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【米国大統領選2020】司法のトップを巡り、波乱の展開。本当の勝負はここから

今月18日に、ルース・ギンズバーグ連邦最高裁判所判事が死去し、その後任として誰が指名されるかは、米国の未来にとって非常に大きな問題です。

今、この問題を巡り、上院を舞台に新たな争いが起こっています。

さて、話はさかのぼり2016年2月、オバマ政権の時にも、同じように連邦最高裁判所判事が亡くなりました。

その際、オバマ前大統領は、中間派の判事を後任に指名しましたが、「大統領選挙まで近いのに、選挙前に後任者を決めるべきではない」、「次期政権まで待つべきだ」と、共和党はオバマ政権に強い圧力をかけ、審議を拒否し、オバマ前大統領に後任の指名をさせませんでした。

この一連の流れが起きたのは2016年2月、同年11月の大統領選挙日まで、あと約9ヶ月間ありました。

ところが、今はもう大統領選挙年の9月後半、大統領選挙日まであと1ヶ月余りしか時間がないにも関わらず、共和党は「遅滞なく進める義務がある」と強く訴え、後任を決定するのを急いでるのです。

つまり共和党の言い分は、過去と現在で完全に矛盾しているのです。

この共和党の「ご都合主義」、「二枚舌」とも取れるやり方には、不満を覚える米国民も多く、論議を呼んでいるのです。

米最高裁は、長官を含む計9人の判事で構成されており、現在、5対4という形で、保守派多数となっています。

最高裁判事の任期は終身とされており、トランプ大統領は、これまでに保守派の判事を2人最高裁に送り込むことに成功しています。

ギンズバーグ氏の後任に、保守派の人物が就いた場合、6対3という形となり、保守派圧倒的有利の構図が出来上がるのです。

また、判事の任期期間は終身である為、今後大統領が変わろうと、これからの米国に長い間大きな影響を及ぼすことになるのです。

米連邦最高裁は、人口中絶や同姓結婚、また連邦政府、州政府、政権に関与した重要な法的判断を下します。

また、死刑執行の差し止めについての判断も、最終的に連邦最高裁が判断します。

トランプ大統領は、可能な限り速やかに保守派の判事を指名すると示しており、今月26日には、最高裁判事後任の候補者を発表すると示しています。

これに対し、民主党バイデン氏は、大統領選挙前に後任を指名することに強い反対を示していますが、その効果は今のところ見えません。

トランプ大統領は判事の任命を急いでいますが、共和党内の2人の上院議員が、後任指名は大統領選挙後に行うべきだという考えを示しています。

米共和党は上院の53議席を占めており、民主党の全員が反対した場合、もし共和党内から反対派が4人出れば、承認に必要な賛成票が確保できないため、承認は見送られます。

ただ、今の段階で明らかにされている共和党内の反対派は2人のみ(9月23日現在)で、トランプ大統領による後任の判事指名は、承認される可能性が高いでしょう。

最高裁が保守派有利になるということ

米連邦最高裁判所の判事が保守派優勢になるという事は、一体、どういうことなのでしょうか?

それは、将来民主党の大統領が誕生しても、議会によって新しい案が可決されても、そして米国の大多数が何を望んでも、全て最高裁判所によって取り消される可能性があるということです。

保守派が6対3となれば、保守派が過半数を容易に確保でき、極端に言うと、今ある米国民の自由が制限される可能性が大いにあるということです。

共和党を支持する人たちは、白人で保守派、敬虔なキリスト教徒である傾向があります。

共和党、そして保守派的な考えの代表と言えば、やはり人口中絶に対して断固反対という事でしょう。

以前、大統領に誰を選ぶかという世論調査で、「トランプ大統領は好きではないが、彼は人口中絶に反対しているから、トランプ大統領を選ぶ」という有権者もいました。

彼女は敬虔なキリスト教信者であり、彼女と同じような考えを持つ人が、他にも大勢いることがわかりました。

宗教による信仰心は、想像以上に強いものです。

人口中絶はキリスト教では「神への冒涜」となり、言い訳も通用せず、例外も認められず、ただただ「神への冒涜」だと、敬虔な信者は信じているものです。

もし、保守派優勢の最高裁となれば、人口中絶をする女性の権利が奪われたり、制限されたりする可能性は現実味を帯びてきます。

また、保守派が最高裁を支配すれば、銃法を規制する将来への試みも後退させる可能性もあります。

さらに言えば、気候変動に影響を及ぼしている汚染企業への規制緩和など、つまりは、トランプ大統領が今主張しているほぼ全てのことに関して、米最高裁判所が味方する可能性が出てくるという事です。

では、民主党は八方塞がりの状態なのでしょうか?

民主党が今できることは、全力をかけて後任の判事任命を阻止することのみです。

様々な面から問題を見つけ、指摘し、大統領選挙日まで後任人事を長引かせるのです。

そして、バイデン氏が大統領選で勝利し、大統領任命後、最高裁判事の後任人事を発表する。これしか、もう道はないのです。

第1回目の討論会は今月29日。バイデン氏も本気を出してくるはずです。

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