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相場の雰囲気はどう掴む?具体例で解説(後編)

相場の雰囲気はどう掴む?具体例で解説(前編)

C:一時的な横ばい

Bの局面でしばらく上昇を続けた後、11日13時、下図のように77.200円前後で横這いとなりました。

ここまで買方優勢・売方劣勢で大した押しもなく上昇したものの、売方も勢い徐々に取り戻して彼我の勢力が一時的な拮抗状態になったことを示します。

横這いが長引いた場合、買方・売方いずれか息切れしたほうが押される展開になることが多く、天井への警戒も必要となります。

結果的には、このレンジは短期間で終わりました。

印象としては、売方の一時的な抵抗に過ぎず、買方が余勢を駆ってレンジを短時間で終了させたという感じを受けます。

短時間のレンジであることから、買方の消耗は軽微である、売方は短時間しか支え得なかったと考えるならば、このレンジを上へ抜けた後、上昇の勢いが高まることが予想できます。

D:激戦区を見出す

その後、予想通り上昇の勢いは高まり、77.200円から77.400円まで、目立った抵抗もなく上げてDの局面に至ります。

ここで注目すべきは、①の陽線です。

①のローソクは、始値が77.380円、終値が77.447円、高値が77.527円であり、最大で0.147円の上昇の後、0.080円の下落となりました。

実体と同程度の、長い上ひげをつけています。

上ひげが長いということは、一旦は大きく上がったものの、その後大きく押されて値を戻したということです。

特に、ここでは10分足で見ていますから、10分という短い時間の中で、売方・買方が激しく争ったことがわかります。

このような場合、近いうちに売り買い乱れる激しい動きとなり、状況次第では天井をつける可能性があり、注意を要します。

売方の姿勢

このローソクでは、買方は一気に77.500円の突破を目指し、事実そこまで上昇したものの、すぐに押し返されました。

出鼻を挫かれたという印象を受けます。

この上ひげの部分、すなわち77.500円を売方が死守しようとしており、ここで売方の抵抗が極端に高まっている様子がうかがえます。

もし、売方が激しく抵抗しないならば、すでに勢いを得ている買方が易々と攻め込み、軽く上昇して然るべきです。

売方がここを死守する理由は複数あるでしょうが、「10日夜の天井であった77.700円にかなり近くなっているから」という理由が大きいように思います。

この後に、直近の天井である77.700円を超えた場合には、長期的な上昇に至る可能性があります。

しかし、77.700円の突破以前に下落転換する可能性や、結果的に突破してもそれ以前にある程度の押しに至る可能性も高いです。

このため、77.500円という分かりやすい価格で売り向かうことで利益が期待でき、なおかつ77.700円超えを損切りの基準に据えるならば、損切りに至った場合でも損失はわずかに0.2円程度で済みます。

おそらく、このような理由から、有利と判断した売方が勢いを得て、軽快に進んできた買方と激しくぶつかったものと考えられます。

激戦区は要注意

それなりに上昇した後、激しい抵抗を受けた場合には十分注意が必要です。

このような場合、

  • 売方は上記のような理由で自信を持って売っており、なかなか上げられない可能性がある。77.500円を突破できずに天井をつける可能性がある。
  • ここを好機と考え、新規に参入する売方には自信があるのに対し、ここまで上昇してきた買方の中には、遅れて参入してきた買方も多い。

出遅れた買方は、出遅れている時点で相場が下手である可能性が高く、これまでの値動きによって「ここまで上げてきた(だから、まだまだ上がる)」という自信よりも、「ここまで上げてきた(もう天井かもしれない)」という不安定な心理状態に陥りやすく、投げてしまうことが多いです。

  • 早期参入の買方も、これまで生じた含み益が目減りすることへの恐れから利確へ動きやすい。これに対し、新規参入の売方は、今後生ずるであろう含み益への期待から粘り腰で臨む。

