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宇宙開発で注目を集める企業と投資対象となりうる銘柄

出典:Getty Images

航空・防衛セクター(Aerospace & Defense)は、商業用の旅客機から、ミサイルやジェット戦闘機、はたまたロケット・宇宙船などの宇宙開発関連まで、かなり幅広い分野を含むセクターです。

このセクターはアメリカ株を見る上では、無視できないセクターです。

約50万9,000人の科学者・技術者が働いており、関連するエリアでも約70万人が働いていると言われています。

これだけの雇用を有する大きなセクターであり、関連産業まで含めると、アメリカ経済に非常に大きな影響力を持ちます。

また、防衛セクターとして見ると、最大の顧客はペンタゴン(国防総省)であり、好不況に関係なく、契約を取れば、大きな金額が安定的に入ってきます。

一方で、政治の動きによって国防予算が大きく変わるので、このセクターへの投資は政治の動きに注意が必要になります。

地政学的なリスクの高まり、具体的には中東情勢、北朝鮮情勢、そして中国やロシアの軍備拡張などもあり、追い風になっています。

特にミサイルの高度化による武力強化が進んでおり、レイセオン、ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)、ノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)などがしのぎを削っています。

防衛に限って言えば、大統領選挙で民主・共和のどちらが勝つかはその後の業績にも影響する問題になります。

一般的に、民主党政権では国防予算は抑制され、共和党政権では増える方向にあります。

航空部分にスポットを当てて、このセクターの今後について考えてみたいと思います。

航空・防衛というような扱いになっているのは、このセクターの大手が航空関連だけをやっている訳ではなく、防衛関連もやっているからでもあります。

ボーイングは商業用の旅客機だけではなく、ジェット戦闘機も作っています。

最先端の飛行技術や宇宙開発技術は、国防目的で予算がついて開発されるケースが多く、その民間利用が後からついてくるというケースが多いからでもあります。

前置きが長くなりましたが、今回は航空・防衛セクターで最もホットな宇宙開発関連のビジネスについてお話していきたいと思います。

特に注目を集める3社

従来のイメージだと、ロケットや宇宙開発は、NASAが中心となって行ってきたアポロ計画や、それを引き継いだスペースシャトル計画で、それぞれ大きな成果を上げました。

一方で、巨額の資金を使うこともあり、スペースシャトル計画も終了してしまいました。

そして、今や宇宙開発は民間企業を中心に動くようになってきています。

特に今年、注目を集めている企業が3社あります。

テスラのCEO、イーロン・マスクのスペースX社、アマゾンCEO、ジェフベゾスのブルー・オリジン社、ヴァージングループ会長、リチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティック社です。

特にスペースXは、非常に大きな成果を上げています。

今年5月末に同社のクルードラゴンで人間を宇宙に送り、そして無事戻ってくることに成功しました。

この成功の意味することはとても大きく、宇宙空間への人やモノの輸送のコストをスペースシャトル計画などに比べ、けた違いのコスト削減を行っていることです。

スペースシャトル時代では、1回の打ち上げで1,600億円以上がかかっていましたが、これが210億円程度に削減されています。

これを更に60億円程度にまで低下させる計画となっています。

NASAの計画は、成果のみにフォーカスした計画であったためにコストがかさみやすいものでしたが、スーペースXのミッションはただ一つ、安全性を犠牲にすることなく、コストを下げることでした。

コストの大きな削減で、NASAは宇宙開発に関しては、スペースXのロケットで宇宙船を宇宙に運んでもらうような形の計画に変わってきています。

また、国防総省は、スペースXと組んで、同社のロケットを使って、地球上の長距離輸送を短時間で行える仕組みを作ろうとしています。(もともとスペースXのスターシップ部門の計画に、大陸間の人やモノの移動にロケットを利用することが入っていました)

スペースXのビジネスは、このスペースシップ部門に加え、スターリンク部門があります。

こちらは、大量の小型衛星を軌道上に打ち上げ、高速インターネット回線で世界中をつなぐというものです。

この仕組みはカルフォルニアの山林火災でも利用されたようです。

現時点で、スターリンク部門では1万3,000くらいの衛星を打ち上げて保有していますが、これを4万~5万程度にまで増やす計画のようです。

これにより世界中どこでも高速インターネットを使うことができます。

一方、ジェフ・ベゾスのブルー・オリジンもニュー・シェパードというロケットの打ち上げと着陸実験に今年成功しています。

スペースXに若干遅れを取っているようですが、着々と進化していっています。

残念ながら、スペースXもブルー・オリジンも未公開会社なので、現時点では投資することが出来ません。

スペースXは近い将来に上場されることが期待されています。上場したらより注目が集まる銘柄となるでしょう。

現在、投資可能なのは、リチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティック(NYSE:SPCE)です。

この会社は、宇宙旅行を個人にも楽しめるようにすることを目的として作られた会社です。

既にかなりの予約が入っているようですが、価格的にはあまり一般人が気軽に宇宙に行ける価格ではありません。一人当たり25万ドル(2,600万円以上)だそうです。

スペースシップ2の試験飛行を今年成功させています。

年内にもこのスペースXを宇宙に送り込む実験をすると会社側が発表していますが、まだ具体的な日程は発表されていません。

ヴァージン・ギャラクティックにも熱い期待が寄せられています。

その他の宇宙関連銘柄

ボーイング(NYSE:BA)は、ロケット開発製造、ロケット発射装置の開発製造、更には国際宇宙ステーションの運営管理も行っています。

ロッキード・マーチンはNASAのために宇宙衛星を作成したり、ロケットの関連部品の製造、そして、深宇宙(Depp Space、大気圏外の宇宙)用の宇宙船オリオンの開発なども行っています。

ノースロップ・グラマンもロケットメーカー(オービタルATK)を2018年に行い、宇宙開発に参戦しています。

こうした航空産業の大型企業だけではなく、小型ながらも宇宙開発競争に参戦している企業もあります。

マクサー(NYSE:MAXR)は、NASAが月面着陸計画を行うためのパートナーとして選んだ11社のうちに含まれています。

こうした会社を保有するETF、Procure Space ETF(UFO)もありますが、日本で取り扱っている証券会社があるかどうかは不明です(マネックス証券もSBI証券も取扱いが無いようでした)。

純粋な宇宙関連で投資をするのであれば、スペースXやブルー・オリジンが上場されるまでは、ヴァージン・ギャラクティックやマクサーなどに投資するか、ETFでの投資を検討されるのが良いかと思います。

宇宙開発はまだまだ進化が進みそうですし、その進化に合わせて様々な利用法も考えられてきています。ビジネスの広がりもかなり広そうです。

まだまだ夢のような話と思っていたことが、着実に現実になりつつある分野に投資を通じて参加するのも、良いアイデアではないかと思います。

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免責事項と開示事項 記事の作者、松本義和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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