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スガノミクス銘柄関連銘柄とは何か ―菅政権政策テーマから投資業種を探す―

9月16日に菅内閣が発足し、日本国内では経済政策に期待が寄せられています。

菅内閣発足時の支持率は新聞各社で軒並み60%を超えました。

その支持する理由としては、菅首相の人柄に対する信頼感やデジタル庁の創設をはじめとした政策に期待してのことのようです。

これらを受けて早くも登場した菅政権の経済政策「スガノミクス」という言葉にも期待が寄せられています。

そこで、今回は菅新内閣発足後の経済政策から有望業種を考察していきます。

9月はスガノミクス関連銘柄に思惑買い

菅氏は「(安倍政権が進めてきた)取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために、私の持てる力をすべて尽くす覚悟だ」(9月16日)とコメントしている通り、安倍政権の継承を使命としています。

さらに、「経済の再生は、引き続き、政権の最重要課題だ。金融緩和、財政投資、成長戦略の3本を柱とするアベノミクスを継承し、今後とも一層の改革を進めていく。バブル崩壊後、最高の経済状態だったが、新型コロナウイルスが発生した。まずは、この危機を乗り越えたうえで、ポストコロナの社会の構築に向けて、集中的に改革し、必要な投資を行い、再び強い経済を取り戻したい」(同日)と経済再生を重要課題とし、必要な投資をすることを明言しています。

その上で、スガノミクス関連銘柄として捉えているテーマとしては「携帯料金引き下げ」「地銀再編」「行政デジタル化」「マイナンバー」「ふるさと納税」「オンライン診療」「オンライン教育」「Go Toキャンペーン」などが注目されています。

携帯料金引き下げについて、菅氏は自由度が低い契約方式や店頭での待ち時間の見直しなどを指示してきた実績があります。

「大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の利益率は20%を占めており、携帯料金は4割程度下げる余地がある」として、引き下げを明言していますが、9月に入ってからは3社とも軒並み10%以上の株価が下落しています。

携帯電話料金引き下げについては結論を出すように指示し、記者団に対しては「1割程度の引き下げでは改革にならない」と述べています。

地銀再編について、全国に102行にのぼる地銀の数について「企業を支えるには必要だが、将来的には数が多すぎる」と述べており、地銀に対する再編圧力が高まりそうです。

元々、地銀をはじめとした銀行業界では人口減少や超低金利、新型コロナウイルス拡大による企業の経営悪化などを受けて、将来的な持続性に疑問が呈されていました。

これまでも菅氏は官房長官として地銀の経営統合を後押ししてきた経緯もあります。

菅氏の「数多すぎる」発言以降では、青森県の青森銀行とみちのく銀行の統合観測が持ち上がっています。

行政デジタル化として、菅政権下では内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2020~危機の克服、そして新しい未来へ~」(骨太方針2020)にあるように以下のような方針を提示しています。

  • 次世代型行政サービスの強力な推進
  • デジタルトランスフォーメーションの推進
  • 新しい働き方・暮らし方
  • 変化を加速するための制度・慣行の見直し

中でもデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を柱としており、デジタル化の遅れについて言及すると同時に、アフターコロナのニューノーマルの原動力としてデジタル化に向けて集中投資をすることを明示しています。

行政のみならず、民間部門のDXを促進し、民間投資やイノベーションを誘発する環境づくりを誘発させる目的があります。

また、それらの実現に向けて、骨太の方針では民間取引およびサプライチェーンにおけるデジタル化、AI・ロボット等の導入についても強調されています。

直近では、マイナンバーカードを利便性の向上のため、運転免許証をはじめとする各種の免許証としても利用できるよう、制度改正に取り組む考えを示したことや銀行口座番号と連動させることで国や地方の支給をスムーズにする考えも示しています。

その他では診療のうち、電子処方箋、オンライン服役指導、薬剤配送など診察から薬剤の受け取りまでオンラインでできるオンライン診療の検討やシステムの構築、高校・大学でのデジタル教科書を用いたオンライン教育の検討を行う見込みです。

最も影響されるのは情報通信セクターか

菅氏は首相就任前から「デジタル庁」の新設を表明しており、「2021年秋までに」という具体化したことが市場でも好感されています。

特に就任前から情報通信セクターではしっかりと買われた印象を受けますが、スガノミクスで影響されるのは情報通信セクターを中心として様々な方面へ波及する可能性を見せてきました。

デジタル庁の構想推進で再びIT投資が活発になるという期待から、9月になって多くのIT(情報技術)関連銘柄が上昇を見せています。

特にシステム開発を手掛けるNTTデータ、NEC、富士通のいずれの株価は9月以降、直近安値から10%以上の上昇を見せています。

官公庁向けで高いシェアを持つベンダー各社は政府からのDXの要請があるとすれば、否応なしに注目が集まることになります。

IT投資はデジタル庁の新設におけるものだけに留まりません。

菅氏が掲げるテーマにもある「地銀再編」にも大型IT投資を呼び込むことが期待されます。

地銀再編による地方銀行の統合は勘定系システムの統合も意味し、システムを手掛ける大手企業から傘下で開発を請け負う企業や人材企業までも波及し、これらの企業には特需となる可能性もあります。

しかし、統合とは一方では淘汰も意味し、個別企業で見た場合、システムが採用されなくなった企業の業績はマイナス要因ともなりうると考えられます。

菅政権はIT業界全体にとってプラスとなりうる予測が濃厚ですが、ドットコムバブルのような一概に「全部買え」というような状況とはなりにくいものと考えられます。

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