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【米国株動向】ナイキとスティッチ・フィックスの比較

モトリーフール米国本社、2020910日投稿記事より

今年は新型コロナウイルスによって多くの小売り企業の株価が急落しました。

しかし、スポーツ用品メーカーのナイキ(NYSE:NKE)とオンラインアパレル企業スティッチ・フィックス(NASDAQ:SFIX)は、3月に株価が一時的に下落したものの、嵐をうまく切り抜けました。

年初来では、S&P500指数が約5%上昇したのに対し、両社共に年初来で10%超上昇しています(執筆時点)。

ナイキとスティッチ・フィックスは大きく異なるタイプの小売り企業です。

前者は世界トップのスポーツ用シューズメーカーで、後者はパーソナライズされたオンラインアパレル販売の先駆者です。

投資家はナイキの昔からの強みにこだわるべきでしょうか、それともスティッチ・フィックスの既存の慣行を打ち壊すディスラプティブなビジネスモデルに注目すべきでしょうか。

両社の事業内容

ナイキの昨年の売上の95%は同名のブランドによるものです。

残りは主に、同社が2003年に買収したコンバースの売上です。

ナイキの中核市場である北米は、昨年のナイキブランドの売上の41%を占めました。

同社は依然として社外の小売店に大きく依存しているものの、オンライン販売と新たな実店舗を通じて徐々に消費者直販(D2C)事業を拡大中です。

スティッチ・フィックスはオンラインアパレル小売り企業で、250以上の「定評あるブランドと新進気鋭のブランド」から商品を選択しています。

同社は、顧客に一連の質問に答えてもらった後、1回限りのスタイリング料金を請求し、厳選しコーディネートした商品5点を送付します。

顧客は欲しいと思った商品の代金を支払い、残りは送料無料で返送します。

同社は主に米国で事業を運営していますが、昨年英国でのサービスも開始しました。

成長ペースの比較

ナイキの2020年度(5月31日末日)の売上は4%減少しました。

その理由は、新型コロナウイルス危機によって下半期にサプライチェーンと小売りチャネルの混乱が発生したためです。

オンライン売上は危機の間に増加したものの、実店舗での売上の減少を相殺するには至りませんでした。

オンライン売上の増加は、配送コストの増加を通じて利益率を押し下げ、通期1株当たり利益(EPS)は36%減少しました。

ナイキは2021年度のガイダンスを発表していません。

しかし、マシュー・フレンド最高財務責任者(CFO)は、直近四半期の決算説明会において、ナイキは5月に店舗を再開し始めていると述べ、「小売り店が再開し、各市場で需給が正常化する」ことによる世界中での緩やかな安定化を予想していると語りました。

一方で、フレンド氏は依然として、2021年度上半期の売上が前年同期比で減少すると予想しています。

アナリストは、ナイキの通期の売上と利益がそれぞれ5%と46%増加するとみており、これは下半期に成長率が正常に戻ることを示唆します。

今年の株価が安定的に上昇しており、予想株価収益率(PER)が50倍を超えていることから(執筆時点)、投資家はナイキの当面の逆風をあまり懸念していないとみられます。

スティッチ・フィックスの2019年度(2019年8月期)の売上は29%増、EPSは6%増でした。2020年度第1~第3四半期の売上は前年同期比11%増でした。

パンデミックが原因で倉庫に混乱が発生した結果、第3四半期に売上の伸びが大幅に減速し、赤字を計上する結果となりました。

明るい点としては、アパレル業界全体の第3四半期の売上が前年同期比で80%減少したのに対して、同社の売上は同9%しか減少していません。

パンデミックによる配送サービスの混乱がなければ、同社の売上は増えていたはずです。

同四半期にアクティブ顧客数は同9%、アクティブ顧客1人当たり売上は同6%増加しました。

スティッチ・フィックスは通期ガイダンスを発表していません。

しかし、直近のカンファレンスコールにおいて、マイク・スミス最高執行責任者(COO)は、同社のモメンタムは改善しており、第4四半期には売上の伸びがプラスとなる公算が大きいと述べています。

アナリストは、同社の今年の売上は7%、来年の売上は16%増加する一方、両年共に損益は赤字にとどまると予想しています。

そのため、スティッチ・フィックスはナイキに比べて評価が困難です。

しかし、来年の予想売上に対する株価売上高倍率はわずか1.5倍で(執筆時点)、かなり割安に見えます。

スティッチ・フィックスに注目

ナイキとスティッチ・フィックスはいずれも小売り業界の生存者です。

しかし、ナイキについては、上半期の見通しが暗いことやPERが異常に高いことが、筆者が株式を購入する妨げとなっています。

予想配当利回りは0.9%と低く(執筆時点)、市場が急落した場合はあまり支えにならないでしょう。

スティッチ・フィックスはナイキよりも投機的な投資先ですが、先行者利益を享受しており、従来のアパレル小売り店から買い物客を奪っているようです。

株価も売上の伸びに比べると割安に見え、赤字も来年には縮小する見込みです。

完璧な銘柄ではありませんが、現在の不安定な市場においては、多くの小売り企業よりも良い投資先であると言えるのではないでしょうか。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Leo Sunは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ナイキ株、スティッチ・フィックス株を保有し、推奨しています。

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