The Motley Fool

【米国株動向】スラック・テクノロジーズ、株価下落で買いチャンスか?

モトリーフール米国本社、2020914日投稿記事より

新型コロナウイルスにより企業が在宅ワークを採用するなかで、ビジネス用のチャットツールを提供するスラック・テクノロジーズ(NYSE:WORK)の第2四半期決算(9月8日発表)に期待が高まっていました。

売上高は公表予想を上回りましたが、株価は反落しました。

決算に落胆したアナリストが目標株価を引き下げたためです。この下落が買い場となるのかを検証します。

強気派の主張

スラックの第2四半期売上高は、四半期として過去最高となる2億1,600万ドル、前年同期比49%増でした。

新たに8,000件の有料顧客を獲得し、前年同期を30%上回るとともに、第1四半期の28%から伸び率が上昇しました。

料金が年間10万ドル超の大口顧客は、利用する従業員数の減少で50件減少したものの、265件の純増となり985件、前年同期比37%増でした。

その大口顧客からの収入は売上高の49%を占め、前年同期の43%から上昇しました。

料金が年間100万ドル超の最大口顧客は前年同期比78%増えて、87件となりました。

スラックのプラットフォームに1日当たり10時間以上接続し、100分以上利用するアクティブユーザー数は、高水準が続いています。

「Slackコネクト」を利用し、他社と共有のチャンネルを作成できる組織は5万2,000件に上り、ユーザー数は38万人になりました。

ともに3桁台の増加を示し、組織間のツールは、販売促進のために社内資源を注ぎ込むことなく、潜在顧客を集める機能を果たしています。

弱気派の主張

スラックの成長鈍化は、いくつかの点に表れています。売上げの伸び率は年々縮小しており、顧客が短期の契約に移行する傾向にあることから、請求額の伸び率は半分になりました。

また同社は2020年上期に、新型ウィルスに関連して1,100万ドルの請求減額を受け入れました。

ネット売上継続率(前年同月の売上高に対する当月売上高の割合)と同じように、大口顧客の伸びは縮小しています。

一方、競合商品であるマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)の「チームズ」は衰えることなく伸び続け、顧客数1,800件と1万人を超えるユーザーを誇ります。

チームズの開始はスラックよりも3年遅れましたが、マイクロソフトはサービス向上に巨額の資金を投じ、スラックに対抗しようとしています。

弱気派は、スラックがニッチ市場に追いやられ、成長ポテンシャルが限定されかねないと考えています。

新型コロナウイルスが与える影響

驚いたことに、スラックにとって新型コロナウイルスは、追い風にも逆風にもなっています。

新規顧客の獲得は、一番の追い風です。

過去2四半期にスラックの顧客数は新たに2万件増加し、増加数は前年同期のほぼ2倍です。

また、感染拡大前よりも長い90日間のトライアルから契約に至る人の割合(コンバージョンレート)も上昇しました。

経営陣はこれを、今後同社に利益をもたらす持続的な伸び率とみています。

アレン・シム最高財務責任者(CFO)は直近の決算コンファレンスコールで、「拡大に向けた事業基盤ができたばかりの当社には、追い風が続く見通し」と説明しました。

感染拡大の逆風は、様々な形をとります。

まず、前述した大口契約の利用者減と現在の顧客の経費節減が、売上げの足を引っ張ります。

次に、感染拡大で同社の見込み客に深刻な混乱が生じました。

スチュワート・バターフィールド最高経営責任者(CEO)は、「企業の情報責任者は、“危機モード”で社員のリモートワーク環境のサポートをしていた」と述べています。

新しいコラボレーションツールの導入よりも、事業継続のために安全なリモート接続やビデオ会議サービスの設定が優先されましたが、その状況は時間とともに変わっていくでしょう。

形はどうあれリモートワークが当たり前になるにつれ、スラックのプラットフォームは、世界的にも企業のデジタル化の中で重要な役割を担う好位置にあります。

スラックに注目するべきか

筆者は6月に本誌で、多少のリスクを取れるなら、同業大手にも引けをとらないサービスとしっかりした経営陣を擁するスタートアップ企業に、注目してよいと述べました。

この見方は変わっていませんが、同社のPSR(株価売上高倍率)は当時の26倍から19倍(執筆時点)に低下しています。

ポートフォリオのコアとして保有するにはややリスクが高いので、ポジションは少な目に保有することをおすすめします。

【米国株動向】今後の株価上昇に注目の米国ハイグロース株3銘柄

フリーレポート配信

このレポートでは、eコマース、ヘルスケアテックやギグエコノミー等の長期的なメガトレンドにのれそうな米国株5銘柄を紹介します。

長期的なメガトレンドにのる米国株5銘柄紹介」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Brian Withersは、スラック・テクノロジーズ株、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株、スラック・テクノロジーズ株、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、マイクロソフト株のオプションを推奨しています(2021年1月の85ドルのロング・コール、2021年1月の115ドルのロング・コール)。

最新記事