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ロックダウンで革命的な変化が加速した、フィットネス業界の注目銘柄

出典:Getty Images

パンデミックによるロックダウンで、最もマイナスの影響を受けたのは、エアライン、観光・ホテル業、飲食、リアル店舗の小売り、そしてフィットネス・ジムなどの業界などでした。

フィットネス・ジムはクラスターの温床のような扱われかたをしたこともあり、多くのジムが休業となりました。

ステイホームの状態の中で、運動不足を気にし始めた人も多く、また、アメリカはもともとフィットネス人口が多いこともあり、ジム通いが出来なくなった人が、家でフィットネスをするようになってきました。

フィットネスはジムでするもの(Gym Fitness)であったものが、家でも出来るもの(at-home Fitness)に変わって来ています。

その中で、大きく躍進したのが、アットホーム・フィットネス(at-home fitness)の先駆者的存在であるペロトン(NASDAQ:PTON)です。

2012年創業なので、このパンデミックの中で生まれた訳ではありません。

もともとは、ジムに通いたくても通う時間の無い人のために、家で時間を気にせずに運動ができるようなプログラムを提供したり、トレーナーの指導のもと、連帯感を感じながらモチベーションが続くようなフィットネスサービスを提供していました。

それが、パンデミック下でのステイホームにうまくマッチしたことで、成長に加速がついた形となったものです。

ペロトンのビジネスモデル

ペロトンのビジネスモデルは非常に良く出来ており、ロックダウンなどが無くても、フィットネス業界に革命を起こしつつあったことは十分に想像できます。

主なサービスは、家庭内で使うエクササイズバイク($2,295)、トレッドミル($4,295)を購入し、家族誰でも参加できるサブスクリプション($39/月)で、いつでも何度でもインストラクターが実施するプログラムに参加できるというものです。

機器が少し高価なような気もしますが、ジムに通い続けることを考えれば、許容可能な範囲のようです。

また、機器の値が張る分、ペロトンへのロイヤルティが高くなり、退会率は低下します。

人は前払いをすると勿体ないと思い、真剣に取り組むようです。

ペロトンのビジネスモデルは、SaaS+ a Boxです。

SaaSはご存じのように、「Software as a Service」と言われるもので、オンラインでのサブスクリプションサービスです。

加えて、「a Box」というのはハードウェアの販売です。

ハードを購入した人をサブスクリプションでしっかりと囲い込むというものです。

ハードも売りつつ、サブスクリプションで継続的に課金もする、アップルなどと同じモデルと言えます。

コネクティッド・フィットネスとは?代表的企業「ペロトン」は安泰か

低い退会率と質の高いサービス内容

ペロトンの退会率は月に0.4%前後、ジムをベースとしたフィットネス業界の平均値は4~5%と言われているので、非常に低いと言えます。

そのうえ、コロナの影響もあり、会員数も加速し、既に100万人を超えています。(記事執筆時点)

これだけの会員をひきつけ、かつ、高いロイヤルティを維持させるためには、やはり質の高いプログラムの充実が必要になります。

ペロトンのインストラクターの報酬は、1セッション(平均で30分~45分)で$500と言われています。

他の有名どころのジムのインストラクターの時給が$16~$40くらいらしいので、破格の待遇かと思います。

逆に言えば、それだけの報酬を払っても良いような、全米で人気のインストラクターのセッションを受けることが出来るのが、ペロトンの魅力でもあります。

家でトレーニングすることに孤独感を感じないように、適宜、セッション中に励ましが入ったりするようになっています。

また、会員同士のコミュニケーションもアプリ内のSNSで出来るようになっています。

ユーザーにとっては至れり尽くせりの充実度で、全米で100万を超える会員を有する理由がそこにあります。

その他のフィットネス銘柄の盛衰

もう一つ、ペロトンの強みは、リアルのジムも持っているということです。

ステイホームが推奨されているような状態なので、リアルのジムへ行くことはあまりないにしても、平常時には、リアルのジムでの交流なども出来るようになっています。

ペロトンは、コロナを予定してビジネスを作ってきたわけではないですが、もともとアットホーム・フィットネス需要が増えると考えて進めてきたビジネスが、コロナで一気に加速したということです。

一方、ジムでのフィットネスを中心にビジネスをしている企業は苦戦を強いられており、最大手の一つであるゴールドジムは連邦破産法11条の申請を行っています(民事再生の申請)。

ルルレモン

また、フィットネスウェアの販売でフィットネス業界の成長の恩恵を受けてきたルルレモン(NASDAQ:LULU)は、実店舗の売上の落ち込みが激しい一方で、オンラインセールスは伸びています。

ポジショニング的には、ルルレモンは、ジムであれ、アットホームであれ、人々が汗をかくフィットネスをしてくれれば、需要は維持拡大できるはずです。

しかし、実店舗での売上が中心であったので、コロナ禍ではマイナスに働いてしまいました。

オンラインセールスも伸びていますが、実店舗の落ち込みをカバーするには至っていません。

そんな中で、ルルレモンがミラー(Mirror)という、フィットネスのオンラインプログラム提供企業を買収し、ペロトンと同様のサービスを提供しようとしています。

自ら需要を拡大させ、フィットネスウェアの売上アップにつながるようにし始めました。

ナイキ

フィットネス業界の最大手の一つであるナイキ(NYSE:NKE)はどうでしょう?

マラソン用のシューズで革命的な発明をし、ランニングシューズで新旋風を巻き起こすなど、革新的なことをしてきている企業です。

フィットネスには、有望市場ということで力を入れてきたようですが、コロナ禍で実店舗での販売にブレーキがかかり、5月に発表された業績発表では、四半期ベースでは赤字になるなど、コロナの影響を大きく受けてしまいました。

そこで、ナイキが取ったのは、ナイキのトップアスリートとの深い関係を利用したものです。

コロナ以前からナイキ・トレーニング・クラブというアプリを配信していました。

ここでは、トップアスリートによる短いエクササイズの動画や、専門のトレーナーによるフルのワークアウトのプログラムなどが受けられます。

また、エクササイズのログを残しておけるなどの機能も付いています。

コロナ以前は最初3カ月無料で、その後は$14.99/月のサブスクリプションになっていました。

それを、当面無料にする対応を取っています。

有料プログラムが無料で受けられるというメリットと同時に、このアプリにより、ナイキとしては、顧客のブランド認知度を上げ、ロイヤルティを高め、そしてオンライン売上につながるマーケティングとして優れたものになっています。

結果として、GooglePlayからだけでもこのアプリは1,000万ダウンロードがあったようですし、8月末の第1四半期の業績では、デジタルセールスが75%も増加し、全体の売上の30%に達したとのことです。

このゴールは2023年までの目標でしたが早くも達成し、今は近いうちに50%まで上げたいとしています。

ナイキは、コロナ対応では当初若干出遅れた感はあったかもしれませんが、その後の対応は早く、成果もすぐに出始めています。

ウィズ・コロナ、アフター・コロナの新たなフィットネス業界を牽引するのは、ペロトン、ルルレモン、ナイキの3社が引き続き牽引することになりそうです。

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