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GAFAMを除外した「S&P495」で米国市場の実態が分かる?

出典:Getty Images

米国株投資がブームになっており、日本人投資家の間でも海外投資は既に特別なものではなくなりました。

米国株投資が日本人投資家をひきつけている理由のひとつは、米国市場全体のパフォーマンスが日本市場を上回っているからではないでしょうか。

そして米国市場全体の動向を判断する目安に使われるのが、時価総額の高い銘柄を多数集めたS&P500という指数です。

しかしS&P500は米国市場全体の動向を本当に反映しているのか?という意見もあります。

実はS&P500の上昇を牽引しているのは一部の銘柄に過ぎず、それらの銘柄を除くと日本市場とパフォーマンスは大して変わらないという主張です。

その話題でよく引き合いに出されるのが、S&P500から5つの銘柄を除いた「S&P495」です。

本記事では、

  • S&P495とはそもそも何なのか?
  • 実は米国株と日本株ではパフォーマンスは大差がない?
  • S&P500のパフォーマンスが一部の銘柄によるものなら、インデックス投資は間違っているのか?

これらについて解説します。

S&P495とは?

S&P495とは、米国株の時価総額ランキングトップ5のGAFAM、つまりGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftを除外して算出された指数のことです。

なぜ、わざわざトップ5の銘柄を除外して中途半端な495銘柄に注目した指数が注目されているのでしょうか。

理由は前述の通り、S&P500からトップ5の銘柄を除外した途端に、日本のインデックスTOPIXとパフォーマンスが大して変わらない程度になってしまったからです。

これでは米国市場は、実はGAFAMなどの巨大なITプラットフォーマーの企業のみが牽引しているのではと考えてしまうのも無理はありません。

S&P495を見て、日本株と大してパフォーマンスが変わらないなら、取引手数料や為替手数料のない日本株をやった方がいいのでは?少なくとも米国株盲信には慎重になった方がいいのでは?と考えるのも当然です。

米国市場を牽引しているのはGAFAM

実は、S&P500の時価総額の約2割はGAFAMで占められています。

そして時価総額の大きいGAFAMがS&P500の上昇を牽引しています。

日本株と米国株という区別ではなく、GAFAMとそれ以外という分け方で投資は考えるべきだという主張も一理あります。

2020年の株価の動向を見ても、S&P500が+10%を超えているのに対して、S&P495は+1%ほど、約10倍の差があります。

米国市場全体が強いというよりも、GAFAMが強いだけというのは否定できないところです。

S&P495を通してインデックス投資の歪みと限界が指摘される

インデックスは「平均」として扱われることが多いのですが、GAFAMの影響力があまりにも大きすぎるとなると、米国市場全体の動向はS&P500を見ても歪んで見えるのでは?投資対象とするならGAFAMを素直に買えばいいだけで、S&P500を買う必要はないのでは?と感じるかもしれません。

確かに異常値ともいえるGAFAMのインデックスへの影響が大きすぎるため、S&P500からGAFAMを除外したS&P495を見た方が、一般的な米国企業全体の動向がよく分かるかもしれません。

S&P500がGAFAMを組みこんでいるから、インデックス投資は悪くない?

S&P500のパフォーマンスが、GAFAMに牽引されているなら、残りのS&P495は運用成績の足を引っぱるだけだからインデックス投資は間違っているのでは?と考える人もいるかもしれません。

しかし、GAFAMがS&P500の現在トップ5であることも、市場を牽引していることも、振り返ってみてはじめて分かることです。

10年前、20年前に現在の状況を予測できたのでしょうか。

30年前の1990年に至っては、GAFAMという括りもなければ、GAFAMのうち3つは存在すらしていませんでした。

GAFAMの成長のみをポートフォリオ に組みこむには、GAFAMの台頭を予測して買わなければいけません。

しかしS&P500をただ黙って保有していれば、勝手にGAFAMが組みこめたわけです。

S&P500のインデックス投資で網を大きく広げ、大きく伸びる銘柄を拾い、その一部の伸びる銘柄群でポートフォリオのパフォーマンスを伸ばすというのは、分散投資の効用のひとつです。

分散投資と言うと、リスクを分散させるために行う投資法というイメージが強いですが、それだけではありません。

分散投資をすることによって、一部の大きく伸びる銘柄を引き当てる確度があがるのです。

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時代を牽引するトップ企業が市場を動かす

前述の通り、S&P500は米国市場全体の実態を反映していないという意見もあります。

しかし、GAFAMが世界全体に対して大きなインパクトを与えているという実態がむしろ反映されているのではないでしょうか。

確かにS&P495はGAFAM以外の米国企業の動向を反映しています。

しかしGAFAMのない世界を実生活で想像することができるでしょうか。

もしGoogleの検索エンジンが存在しない、AppleのiPhoneがない、Facebookがない、Amazonで買い物ができない、MicrosoftのWordが使えない、そんなことになれば世界は大混乱に陥るでしょう。

S&P500からトップ5を抜くことで市場全体が分かる訳ではありません。

あくまでトップ5を除いた米国市場の強さとパフォーマンスが、S&P495を通して分かるだけです。

米国にはGAFAMのような企業が生まれる土壌、文化があるからこそ米国株は魅力的なのだとも考えられます。

米国のS&P500への投資は、その時代のトップ企業がS&P500の中に入ってくるという点で予測せずとも時代の波にうまく乗れる方法のひとつなのかもしれません。

S&P495から新しいスター銘柄が生まれるかに注目

S&P500の伸びは、GAFAMのパフォーマンスが良いからであり、裏を返すとGAFAMの限界が当面のS&P500の限界となりそうです。

GAFAMに代わるスター銘柄や企業群が長期スパンで見て登場しなければ、S&P500はS&P495のように日本株と変わらないパフォーマンスに落ち着く可能性もあります。

GAFAMを除いたS&P495が力強く伸びていくかどうかには注目しても良いかもしれません。

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