The Motley Fool

米国のロビンフッド現象に警戒?市場で慢心は禁物

米国の若者の間で株投資がブームになっているのをご存知でしょうか。

昨今までの米国市場の株価上昇の理由は、FRBの金融緩和、ゼロ金利が根底にあります。

しかし、それだけはなく、個人投資家の株式市場への新規参入も株価を押しあげていると言われています。

特に若い世代の株投資参入を支えたと言われるのが投資アプリの「ロビンフッド」です。

【米国株動向】市場が最高値水準でもまだ注目できる、ロビンフッドの人気3銘柄

ロビンフッドの特徴は誰でも簡単にスマホからワンクリックするだけで、しかも取引手数料無料で株取引ができることです。

そして、今はコロナウイルスの影響で野外のレジャーも楽しみづらい状況です。

だからこそ若者がアプリで簡単に株投資を楽しめるロビンフッドに集まりました。

若い個人投資家が増えること自体は決して悪いことではありません。

近年のロビンフッド経由の市場参加者の影響で株式市場にどのような影響があるのかを日本人投資家は知っておくべきです。

米国のロビンフッド現象とは?

株投資アプリのロビンフッドを使うミレニアル世代が増えている現象、株高を支えている現象を「ロビンフッド現象」と呼ぶことがあります。

ロビンフッドが流行した理由は「手数料無料」、「スマホで手軽に取引」、「コロナで外出しづらい状況」、「SNSなどで投資コミュニティが活発になった」などが挙げられています。

ロビンフッド現象で象徴的な出来事は、経営破綻した米国レンタカー企業のHertzがファンダメンタルズを無視した個人投資家たちの買いによって一時的に暴騰したことです。

Hertzはコロナウイルスの影響でレンタカーの需要が激減し、さらに資産である車の価値も下がったことで経営的に窮地に立たされました。

機関投資家やファンドなどの大きな資金は資金運用のルールが定められており、このような銘柄に投資はしません。

しかしロビンフッドの個人投資家は「下がりすぎて逆に反発するのでは?」、「よく知ってる銘柄が安くなっているから買ってみよう」というカジュアルな判断で資金を投じることができます。

ロビンフッド経由の個人投資家ひとりひとりの資金は小さくても、沢山集まると大きな資金になります。

そして集まった買いがさらに買いを呼び、一時的にHertzの急騰につながりました。

さらに経営破綻寸前だったHertzが新株発行を発表し資金調達をするという異例の事態にまで発展。

現在のHertz株は急騰から落ち着き値を下げてしまいました。

しかし株式市場は何が起こるか分からないと多くの投資家が考えさせられる事例となりました。

個人投資家の多くは時として理屈に合わない行動をとります。

かつて日本でもFXブームで個人投資家「ミセスワタナベ」がドル円相場で強いドル買い圧力となり、海外投資家を驚かせたことがあります。

ミセスワタナベのドル買いは、スワップ金利をあてにした買いでファンダメンタルズ無視なのではと揶揄されていました。

中国株でも個人投資家が多い上海市場の方が、機関投資家の存在感が大きい香港市場よりも値動きが荒い、ファンダメンタルズを無視した値動きをすると言われることが多いと言われていました。

世界中でロビンフッド現象のように、個人投資家がファンダメンタルズを無視した売り買いをする事例は沢山ありました。

若い個人投資家の慢心が指摘されている

2017年末、暗号通貨のビットコインをもっているだけでお金が増えるという若者のコメントがニュースで取りあげられていました。

現在、米国でも若者が米国株をもっているだけでお金が増えていくという喜びのコメントがメディアで報じられています。

2017年末のビットコイン相場は、その後大きく値を下げてしまい、今では暗号通貨ブームは過ぎ去ってしまいました。

2020年の米国株の個人投資家ブームも、暗号通貨ブームの頃と同じような慢心が投資家の間にあるのではないかという見方もできるのではないでしょうか。

個人投資家の資金は足が速い

個人投資家の資金は一般的に足が速いと言われています。

例えば、ロビンフッド現象ではデイトレードが再びブームになったと言われています。

また個人は柔軟に資金を動かせるため乗り降りが早く、市場全体のボラティリティを大きくする原因になります。

現在の米国株の中でも特に個人に人気のある銘柄は、値動きが激しくなりがちです。

騰がるときは大きく騰がり、下がるときは大きく下げるのです。

長期投資をするうえでは足の速い資金が増えすぎるとノイズ、つまり判断を迷わせる値動きにつながります。

米国市場の株高がロビンフッド経由の個人投資家の盛り上がりによって支えられている場合、上げた分もすぐに下げやすい可能性があるため、心づもりはしておいてもいいかもしれません。

市場がますます気分に支配される

ロビンフッドの登場で、市場はより気分に左右されやすくなったと言えるかもしれません。

特にロビンフッド経由で人気のある銘柄に関しては、市場のセンチメントの影響を強く受ける可能性があります。

市場のセンチメントを調べる方法に、ブルベア指数やVIX、Fear&Greed Indexなどを参考にする方法があります。

相場の強気に警戒。市場関係者の心理を調べる方法

個人投資家の参入が盛りあがりを見せている時期は、市場のセンチメントにも一定の注意を払うことで、客観的に市場とつき合えるのではないでしょうか。

自分なりの尺度で投資をすることが大切

ロビンフッドで個人の参入が増えると、特に注目銘柄は荒っぽい値動きをすることもあります。

投資判断を見誤らないコツは、自分なりの投資ルールを確立することです。

積立投資家なら積立を続ける、グロース投資なら損切りをしっかりする、長期投資なら企業の価格ではなく価値をしっかりと見据えて長く持ち続ける、それぞれの投資アプローチの違いはありますが、自分の決めたルールに従って主体性をもった投資計画を貫くことが重要なのではないでしょうか。

ロビンフッドの功罪

ロビンフッドはミレニアル世代にシンプルでハードルが低い投資機会を用意しました。

一方でロビンフッドアプリのユーザーインターフェースは株投資を簡単に、ゲームのように変えてしまった面もあります。

多くの個人投資家の市場参入が、米国市場をどのように左右するかこれからも注目するべきテーマです。

ちなみにロビンフッドの米国株取引手数料「0円」は米国のネット証券業界にも大きな影響を与えました。

日本在住の日本人投資家でも口座開設できる米国のFirstrade証券でも、手数料0ドルで取引できるようになりました。

確定申告や英語でのやりとり、税金のことを考えると、海外口座から取引するのは大変ですが、海外在住の日本人投資家や駐在員の方には便利なネット証券です。

日本では「STREAM」が手数料0円の株取引アプリとして話題になっており、ロビンフッドに近いサービスと言えるかもしれません。

しかしロビンフッドにせよネット証券にせよ、投資をするためのツールにすぎません。

投資家としての心構えや姿勢さえ間違えなければ、これらの新しい株投資プラットホームは味方になってくれる存在に違いありません。

フリーレポート配信

このレポートでは、eコマース、ヘルスケアテックやギグエコノミー等の長期的なメガトレンドにのれそうな米国株5銘柄を紹介します。

長期的なメガトレンドにのる米国株5銘柄紹介」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事