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スイスの大手グローバル製薬企業「ロシュ」の今後の見通しが明るい理由

世界全体での新型コロナウイルス感染症の拡大はまだ続いており、コロナ治療薬やコロナワクチンの需要は依然として高い状態です。

このようなコロナショックの中でも成長しているのが、やはりヘルスケア分野です。

マーケットを分析するに当たって、そのマーケットにおいて高い売上を占めているトップ企業に注目するべきです。

実は、売上高で比較した世界の製薬企業のトップ10にランクされている企業の約半分は、ヨーロッパの製薬企業です。

したがって、ヘルスケア業界を見る際は米国だけでなくヨーロッパにも着目するべきでしょう。

欧州企業への投資を行わないとしても、米国のヘルスケア業界への長期投資を行うのであれば、ヨーロッパのグローバル製薬企業に関する最新の情報も常に得ておくことをおすすめします。

世界の製薬企業のランキングにおいて、第2位にランクされているのがロシュです。

ロシュはスイスに本社がある企業ですが、売り上げの多くは米国市場から得ています。

当然ながら、日本の市場にも参入しており、例えば中外製薬はロシュの子会社です。

今回の新型コロナウイルスのパンデミックへの対応として、ロシュはコロナ治療薬の開発を開始しました。

コロナショックの状況においても、同社の業績は高い水準が十分維持されています。

この記事では、最新の決算報告書などをもとにして、スイスのトップグローバル製薬企業ロシュについて解説していきます。

ロシュのコロナ治療薬

ロシュは、グローバル大手製薬企業のアムジェンなどと提携して、約4種類のコロナ治療薬を開発しています。

治療薬開発にはモノクローナル抗体あるいは組み換えヒトタンパク質が利用されており、これらのコロナ治療薬の臨床試験はフェーズ2あるいはフェーズ3の段階にあります。

また、その内の一つは米国のギリアドが開発したレミデシビルとの併用によって高い効果が確認されています。

ロシュとは

ロシュの正式社名はエフ・ホフマン・ラ・ロシュであり、本社はスイスのバーゼルにあります。

ロシュの特徴は、製薬だけでなく診断関連の製品も提供しているという点です。

後述しますが、具体的には体外診断用医薬品(IVD)を提供しており、世界シェアナンバー1です。

同社は2019年の世界の製薬企業のランキングにおいて、第2位にランクされています。

ムーディーズおよびスタンダード&プアーズからは、各々Aa3およびAAというかなり高い評価を得ています。

業績はこの数年間で着実に上がっており、かつ配当金も上がっているため、ディフェンシプ銘柄の一つとしてポートフォリオの一部に組み込んでおく価値がありそうです。

ロシュの業績はコロナの影響を受けたが概ね良好

2020年7月23日にロシュの第2四半期の決算報告書が発表されました。

既に発表されている第1四半期の決算報告と合わせた、2020年の上半期(H1)の決算を見てみます。

コロナの影響を受けたようですが、一時的である可能性が高いでしょう。

前年同期比で売上高は4%減少しました(2020年H1: 292億スイスフラン(CHF)、2019年H1: 304億スイスフラン)。

また、営業利益は2%減少しました(2020年H1: 106億スイスフラン、2019年H1: 108億スイスフラン)。

コロナのパンデミックによって、病院における通常の診療や治療が制限されたことが主な要因のようです。

ただし、同社は米国などの海外で大きな売り上げを得ており、為替レート変動の補正(CER)を行った場合、売上高および営業利益は各々1%増および6%増となります。

以下に、部門別で解説していきます。

製薬部門

この部門では治療薬などの薬が開発されており、同社がフォーカスしている疾患領域は、炎症性大腸炎、がん、心臓血管の疾患、神経疾患、免疫疾患など多岐にわたっています。

前年同期比で売上高は4%減少しました(2020年H1: 232億スイスフラン、2019年H1: 127億スイスフラン)。

為替レート変動の補正(CER)を行った場合は1%増でした。

診断部門

この部門では、体外診断用医薬品(IVD : In-Vitro Diagnostics)とそれを利用した診断サービスの提供が行われています。

IVDサービスにおいては、血液や尿などを検査して健康状態が報告されます。

同社のIVDマーケットの占有率は世界ナンバー1です(2018年の段階では19%)。

前年同期比で売上高は3%減少しました(2020年H1: 61億スイスフラン、2019年H1: 63億スイスフラン)。

為替レート変動の補正(CER)を行った場合は3%増でした。

まとめ

スイスの大手グローバル製薬企業ロシュについて解説しました。

同社の売り上げの多くは製薬部門から得ていますが、診断部門も重要であり、IVD市場は今後も伸びていくことが期待されています。

IVD市場においては、IVDテクノロジーやデータ分析テクノロジーのさらなる発展も期待されており、これも市場の重要なドライバーとなり得ます。

現時点では、ロシュの業績はコロナの影響によりやや落ちてしまいましたが、その影響は軽微です。

パンデミックが収束すれば、ロシュの業績は伸びると同時に株価も伸びていくと考えられます。

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免責事項と開示事項 記事の作者、小田茂和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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