などの理由から、売方に比べて買方が消耗しやすく、基本的に売方に有利な状況と考えられるためです。

相場の雰囲気をこのように把握すれば、

  • 77.500円を突破できず、下落転換が始まる可能性が考えられる。また、77.500円突破後、その後77.700円で再び激しく争われる可能性が高い。77.500円突破後の0.2円の期待利益を放棄してここで利確し、売りのチャンスをうかがう。

という方針が考えられます。

あるいは、

  • ひとまず売りツナギをいれておき、77.500円突破後の期待を残しつつ、下落転換に至った場合の利確と、ドテン売り向かいに備える

といった方針も考えられます。

ただし、短時間の変化で利益をとっていく短期投資では、ツナギの活用がかなり難しいように思います。

私自身、短期投資ではツナギを活用する自信があまりなく、毎回区切りをつけています。

なお、①の陽線だけでは判断しにくいため、すぐに判断・実行するのではなく、引き続き相場の雰囲気を把握しながら方針を固めていきます。

抵抗の強まり

①の後、短時間のレンジを経て、②の陽線で77.500円を超えました。

②の陽線は、売方に激しく押されることもなく、終値で77.500円を突破しているため、買方の勢いはまだ継続している印象を受けます。

しかし、各陰線・陽線の実体のサイズを見てみると、ここまでの上昇相場における陰線に比べて大きな陰線が出現しており、売方の抵抗もやはり強いことが分かります。

さらに、陽線と陰線の比率を見ると、陽線の方が多い流れが変わりつつあります。

D図内で、警戒を要する①の陽線以降の比率を見てみると、陽線9本に対して陰線8本になっています。

相場の流れは明らかに変わっており、買方優勢の雰囲気が感じられなくなってきました。

ここからは、さらなる上昇を目指すというよりも、下落転換への警戒を強め、できるだけ有利な価格で利確することを考えます。

E:下落転換・利確

Dの直後、①の陽線で77.577円の終値をつけました。

結果的には、ここが天井となるのですが、この判断は、

  • ②~⑤までの陰線で、⓪~①の上昇を打ち消す下落が起こった
  • ②~⑥で陰線新値5本をつけた

という2つの動きによって判断できます。

もし、これらの下落だけでは踏ん切りがつかなかった場合にも、⑦の大陰線で必ず手仕舞うべきでしょう。

これまでの上昇相場で、大陰線は1本も現れていません。

それは当然のことで、買方優勢であり、売方が大きく押すことは困難であるからこそ、大陰線は出現しなかったのです。

つまり、大陰線が出現したということは、買方がそれを許す状況、すなわち売方優勢の状況になっており、これをもって天井をつけた、ここからは下落するだろうという判断ができるわけです。

まとめ

Eの後、下落傾向は続き、12日深夜には77.100円を割り込む結果となりました。

Aから始まった上昇相場で得られた利益は、

  • Bの⑤の終値77.145円で仕掛け、Eの⑥の終値77.476円で決済した場合には0.331円
  • Bの⑥からの陰線3本目の終値77.115円で仕掛け、Eの⑥の終値77.476円で決済した場合には0.361円
  • Bの⑧の終値77.175円で仕掛け、Eの⑥の終値77.476円で決済した場合には0.301円

となり、当初設定した損切りに至った場合の実現損失に比べ、2~3倍程度の利益となります。

このような取引ができれば、成功と失敗を繰り返しながらでも、長期的に利益が損失を上回ること、技術の向上によってパフォーマンスが大きく向上することが期待できます。

本稿の例のように分かりやすい相場は、それほど多いものではありません。

逆に言えば、このような分かりやすい雰囲気に限って相場を張るならば、仕掛けのタイミングも掴みやすく、損切りの基準も定めやすく、積極的に利益を伸ばすことができ、パフォーマンスは大きく向上するでしょう。

また、ここでは短期投資を例としていますが、中長期投資の場合にも、相場の雰囲気の掴み方は多くの部分で共通しており、それほど大きく変わるものではありません。参考にしていただければと思います。

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