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【米国株決算】ダウ平均に新たに採用されたアムジェン社の最新決算情報と今後の株価の推移

みなさんご存じの通り、8/24にNYダウ指数の銘柄の入れ替えが発表されました。

2年ぶりの入れ替えであり、石油メジャーのエクソン・モービル社、製薬大手のファイザー社、防衛大手のレイセオン・テクノロジーズ社がダウ平均構成銘柄から外れます。

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代わりに算出銘柄として採用されるのが、セールスフォース・ドットコム社、産業機械大手のハネウェル・インターナショナル社、そして本記事で紹介していく製薬大手のアムジェン社になります。

今までこれらの銘柄にあまり注目していなかった投資家もいたと思われますが、NYダウ指数の銘柄に組み込まれることによって、今まで以上に注目を浴びることになると言えます。

本記事では、アムジェン社の企業概要や株価の推移、同社が発表した最新決算の情報についてまとめたうえで、今後の株価の推移について見ていきます。

アムジェン社の企業概要

アムジェン社(NASDAQ:AMGN)は、アメリカに本社を置くバイオ医薬品メーカーで、高度な細胞生物額と分子生物学に基づく治療薬の開発や製造、販売を行っている企業です。

製薬会社売上ランキングでは12位に位置しており、同規模の製薬会社としてはアストラゼネカ社が挙げられます。

バイオ医薬品の大手企業としてはアッヴィ社を思い浮かべる方も多いと思われますが、アムジェン社もアッヴィ社に次ぐ売上高を記録しています。

アムジェン社はほかの製薬会社があまり着手できないような難病や希少疾患を扱っており、その主な領域としては骨系の病気や血液系の病気などが挙げられます。

同社の主要製品としては、関節リウマチに対するEnbrel、好中球減少症に対するNeulasta、骨粗しょう症に対するProliaなどが挙げられます。

特に骨粗しょう症は閉経後の女性が発症することが多く、骨粗しょう症に対する治療薬は世界中で需要がある製品であると言えるでしょう。

またアムジェン社はS&P500の構成銘柄のひとつであり、執筆時時点での時価総額は1,454億ドルとなっています。

アムジェン社の株価の推移

続いてアムジェン社の今までの株価の推移について見ていきます。

同社の株価は、2000年から2012年頃までは50-80ドル前後のレンジで横ばいの推移をしていました。

しかしながら2012年頃から同社株価は上昇を続けており、2020年の初頭には240ドル前後の高値を付けていました。

その後コロナショックなどの影響もあり、同社株価は大きく下落し、一時180ドル前後まで下落したものの、順調に回復し、2020年初頭の株価水準まで回復しています。

また8/24のNYダウ指数の構成銘柄入れ替えの発表があった際にも同社株価は大きく上昇し、NYダウの構成銘柄に採用されたことにより、同社の今後に対する市場の期待が高まったことが分かります。

アムジェン社の配当実績

アムジェン社は株式配当も実施しておりますので、同社の配当実績について見ていきます。

同社の配当実績は以下の通りです。日付は権利落ち日を記しています。

  • 2020/08/14…配当:1.6ドル(配当利回り:2.63%)
  • 2020/05/15…配当:1.6ドル(配当利回り:2.49%)
  • 2020/02/13…配当:1.6ドル(配当利回り:3.13%)
  • 2019/11/14…配当:1.45ドル(配当利回り:2.48%)
  • 2019/08/14…配当:1.45ドル(配当利回り:2.86%)

直近の配当利回りは2-3%であり、四半期当たりの配当金は1.6ドルとなっています。

また連続増配年数は8年となっています。

同社の配当利回りは決して高配当であるとは言えませんが、十分な配当利回りであると言えるでしょう。

株価の上昇だけでなく、株式配当による配当収益にも期待できるのは非常に魅力的です。

また配当性向も40%程度であり、増配余力は多く残されていると言え、今後の安定的な増配にも期待ができると言えます。

アムジェン社の最新決算情報について

概要

アムジェン社が発表した最新決算である2020年第2四半期決算について見ていきます。

同決算の概要は以下の通りです。

【GAAPベース業績】

  • 売上高…62.06億ドル(前年同期比6%増)
  • 営業利益…23.23億ドル(前年同期比13%減)
  • 純利益…18.03億ドル(前年同 期比17%減)
  • EPS…3.05ドル(前年同期比15%減)

【Non-GAAPベース業績】

  • 売上高…62.06億ドル(前年同期比6%増)
  • 営業利益…32.47億ドル(前年同期比9%増)
  • 純利益…25.18億ドル(前年同期比4%増)
  • EPS…4.25ドル(前年同期比7%増)

GAAPベースの業績では、売上高が前年同期から6%増加した62.06億ドル、純利益は17%減少した18.03億ドルとなっており、増収減益となっています。

一方non-GAAPベースの業績では、純利益は前年同期から4%増加した25.18億ドルとなっています。

アナリストらによる同社業績の事前予想では売上高が61.9億ドル、non-GAAPベースのEPSが3.82ドルとなっていましたので、同社の実際の業績はアナリストらによる事前予想を上回っていたことが分かります。

同社が決算短信で述べている、同社に対する新型コロナウイルス感染症の影響は以下の通りです。

パンデミックの影響により、多くの医師と患者の交流が妨げられ、診断と治療の遅延が発生し、当社のポートフォリオに影響が出ました。

影響を受けた製品の売上高は第2四半期のはじめに最も減少し、第2四半期の後半には回復し始めました。

第2四半期が進むにつれ、当社のチームは遠隔地でも対話を通じて顧客のニーズに対応することができるようになり、患者をサポートするためのソリューションを特定することができました。

