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【米国株動向】現在のハイテク・バブルが弾けると考えられる6つの理由

モトリーフール米国本社、2020910日投稿記事より

市場で最もホットな株式の一部は、新型コロナウイルスのパンデミックによって潜在的な成長が前倒しされているハイテク株です。

ビデオ会議プラットフォーム運営のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(NASDAQ:ZM)はよく知られた銘柄となり、ショッピファイ(NYSE:SHOP)は一躍脚光を浴びています。

電気自動車メーカーのテスラ(NASDAQ:TSLA)、電子決済のスクエア(NYSE:SQ)、オンライン家具販売のウェイフェア(NYSE:W)などの銘柄はいずれも年初来で2倍以上に上昇しています。

こうしたハイテク株の好調さの一因には、パンデミックによって社会における主要ハイテクの採用が加速されると投資家が考えていることもあります。

ハイテク企業が近い将来も成長すると想定する前に、2021年に人々の生活がより正常な状態に戻った場合の下方リスクは検討に値します。

あなたは来年になっても友人とズームで語り合い、料理宅配サービスのドアダッシに出前を依頼し、ペロトン(NASDAQ:PTON)のエアロバイクで自宅でのワークアウトに励んでいるでしょうか。

以下、ハイテク・バブルが破裂しようとしていると筆者が考える理由を説明します。

1. パンデミックが前倒しした売上高は持続可能ではない可能性がある

パンデミックは、オンラインショッピングやリモートワークを増加させるなど、一部のハイテクの採用を加速したと考えられます。

しかし、そうした成長の一部は持続可能ではない可能性があります。

ズームの前四半期の売上高は前年同期比355%増の6億6,350万ドルとなりましたが、学校がバーチャル授業をやめ、企業がオフィスでの業務を再開させ、バーやレストランがフル稼働した後でも、こうした増収は持続可能でしょうか。

筆者はペロトンの増収率も疑問視しています。

2020年度第3四半期の総加入者数は前年同期比64%増の17万6,600人、売上高は同66%増の5億2,460万ドルとなりました。

しかも、加入者1人当たりの月間平均ワークアウト参加数が今年第1四半期の11.7件から前四半期は17.7件に跳ね上がりました。

背景には、人々はジムに行かずに自宅でのワークアウトに励んでいることがありますが、ジムの安全性が確保されて営業が完全に再開した後もこうした利用の伸びは持続可能でしょうか。

以上のような疑問は、ハイテク業界全般に投げかけることができます。

2020年に需要が増加したのは確かかもしれませんが、その原因は基本的な需要が増加したことによるものと、パンデミック主導の利用の増加によるものと、2通りが考えられます。

2. GDPは縮小している

ハイテク株の急上昇にもかかわらず、経済のファンダメンタルズは特に良いわけではないことを忘れないようにしましょう。

財政刺激による給付金と追加的な失業給付は、企業や労働者の大きな痛みに対する応急処置となっています。

生活が正常に戻っても、数千店ものレストランが閉鎖され、数万社もの中小企業が業務を停止したままとなり、永久に職を失う人は数百万人に達するでしょう。

これは、ハイテク業界といえども、成長を促す環境ではありません。

今や財政刺激による資金供給が終わろうとしている中、パンデミックの経済に対する真の影響を把握することさえできていないのではないかと筆者は懸念しています。

そして、2020年下半期の経済活動は前年同期から大幅に低下する可能性があります。

これは、どの企業にとっても良いことではありません。

3. 多くの企業が最終的に事業継続を諦める

企業に関して言うと、多くの中小企業が過去6ヵ月間の需要の減少に苦しめられています。

レストランが最も影響を受けているのは明らかですが、歯科医、サロン、写真家、イベントセンターなど、多くの人にとって厳しい年となっており、多くの企業が最終的に事業の継続を諦めることになるでしょう。

スクエアやショッピファイのような企業にとって、こうした状況は両刃の剣です。

一部の企業が事業の継続あるいはビジネスモデルの調整を試みようとしている一方で、取引先である中小企業の多くが事業の継続を断念する可能性が高まっているからです。

中小企業が次々と店舗を閉鎖するカスケード効果(影響が連鎖的に伝わる現象)が経済全体で見られるでしょう。

商業用不動産は既に一部の地域で苦戦しており、その次にはサプライヤーや従業員が危機を感じることになります。

中小企業が健全でなければ健全な経済を維持するのは困難です。

パンデミックの局面で苦戦した店舗にとって楽観的な兆候が今後数四半期で数多く現れるとは筆者は考えていません。

4. ハイテク株のバリュエーションは制御不能となっている

現在の株価には、ハイテク企業の今後の急成長が織り込まれています。

しかし、前述したように、成長は持続可能ではない可能性があると筆者は考えています。

ハイテク企業の業績が少しでも予想を下回れば、打撃は大きなものになるかもしれません。

筆者はズームの増収が持続可能ではない可能性があると指摘しましたが、それはほんの始まりにすぎません。

テスラは、数百万人もの失業者が存在する中で、可能な限り多くの自動車を生産して販売し続けるでしょうか。

給付金がなくなり、小売店が営業を再開しても、オンライン家具販売はホットなビジネスであり続けるでしょうか。

自宅でのフィットネスはジムでのワークアウトに取って代わるのでしょうか。

ハイテク銘柄に対する高水準のバリュエーションは、投資家が将来の大幅な成長を予想していることを示しています。

投資家が失望すれば、相場が瞬時に急落する可能性があります。

5. 金融緩和はやがて終了する

多くの著名な投資家が、現在の相場を牽引しているのは実際には米連邦準備制度理事会(FRB)だと指摘しています。

FRBは金融システムに巨額の資金を洪水のように供給して金利を非常に低い水準に抑制し、債券、不動産、貯蓄のリターンを削っています。

こうした資金の行き場は株式市場しかありません。

パンデミックに対するFRBの反応は正しかったかもしれませんが、インフレをもたらすことなく永遠に資金を供給し続けることはできません。

FRBが金融緩和をやめたとき、めったに見られないような相場の崩壊が起こる可能性があります。

しかも投資家には、金融緩和がいつ終わるのかが分かっていません。

6. ハイテク・バブルは過去に弾けたことがある

ハイテク株をめぐる陶酔感は1990年代にも存在しました。

当時、利益や株価売上高倍率はあまり問題にされず、投資家はハイテク銘柄なら何でも買おうとしました。

今年は特別目的買収会社(SPAC)がハイテク関連銘柄を買い占めていることもあり、1990年台と同様の陶酔感が見られるかもしれません。

今回のバブルは1990年台のものとは大きく異なります。

多くのハイテク企業が収益を生み、その一部では損益が黒字化しているからです。

しかし、バリュエーションはやはり制御不能であり、小さな混乱がハイテク相場全体を下落させたとしても筆者には意外ではありません。

ハイテク株の上昇ペースは速過ぎる

ハイテク企業は私たちの仕事、コミュニケーション、遊び方を変えています。

しかし、それだからといって、全てのハイテク株が永遠に成長する、すなわち高水準の株価売上高倍率に値することにはなりません。

筆者は現在、ハイテク株の中でバブルが発生し始めていると考えています。

ハイテク業界は長期的には多くの可能性を秘めていますが、株価の上昇ペースはあまりに速く、2000年代初めに見られたように、ハイテク・バブルはやがて弾けることになるでしょう。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Travis Hoiumは、スクエア株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ペロトン・インタラクティブ株、ショッピファイ株、スクエア株、テスラ株、ウェイフェア株、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、スクエア株のオプションを推奨しています(2022年9月70ドルのショート・プット)。

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