企業が米国の上場をためらうのも無理はありません。

中国のIT企業の多くは中国本土や香港よりも、より資金が集められる米国市場に積極的に上場してきました。

中国の本土の投資家が自身の国のIT銘柄に投資できないという事態も当たり前のようにありました。

しかし、米中の国際関係の悪化に伴い、米国上場から中国上場にシフトしていく可能性があります。

今まで米国で中国のIT銘柄にADR経由で投資をできていたのが、今後は香港で買わなければいけないということも考えられます。

香港ハンセンテック指数は時代の転換の象徴

従来の香港市場を代表する銘柄はペトロチャイナ(石油)や香港上海銀行(金融)や長江実業(不動産)といった伝統的な産業の銘柄が中心でした。

香港ハンセン指数にもアリババ、シャオミといった新興IT銘柄の組み入れはされていますが、まだまだ伝統的な産業の銘柄の比率が高めです。

これでは、現在の中国のIT企業が牽引する新しい経済成長を反映できません。

香港ハンセンテック指数の登場は、中国の産業や時代の転換の象徴なのかもしれません。

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