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いま、Pinterestが面白い理由。未来志向型SNSが描く世界

Pinterest(NYSE:PINS)は、サンフランシスコに本拠地を置く写真共有サービスをソーシャルに展開する企業です。

設立は2010年3月。現在、Facebook、Twitter、Instagramと異なる新たなSNSとして特に北米を中心に広がっています。

Pinterestはサービスを公開した後、約9ヶ月の間に1万人のユーザーを獲得しました。

その後、しばらく低迷期もありましたが、2020年7月時点で月間のアクティブユーザー数が4億人を超え、新型コロナによる巣篭もり需要にも活用されるなど、今、再び注目を集め始めているSNSがPinterestなのです。

また画像共有サイトという共通点があるInstagramと比較されることが多いですが、Instagramが基本的にユーザーが撮った写真をアップして「インスタ映え」した世界をフォロワーに見てもらうことを目的としているのに対して、Pinterestは素材やアイデア探し、将来欲しいモノや行きたい場所などを集めた未来志向型のSNSであることも大きな特徴です。

またInstagramも女性ユーザーの割合が65%と多いですが、Pinterestの場合は女性ユーザーの割合が80%を超えたこともあり、特に女性からの支持が根強いことに加えて、コロナ以降、第2四半期(4月~6月)は25歳未満であるZ世代(1996年~2012年生まれ)のユーザー数が25歳以上のユーザー数の2倍の速度で上昇しています。

今回はPinterestの特徴と市場性や市場規模、株価について考察していきます。

Pinterestと他のSNSの違い

Pinterestの最大の特徴は、画像ボードから気になる写真を保存すること(ピン・リピン)ですが、これにより自分が好きなテイストやスタイルが明確になります。

こうして未来に欲しい物や手にしたいライフスタイル、行ってみたい旅行先など、自分の好きな世界を保存しながら可能性を豊かに広げてくれる橋渡しとしての役割も担っています。

これこそ他のSNSとの大きな違いではないでしょうか。

特にZ世代においてはユーザー自身が何が好きなのかを「探すツール」としても活用されています。

またコロナ禍においては家庭を持つ世帯が増え始めるミレニアル世代を中心に、家で活用する便利タスクとして活用されており、子どもが自宅学習しなければならない環境下においては、自宅学習のアイデアが多く検索されています。

現在、Pinterest上には2,400億以上のアイデアが保存されており、ユーザーはそこから様々なアイデアや憧れ、挑戦したい目標など、ヴィジュアルとして視覚化することで、次の行動がより具体的なものとなるはずです。

つまりまだ「言語化」出来ない感覚を直感的に探すことができるプラットフォームなのです。

またグーグルなどが目的を持って検索する利用方法とは異なる方向性であることも、Pinterestの興味深い点です。

他のSNSと違い、個人利用の場合は「承認欲求」という要素が極めて少なく、どこまでもユーザー自身に帰結することもPinterestならではの特徴でしょう。

Pinterestの画像保存方法(ピンする)とInstagramと異なる特徴

Pinterestに画像を保存するには下記3つの方法があります。

  1. Webサイト内から画像を保存する
  2. Pinterest内で他のユーザーがアップした画像を保存する
  3. ユーザー自身が撮影した写真をそのままPinterestにアップロードする

1、2の場合ですが、Webサイトや他のユーザーの画像を保存すると、保存先のサイトURLが紐付けされる仕組みとなっています。

3の直接アップロードの場合、リンク先を入力することも出来るので、活用次第では自社PRにも繋がります。

ここに「Instagram」との大きな違いがあります。

Instagramの場合はURLをリンク出来ませんが、Pinterestは好みの画像を編集する「キュレーション」としての個性がメインサービスであり、両者の違いがハッキリと分かるかと思います。

Pinterestのようにリンクが出来ることのメリットとして、自社ECサイトへの誘導が挙げられます。

つまりマーケティング利用として活用できるので、ブロガー、インフルエンサーにとっても、Pinterestからの導線を描きやすいことも優れた特性です。

Pinterestのアルゴリズム

Pinterestで上位表示されるには大きく4つのアルゴリズムがあるようです。

それぞれ項目ごとに解説していきます。

ドメイン評価

ビジネスアカウントの場合、紐付けしたWEBサイトの写真画像をピンすることで評価が高まります。

積極的にピンするようになるので、ピンが多くなるほどPinterestとネットショップの互換性が強くなり、より活用しやすい環境作りが出来ます。

ピン評価

Pinterestは長期に渡ってピンされることを評価しており、ピンの保存数やコメントなどを元にユーザーの満足度を測っているようです。

また新しい画像に対してのピン評価も高く、これによってPinterest全体の更新と鮮度を促している仕組みを採用しているようです。

ピナー評価

ピナーとはPinterestユーザーのことですが、Pinterestは他のユーザーの画像をピンすることも評価の対象(理想は1週間に3つ以上の新しいピン)としています。

