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【第1回】米国株の中長期投資で重要な相場サイクルとイールドカーブとは?

米国株に限りませんが、株式の中長期投資においては相場の大きな流れを把握することが重要になってきます。

そのような流れを把握していれば、日々のヘッドラインに踊らされることなく、どっしりと構えて相場に向き合うことができるからです。

ただし、そうはいっても中々相場の大きな方向感や流れを把握することは難しいといえます。

そこで役に立つのが相場のサイクルを理解することです。

相場のサイクルを意識した取引をしていれば、サイクルに逆らって悪いタイミングで売買することを避けられる可能性があります。

そしてそのような相場のサイクルを理解するヒントになるのがイールドカーブです。

今回は中長期目線で相場を分析する上で欠かせない相場のサイクルと、それを見極めるためのイールドカーブについて2回にわたってご紹介していきます。

相場にはサイクルがある

株式相場を大局的に見ると、大きな節目ともいえるサイクルがあるのがわかります。

2000年以降の約20年あまりの相場をみても、2001年のITバブル崩壊に始まり、2008年のリーマンショック、そして今年2020年のコロナショックがありました。

それぞれの節目で大暴落を見せたものの、米国株式相場はその度に底値から反転上昇して直近の高値を切り上げてきています。

一般的には金利や株価、景気、企業業績といった様々な要素が絡み合って、サイクルを繰り返していくのです。

そして相場が見せる一つのサイクルは次にご紹介する4つのサイクルに分けることができます。

相場を知る上で重要な4つのサイクル

株式相場のサイクルには「金融相場」、「業績相場」、「逆金融相場」、「逆業績相場」という4つのサイクルがあり、このような考え方は「相場サイクル論」と呼ばれています。

相場ないし景気はこれら4つの各サイクルを一巡することで一つのサイクルを形成していきます。

一つのサイクルはおよそ8年~10年の周期で繰り返されており、各サイクルはおよそ2年から3年で推移していく傾向にあります。

しかし、実際にはこれら4つのサイクルを明確に分けられる訳ではありません。

8年~10年のサイクルの間隔が数年に短くなったり、反対に12年を超えて長くなるようなこともあります。

また、サイクルが変化していく最中に、2つのサイクルが数年にわたって重なるような時期もあります。

今対峙している相場がこのような4つのサイクルのいずれにあるのかを把握することはとても重要です。

というのも相場が上がりやすいのか、下がりやすいのか、あるいはレンジ相場を形成しやすいのか、といった中長期投資における相場の大きな方向感を把握するヒントになることがあるからです。

それではそれぞれのサイクルの特徴について詳細を見ていきましょう。

金融相場:景気が底にある状況下の相場

景気が底にあり、経済が完全に冷え込んでいるため、国は積極的に景気刺激策を打ってきます。

具体的には政府の利下げによる金融緩和策や、市中に資金を大量供給する量的緩和策によって景気を刺激していきます。

いわば市場が余剰資金であふれると同時に、低金利の環境を生み出すことで、企業が設備投資などにお金を使って経済を動かすように促していきます。

やがて景気刺激策が効果を発揮し始めて景気の底打ちが見えてくると、安全資産の債券に逃げていた資金が株式市場へと戻ってきます。

低金利下では一般的に株式は上昇しやすい環境になっていることもあり、本格的な景気回復を前に先行して上昇を始めます。

市場の資金が債券から株式へと移っていくと、国債価格の下落と長期金利の上昇が起こってきます。

この状況下では割安株が多く見つかる相場環境となりますので、相場が底打ちしたのをしっかりと確認し、割安株を長期保有するチャンスになります。

金融相場の典型的な例としてはリーマンショックがありました。

リーマンショックの際には、当時のFRB議長のバーナンキが、利下げと同時に通貨を市中に大量に供給する量的緩和策を推し進めました。

この一連の政策によってリーマンショック直近の高値を抜けて、株価は完全回復しました。

回復した株価はその後も上昇を継続させ、NYダウなどは市場最高値を更新していったのは記憶に新しいところです。

このように株式相場は金利動向から大きな影響を受けます。

一般的に高金利下では株式は売られやすく、低金利下では買われやすくなります。

株式市場の大きな方向感を把握するには金利動向も重要になってくるのがよくわかるでしょう。

相場にも種類がある?金融相場と業績相場のサイクルと投資戦略について

業績相場:好調な企業業績と景気の上昇が見られる相場

政府による景気刺激策など、様々な金融政策を経て相場浮上のきっかけが与えられた金融相場の後に訪れるのは業績相場です。

金融緩和が実体経済に好影響を与え、その結果として経済が動き始めるようになると、企業業績も次第に好調ぶりを見せ始めます。

好調な企業業績がやがて経済全体を底上げし始め、その後も上昇を見せます。

好調な経済や企業業績を背景に、市場は金融相場以上にリスクを取り始めるため、株式市場にますます多くの資金が集まり、相場を押し上げていきます。

国債から株式市場への資金流入が進むため、長期金利は上昇を続けます。

景気が上昇を続けるとともに、過熱感を示すバブルの発生の兆候が表れると、政府は景気過熱感の抑制と物価安定を狙った金融引き締め政策に転換します。

金融引き締めのための政策として、国債の売却を通じて短期金融市場における通貨供給量を減らし、政策金利や預金準備率の引き上げなどを実施していきます。

逆金融相場:政府の利上げと企業業績の頭打ちなどからピークアウトする相場

政府による金融引き締め政策が効果を発揮し始めると、企業業績も頭打ちの状態になります。

景気が天井を打ち始めると今後の景気見通しに不安が出始め、株式全体が売られやすい傾向が生まれます。

徐々に株式が売られ、国債へと資金がシフトし始めると、長期金利に減少が見られるようになります。

金利引き下げなど一連の金融引き締め政策が続くと、株式相場をピークアウトさせる動きになりやすいという特徴があります。

逆金融相場:継続する金融引き締め策効果などから企業業績の悪化が顕著となる相場

継続する金融引き締め政策などから長期金利が下がり続け、短期金利とともに低い水準を維持します。

企業の業績悪化が顕著となって株式は完全に売り相場となり、割安株が見つかりやすくなります。

景気のテコ入れのために金融緩和策に方向転換することで、元の金融相場に移行していきます。

相場の流れを見極めるヒントとは?イールドカーブの理解

相場には4つのサイクルとお伝えしましたが、今の相場がどのサイクルにあるのかを把握するにはどうすればいいのでしょうか。

そのヒントになるのがイールドカーブです。

イールドカーブとは?金利の将来予想図について解説

イールドカーブとは、グラフ上の横軸に期間をとり、縦軸に金利をとる利回り曲線のことをいいます。

イールドカーブによって、将来の金利見通しや経済が今後拡大基調か縮小基調なのかを占うことができます。

イールドカーブの代表的なものとして、国債のイールドカーブがあります。

国債のイールドカーブは横軸が債券の残存期間を表し、縦軸に最終利回りを示しています。

期間ごとの利回りを線で結んでいくと利回り曲線となります。

この利回り曲線は一般的には長期金利と短期金利の利回り格差を分析する際に利用されています。

通常は長期金利が短期金利を上回っているために右肩上がりの曲線を描いています。

しかし、短期金利が長期金利を上回るとイールドカーブは右肩下がりの曲線を描きます。

今の相場が4つのサイクルのどのサイクルに位置するのかを分析するには、このようなイールドカーブの形状で判断できます。

イールドカーブの形状にはいくつかの種類やパターンがありますので、第2回の記事でご紹介していきます。

【第2回】米国株の中長期投資で重要な相場サイクルとイールドカーブとは?

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