結果として、当四半期を通じて当社の医薬品は患者のもとに確実に供給されるようになりました。

パンデミックの影響はあったものの、遠隔で患者のヒアリングなどを実施したことにより状況にうまく対応することができ、コロナ禍の環境でもうまく売り上げをあげることができるようになったと述べています。

業績の推移

続いて同社の今までの業績の推移についても簡単に見ていきます。

ここ8四半期の売上高及びnon-GAAPベースのEPSの推移です。

  • 2020年第2四半期…売上高:62.1億ドル(EPS:4.25ドル)
  • 2020年第1四半期…売上高:61.6億ドル(EPS:4.17ドル)
  • 2019年第4四半期…売上高:6.20億ドル(EPS:3.64ドル)
  • 2019年第3四半期…売上高:57.4億ドル(EPS:3.66ドル)
  • 2019年第2四半期…売上高:58.7億ドル(EPS:3.97ドル)
  • 2019年第1四半期…売上高:55.6億ドル(EPS:3.56ドル)
  • 2018年第4四半期…売上高:62.3億ドル(EPS:3.42ドル)
  • 2018年第3四半期…売上高:59.0億ドル(EPS:3.69ドル)

四半期ごとに若干のブレはありますが、売上高は緩やかに成長し、EPSは着実に成長をしていると言えるでしょう。

2020年第2四半期決算の詳細

続いて最新決算である2020年第2四半期決算をより詳細に見ていきます。

詳細に見ていく前に、同社の主要製品について簡単に見ていきます。

  • Enbrel…関節リウマチ
  • Neulasta…好中球減少症
  • Prolia…骨粗しょう症
  • XGEVA…骨巨細胞腫
  • Aranesp…非骨髄性悪性腫瘍患者の化学療法による貧血
  • KYPROLIS…多発性骨髄腫
  • EPOGEN…赤血球増殖薬

これらの製品の売上高の一覧は以下の通りです。

  • Enbrel…12.46億ドル(前年同期比9%減)
  • Neulasta…5.93億ドル(前年同期比28%減)
  • Prolia…6.59億ドル(前年同期比6%減)
  • XGEVA…4.35億ドル(前年同期比13%減)
  • Aranesp…3.87億ドル(前年同期比11%減)
  • KYPROLIS…2.53億ドル(前年同期比5%減)
  • EPOGEN…1.61億ドル(前年同期比28%減)
  • 総製品売上…59.08億ドル(前年同期比6%増)

主要製品の売上高は概ね減少していますが、総製品売上高は前年同期から6%増加しています。

これは同社が新たに販売を開始した関節炎治療薬であるOtezlaなどの医薬品が、前四半期の売上に計上されていなかった影響を受けています。

主要製品の売上高の減少は主に新型コロナウイルス感染症の影響により、新規患者数の減少などの影響を受けていたことが要因として挙げられます。

続いて同社のキャッシュフローについて見ていきます。

  • 営業キャッシュフロー…28億ドル(前年同期比100%増)
  • 投資キャッシュフロー…2億ドル(前年同期比100%増)
  • フリーキャッシュフロー…27億ドル(前年同期比108%増)

同社のフリーキャッシュフローは28億ドルであり、前年同期から2倍以上増加しています。

非常に優秀なフリーキャッシュフローですので、増配や自社株買い、設備投資などを柔軟に行うことができ、さらなる成長への投資を行うことができるのではないでしょうか。

アムジェン社の2020年通年業績ガイダンスについて

最後にアムジェン社の2020年通年業績ガイダンスについて見ていきます。

売上高は250億ドルから256億ドルを想定しており、前回のガイダンスから変更はありません。

またGAAPベースのEPSは10.73ドルから11.43ドルを想定しており、前回のガイダンスでは10.65ドルから11.45ドルになると想定していました。

最低EPSのラインが上昇し、最高EPSのラインをやや下方修正した形になります。

またnon-GAAPベースのEPSでは、15.10ドルから15.75ドルを想定しており、前回のガイダンスでは14.85ドルから15.60ドルを想定していました。

今回のガイダンスで上方修正された形になりました。

また四半期ごとの配当金は1.60ドルで継続していく姿勢を示しています。

アムジェン社の今後の株価の推移について

アムジェン社の今後の株価の推移について見ていきます。

アムジェン社の業績は今のところ堅調な推移をしており、また多くのフリーキャッシュフローを生み出しています。

またOtezlaなど医薬品を買収するなどして、その売上高の拡大を図っています。

優秀なキャッシュフローで新たな医薬品を開発、もしくは買収することにより今後もさらなる成長をしていくことが期待できると言えるでしょう。

またアッヴィ社やギリアド・サイエンシズ社などの同業他社の株価が軟調な推移をしている一方、アムジェン社は横ばいでの推移をしており、同社に対する市場の期待は高いと推測することができます。

同社は今後も堅調な業績が期待できるほか、市場が同社に対して持つ期待も比較的高いと推測することができるため、同社の株価は今後も上昇していくものと言えるでしょう。

ただ新型コロナウイルス感染症による影響がどれほど続くか分かりませんので、株価の上昇とは言っても長期的な目線で考えていく必要があると言えます。

参考元:Amgen Reports Second Quarter 2020 Financial Results

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