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ビットコインはデジタル・ゴールドと言えるのか?

仮想通貨(暗号資産)であるビットコイン(BTC)は不況に強い金(ゴールド)に例えられ、「デジタル・ゴールド」と呼ばれることがあります。

金とビットコインにはどのようなところに類似点があるのでしょうか。

また、安全資産となり得るのかどうか考察したいと思います。

ビットコインと金の類似点

ビットコイン 金(ゴールド)
金利 付かない 付かない
供給方法 マイニング(採掘) 採掘
取引所 世界中 世界中
インフレヘッジ
価値の保蔵
決済手段としての使用 不可

ビットコインと金の類似点として、まず、金利が付かないことが挙げられます。

証券や債券と違って、保有していても何も生まないのがビットコインです。

供給方法として、金では地中から採掘を行い供給するのに対し、ビットコインでも採掘の英訳である「マイニング」をすることで供給されます。

ビットコインの場合、発行上限を2,100万BTCと定め、2140年にはすべてのビットコインがマイニングされ、そのすべてが市場で流通されるように設計されています。(2019年時点で1,800万BTC)

ビットコインのマイニングの種類は、ソロマイニング、クラウドマイニング、プールマイニングの3種類があります。

  • ソロマイニング:個人が行うマイニングのことで、マイニングに成功すると大きな収入を得ることができます。
  • クラウドマイニング:マイニングを行っている団体に出資し、マイニングを代行してもらう方法です。資金を団体に提供することでマイニングに参加することができます。
  • プールマイニング:グループでマイニングを行う方法です。マイニングに成功すると報酬はプールの管理者が受け取り、その後、仕事量などに応じてグループ参加者へ分配されます。

ビットコインは金融危機以降、金融緩和策を行ってきたドルや円などといった法定通貨に対して、発行できる数量に上限あることで、金同様に価値が希薄化しない、また保蔵されるという点で類似しています。

金はインフレヘッジとしての性質がありますが、ビットコインも近年インフレヘッジを目的としたとされる保有が度々観測されています。

各国の政府系ファンドやヘッジファンドがポートフォリオに金を組み入れが強化されると、それにつられた動きをビットコインもすることがあります。

しかし、インフレヘッジとしてビットコインが買われ、仮想通貨市場が加熱することは仮想通貨を保有する人々には取引所の閉鎖や市場の締め付けが懸念され、好感されざる状況へと繋がることが推測されます。

また、金投資と比べ、投機的な行動に受け取られやすいビットコインは社会的な圧力を受けることも懸念されます。

ビットコインと金の最大の違いは、決済手段として使えるかどうかということが挙げられます。

ビットコインは実店舗やオンライン上での送金・決済で使用することができますが、金は決済手段としては向いていません。

金との相関関係

下図は過去30日間をサンプルとして、ビットコインと金の価格変動について相関関係をグラフ化したものになります。

出典:bitFlyer

相関関係は1に近づくほど正の相関(同じ動きをする)、-1に近づくほど負の相関(真逆の動きをする)ことを意味しており、一般的な水準として-0.2~+0.2の間はほとんど相関がないことを示します。

上記の相関グラフの大半の部分が-0.2~+0.2内に収まっており、多少の相関があることを示す+0.2~+0.4を見ても、短期間のうちに相関がなくなってしまったと見て差し支えないでしょう。

端的にいってしまえば、ビットコインと金の価格変動について相関グラフ化した場合、相関関係は「あるようでない」あるいは「あまりない」とでもいう中途半端な結論に集結してしまうほどです。

すると、2020年直近で金が買われてきたとき、一緒にビットコインも価格が上昇してきましたが、たまたま価格上昇が金と一致したと判断した方がまだ分がありそうです。

下図は直近のビットコインと金の日足チャートになります。

ビットコイン(上)と金(下)の対ドル日足チャート(9月10日時点)

出典:tradingview

7~8月に金の価格が上昇しているのに対して、同じようにビットコインも急騰しています。

しかし、その後はというと、両銘柄ともまったく相関していません。

相関するときもあれば、そうでないときもあると、直近の価格推移を見る限りは判断できるのではないでしょうか。

ビットコインは株式下落時の安全資産となり得るか

上記のようにビットコインと金で相関関係があるかないかという点について、それほど相関はなさそうであると結論できそうですが、このような関係性が安全資産として、ビットコインを捉えることができるかというのは別問題と言えます。

ビットコインは直近6ヶ月間では安値と高値のボラティリティは35%近くあり、金は20%程度です。

このような水準を株価に比べて安全水準であると断定するのは、投資家に依ることでしょう。

相関が完全にないとすれば、ビットコインと金を両方保有することはかえってリスクヘッジになるのではないかとさえ筆者は考えます。

しかし、度々、相関する動きを見せるとなると、金と共に保有するのはパフォーマンスを悪化させるのではないかと推測されます。

米商品先物取引委員会(CFTC)のヒース・ターバート会長は「我々はビットコイン(Bitcoin)に対しては、コモディティであると非常に明確にしてきた」と述べています。

氏は他の仮想通貨に対しても同様の見解を示しています。

ビットコインをはじめとした仮想通貨は、持っている性質は金に類似してこそいるけども、金とは違い価格変動が激しいものです。

金が「安全資産として買われる」という表現が、このビットコインをデジタル・ゴールドであるという幻想を抱かせるのではないでしょうか。

金はインデックスや他コモディティから価格変動が小さいから買われているのではないか、また、金もまた多くの証券と同様に「安全資産ではないもの」と筆者は考えます。

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