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注目すべき金鉱株3銘柄と今後の見通し

ゴールド(金)は一般的に安全資産と言われており、「有事の金」という言葉があるように、戦争や経済危機、それこそ今回の新型コロナウイルスの流行などの万が一の事態にその効力を最大限発揮するものとして知られています。

ゴールドはここ5年ほど上昇を続けており、2020年に入ってからも新型コロナウイルスによる世界的な不安感から買われ続けています。

新型コロナウイルスの収束目途もたたないこともあり、ゴールドは長期的な上昇トレンドにあります。

しかし、2020年は一本調子でかなり急に上昇したこともあり、割高感が蔓延していました。

7月の時点で2011年につけた1,828.5ドル/オンスを抜けて、8月頭に最高値である2,022.66ドル/オンスをつけました。

その後、1,950ドル/オンス前後を推移しており、テクニカルアナリストは短期的な下降トレンドに移行し、急落すると予想していました。

しかし、10月6日に1,875.22ドル/オンスを付けた後に反転し、10月9日には1,929.64ドル/オンスにまで上昇しました。

ゴールド価格が上昇していると、金鉱企業はコストが変わらず売値が上昇していくため業務レバレッジが効き、業績が好調になる傾向があります。

そのため、今後、金鉱株の株価上昇が期待できると言えるのではないでしょうか。

今回はいくつかの金鉱企業の業績および株価を見ていきます。

バリック・ゴールド

バリック・ゴールド社(NYSE:GOLD)は、カナダに本社を置く金と銅を生産する鉱山会社です。

南北アメリカ、アフリカ、パプアニューギニアで採掘を行っています。

ニューモントコーポレーション社が2019年にゴールドコープを買収するまで、バリック・ゴールド社は世界最大の鉱山会社でした。

2020年第二四半期に、米国の有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが同社の株式2,090万株、5億6,360万ドル相当を取得しました。

これは発行済み株式の1.2%にあたり、同社の11番目に大きな株主となりました。

バリュー投資で有名なバフェット氏が購入したことで、上昇しつつある同社の株価がいまだ割安であるとの見方が広まったことで、今後も上昇することが予想されます。

ゴールドが反転上昇した10月9日前後の同社株価の動きについて見てきます。

前日の10月8日の始値は27.52ドルで、寄り付き後27ドル付近まで下落しましたが、午前中は上昇しました。

午後からは横ばいで終値は27.27ドルでした。

10月9日の始値は27.77ドルと前日終値から1.8%ほど上昇して始まりました。

日中は上昇を続け、終値は28.05ドルでした。

同社株価は、コロナショック時に12.65ドルとコロナショック以前と比較して約50%下落しましたが、4月中に以前の水準まで戻し、26ドル前後まで高値を更新しました。

6月頃に一時23ドル前後まで下落しましたが、その後上昇し8月に最高値31.22ドルをつけました。

続いて直近の同社の第2四半期決算発表内容について概観していきます。

  • 純売上高…30.55億ドル(前年同期比+48%)
  • 営業利益…10.31億ドル(前年同期比+138%)
  • 同社に帰属する純利益…3.57億ドル(前年同期比+84%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…0.23ドル(前年同期比+155%)

同社の第2四半期における純売上高は、前年同期から48%増加した30.55億ドルとなっており、新型コロナウイルスの影響を感じさせない堅調な数字となっています。

純利益は前年同期比84%増加した3.57億ドルです。

希薄化後一株当たり純利益は、前年同期比約1.5倍の0.23ドルとかなり業績が向上しています。

同社株価は現在、横ばいに推移していますが、11月に第3四半期決算発表を予定しており、その結果次第では上昇する可能性が十分あると言えます。

アグニコ・イーグル・マインズ

アグニコ・イーグル・マインズ社(NYSE:AEM)は、カナダに本社を置く金や銀・銅生産する鉱山企業です。

生産拠点はカナダのケベック州で、同国内での金生産量は最大級を誇っています。

同社は、1972年にオンタリオ州コバルトの銀生産企業のアグニコ・マインズ社と、金探査企業のイーグル・ゴールド・マインズ社が合併して設立されました。

バリック・ゴールド社の株をバークシャー・ハサウェイがポートフォリオに組み入れたことで、金鉱株全体が好まれ全体的に上昇しました。

ゴールドが反転上昇した10月9日前後の同社株価の動きについて見てきます。

前日の10月8日の始値は78.15ドルで、日中は横ばいに推移し終値は78.55ドルとなりました。

10月9日の始値は79.69ドルと、前日終値から1.5%ほど上昇して始まりました。

日中は上昇を続け、終値は82.69ドルでした。

同社株価は、コロナショック時に31.00ドルとコロナショック以前と比較して約50%下落しましたが、5月中に以前の水準まで戻し、6月に一時コロナショック以前の水準を割り込むほど下落しましたが、その後上昇し、85ドル前後まで戻しています。