これによりPinterest利用が日常生活の中で習慣化させることを促しているのです。

トピックとの関連評価

Pinterestが写真画像の共有プラットフォームであるため、Pinterest独自のサーチエンジンが認識しやすいように、ジャンルやカテゴリーを絞った方がより上位表示される確率が高まります。

以上のようなアルゴリズムがPinterestにはあるので、上手に活用することで多くのメリットを得られるはずです。

Pinterestの業績&市場規模拡大におけるiPhoneのプラス要因

Pinterestの2019年の売上高は1,142.76(単位:百万ドル)、2020年の売上高コンセンサス予想は1,450.60(単位:百万ドル)となっています。

またPinterestに追い風となったのが、iPhoneのiOS14リリースによって「iPhoneのホーム画面がカスタマイズ」出来るようになったことです。

これによりPinterestの1日あたりのダウンロード数が大幅に増加し、APP Storeのトップチャートになるなど注目度が飛躍的に上昇しました。

事実、Apptopia(アプトピア)というアプリ調査会社の報告によると、米国時間2020年9月21日の1日だけで61万以上の新規インストールがあったとされています。

執筆時点でもiPhoneアプリのライフスタイル部門において4位にランクインされているなど、上位にランクインし続けているのです。

いかにPinterestにとってポジティブな出来事だったのかは、PinterestのHPに「Dailyインスピレーション」としてiPhoneのデザインが紹介されていることからも明らかです。

今後もiPhoneとの親和性によってPinterestの成長が加速していくことが予想されます。

Pinterestのビジネスアカウントの最大の特徴

Pinterestのアカウントには個人用だけでなく、法人用のビジネスアカウントも作ることが出来ます。

最初からビジネスアカウントにしても良いし、個人用アカウントを後からビジネス用に切り替えることも出来ます。

大きな違いはプロフィール画像です。

ビジネスアカウントの方がより目に付きやすく、ビジネス向きです。

そしてビジネスアカウントの最大の特徴が「アナリティクス機能」です。

ここでは「プロフィール」という項目から、ピンした画像について・表示回数・保存数・クリック数などのデータを知ることが出来ます。

それに加えてピンを見た他のユーザーの性別、都市、言語などを知ることが出来るので、どの層にエンゲージメントしているのかを客観的に理解することが出来ます。

その他にも紐付けしたWebサイトについてのデータも分かるため、単にPinterestの活用に留まらず、マーケティング的にも詳細なデータを得ることが出来ます。

一つデメリットを挙げるとすれば複数アカウントによる共同管理ができないので、その点は注意が必要でしょう。

まとめ Pinterestが動詞化する日

1つのイメージを動詞化させることが出来た企業は、その分野において圧倒的なシェアを握っていると言えるはずです。

例えばGoogleの「ググる」という言葉は検索する際に使われますが、このように企業名が動詞化した企業はその分野のリーディングカンパニーとなる事例が多数あります。

最近ではビデオ通話の「Zoom」が該当しますが、Pinterestもこれらの企業と同じようにユーザー数が増加し「ピンする」という言葉がさらに認知されたとき、SNSの新たな潮流を生み出していくかもしれません。

なぜならPinterestは他のSNSとのポジションが異なる「未来型」であるからです。

未来の場を拡張してくれるPinterestの可能性はまだ始まったばかりであり、キュレーションサイトとしても大きなポテンシャルを秘めています。

例えば、この数年で動画で欲しい情報を検索する人が飛躍的に増えましたが、現代は調べようと思えば様々な情報が無料で手に入る時代です。

つまり情報価値よりも「キュレーション」することに価値の比重が移っているといえます。

そうした時代の変化の中でPinterestはとても面白い存在となるのではないでしょうか。

執筆時点でのPinterestの株価過去最高値は45,20ドルです。

今後どのような成長曲線を描くことになるのか、とても楽しみな米国企業の一つがPinterestであると思います。

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免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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