8月から現在まで、75ドルから85ドルのレンジで推移しています。

続いて直近の同社の第2四半期決算発表内容について概観していきます。

  • 純売上高…5.57億ドル(前年同期比+5.8%)
  • 営業利益…2.76億ドル(前年同期比+12%)
  • 同社に帰属する純利益…1.05億ドル(前年同期比+279%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…0.44ドル(前年同期比+266%)

同社の第2四半期における純売上高は、前年同期から5.8%増加した5.57億ドルとなっています。

純利益は前年同期比279%増加した1.05億ドルで、希薄化後一株当たり純利益は前年同期比で3倍近い0.44ドルとかなり業績が向上しています。

ゴールドの上昇に伴い同社株価も大きく上昇しており、また業績も堅調であることから高値を更新していく可能性があります。

エルドラド・ゴールド

エルドラド・ゴールド社(NYSE:EGO)はカナダに本社を置く鉱山企業です。

トルコやギリシャ、カナダに金鉱山を保有し開発、運営しています。

同社はシノ・ゴールド・マイニング社やアフリカン・マイニング社など、多数の合弁企業の資産を運営しています。

ギリシャやトルコに鉱山を保有していることから、他の企業と比較して地政学的なリスクを抱えやすいと言え、リスクの高い銘柄と言えます。

ゴールドが反転上昇した10月9日前後の同社株価の動きについて見てきます。

前日の10月8日の始値は10.93ドルで、日中は微増しながら推移し終値は11.2ドルとなりました。

10月9日の始値は11.56ドルと前日終値から3.2%ほど上昇して始まりました。

日中は一本調子で上昇を続け、終値は12.41ドルでした。

同社は、ギリシャでの鉱山開発に注力していますが、ギリシャ政府との協議に課題があり、プロジェクトが遅れています。

そのため業績を落とし、2019年にかけて株価も大きく下落しました。

2011年をピークに長く下落傾向が続いており、同社株価は2019年の頭には2.7ドル前後となっていました。

2020年の2月に急上昇し、11ドル前後までなりましたが、コロナショックによりすぐに5ドル前後までしてしまいました。

その後は上昇を続け、5月頭に10ドル付近を付けた後はまた下落に転じました。

その後は上昇傾向にあり、7月の段階でコロナショック以前の水準にまで戻り、8月には13ドル前後をつけました。

再び下落に転じましたが、9月の下旬に10ドル前後を付けたのち反転し、上昇しています。

続いて直近の同社の第2四半期決算発表内容について概観していきます。

  • 純売上高…2.55億ドル(前年同期比+47.3%)
  • ゴールド売上高…2.32億ドル(前年同期比+55.1%)
  • 同社に帰属する純利益…0.43億ドル(前年同期比+0.465億ドル)
  • 希薄化後一株当たり純利益…0.26ドル(前年同期比+0.28ドル)

同社の第2四半期における純売上高は、前年同期から47.3%増加した2.55億ドルとなっています。

そのうちゴールドによる売上高は、2.32億ドルと全体の9割を占めています。

ゴールドの価格や生産コストが同社の業績を大きく左右していることがわかります。

純利益は前年同期から0.465億ドル増加した0.43億ドルで、前年同期が赤字であったことを考えると大きく伸ばしています。

希薄化後一株当たり純利益は、前年同期から0.28ドル増加した0.26ドルで、こちらも同様に前年同期が赤字であったことから業績が向上していると言えます。

ゴールドの上昇に伴い同社株価も大きく上昇しており、現在最高値を更新しています。

また業績も徐々に上向いてきていることから、今後も高値を更新していく可能性があります。

まとめ

金鉱株は、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイがバリック・ゴールド社の株を買ったことで注目され、金鉱株全体が上昇しました。

さらに、新型コロナウイルスや11月に迫る米大統領選挙などから不安が高まり、ゴールドに買いが集まっています。

金鉱株はゴールドを売るため、ゴールドの価格は業績に直結しています。

ただ、ゴールドの値動きにリアルタイムで対応するのではなく、少し遅れて追随していく傾向があります。

そのため8月から調整に入っていたゴールド価格が下げ止まったことで、今後長期的に金鉱株が上向いていくと言えそうです。

ゴールドは安全資産としてリスク回避的に用いられますが、配当や利子がないため少々魅力に欠けます。

金鉱株であればゴールドの動きと連動し、また配当もあるため、ゴールド以上のパフォーマンスが期待できます。

金鉱株への投資は2020年において、投資の選択の一つとして十分良いと言えるでしょう。

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