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【米国株動向】再生可能エネルギーへのシフトを進める石油3銘柄

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020年8月23日投稿記事より

国際エネルギー機関(IEA)の試算では、再生可能エネルギーの生産量は2040年までに現在の4倍になるとされますが、これは控えめに見た数字と考えていいでしょう。

一方で、電気自動車は自動車業界に破壊的革新をもたらし、来年も新モデルが続々投入される見通しです。

電気自動車へのシフトは今後20年間をかけて持続的に進むと考えられます。

こうした流れを受け、一部の石油企業は時間をかけて再生可能エネルギー企業への転換を進めています。転換がうまく機能している3銘柄をここで紹介します。

トタル

フランスの大手石油会社トタル(NYSE:TOT)は、サンパワー(NASDAQ:SPWR)の過半数株式の取得や、電池メーカーのサフトの買収など、再生可能エネルギー事業への本気度が伺えます。

同社は、世界最大規模のエネルギー貯蔵施設建設プロジェクトを進めています。

再生エネルギー事業への進出により、現状のトタルは伝統的な石油ガス企業というより公益企業の様相を示しています。

今年の再生エネルギーの全発電容量は、昨年の3ギガワットから6ギガワットにまで伸びると予測されており、これは米国内の114万戸に供給するのに十分な量です。

開発プロジェクトにおいて通常トタルが担う役割はさまざまですが、開発者であり、再生エネルギー資産の長期保有者でもあります。

例えば、カタールでは800メガワット級の太陽光発電施設の開発及び運営企業に出資しており、施設完成後は49%のエネルギー資産を所有する見込みです。

バッテリー事業では、傘下のサフトは現在、フランスで最大のエネルギー貯蔵施設の建設を進めており、また電気自動車、軍用車、医療設備、さらには石油やガス企業向けのバッテリーを供給しています。

トタルはサフトを2016年に11億ドルで買収し、サフトの2019年の営業キャッシュフローの創出は約1億ドルと、既に大規模な事業に成長しており、長期的なキャッシュ創出が期待されます。

長期的には、トタルは2040年までに低炭素電気事業を自社の売上構成の15~20%とすることを目指しています。

エネルギー企業としてこの数字は大きくはないかもしれませんが、大手石油会社は時間をかけて化石燃料から他のエネルギーへのシフトを進めているなか、トタルはライバル大手各社よりも速いペースでこのシフトを進めています。

世界全体のエネルギー構成の観点でも今後再生可能エネルギーの存在感が増すことから、トタルは有利な位置につけていると言えます。

バレロ・エナジー

バレロ・エナジー(NYSE:VLO)は、世界で最大級の独立系石油精製企業です。

輸送用燃料の製造・元売り企業として、同社は15の石油精製施設と14のエタノール生産施設を有しています。

同社は北米最大の再生可能ディーゼル工場への出資により、石油精製事業から急激に成長を遂げる再生可能エネルギー事業へのシフトを進めています。

ルイジアナ州ではダーリン・イングリディエンツ(NYSE:DAR)と共同出資でダイヤモンド・グリーン・ディーゼル(DGD)を運営しており、石油関連事業に比べれば全体に占める割合は小さいものですが、再生可能ディーゼル事業の売上は2019年に80%増加しました。

DGDは、外食産業などから排出される動物油脂や液体状の植物油を利用した、持続可能なバイオ燃料の生産施設です。

大豆由来のバイオディーゼルと異なり、再生可能ディーゼルはパイプライン輸送が可能であり、また、既存のエンジンで使用可能です。

バイオディーゼルと比較して炭素濃度が低くなっています。

2021年に予定されている施設の拡充後は、ルイジアナの施設の生産容量が現在の1日当たり1万8,000バレルから2倍以上に増える予定です。

7月末に行った第2四半期業績発表時の同社説明によれば、今年21億ドルを設備投資に向ける予定で、うち2億5,200万ドルは再生可能事業の拡大に充てられる予定です。

来年の生産強化後も、再生可能ディーゼルの生産容量を継続して強化していく予定です。

同社はテキサス州の既存の石油精製施設内に再生可能ディーゼル用施設を新たに建設する予定で、技術及び費用面での審査が進んでいます。

同社の年間の生産容量は、来年予定されるルイジアナ施設の生産強化後は6億7,500万ガロンとされますが、新施設が承認されれば2025年までに11億ガロンになる予定です。

 クリーン・エナジー・フューエルズ

車両向け天然ガス・スタンドを運営するクリーン・エナジー・フューエルズ(NASDAQ:CLNE)は、再生可能エネルギーへのシフトを速いスピードで進めてきました。

同社は幅広い輸送企業に天然ガスを供給しています。

企業、投資家、自治体の環境への配慮に関する意識が高まる中、天然ガスはディーゼルより環境にやさしいという点から、同社の売上は急増しています。

同社は2014年、ガソリンにして2億6,500万ガロン相当の天然ガスを売上げましたが、2019年には4億ガロン超まで売上が増加しました。

興味深いのは、この増加分は殆どが再生可能燃料によるものでした。

同社の再生可能天然ガスブランド「Redeem」の2014年の売上は2,000万ガロンでしたが、2019年には1億4,330万ガロンまで増え、このわずか5年の間に売上全体に占める割合は3分の1を超えました。

以前は債務や高い運営費用に苦しんで来ましたが、現在はバランスシートをスリム化し、債務がない状態で、キャッシュフローはプラス圏にあります。

2020年上期中に創出した営業キャッシュフローは約5,000万ドルでした。

再生可能天然ガスなどのバイオ燃料は今後数十年に渡り、商業輸送の大きな部分を占めるでしょう。

この分野でクリーン・エナジーは市場をけん引する立ち位置にあります。

エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合は今後も増えていきます。

石油会社の中には、トタルのように新たなビジネスモデルに大きく舵を切るものもあれば、バレロやクリーン・エナジーのように従来の強みを生かして再生可能エネルギーへのシフトを進めるものもあります。

どちらにしても、これら3銘柄は石油事業からの脱却がスムーズに進んでいると言っていいでしょう。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Howard Smithは、記事で言及されている株式を保有していません。元記事の筆者Jason Hallは、クリーン・エナジー・フューエルズ株を保有しています。元記事の筆者Travis Hoiumは、サンパワー株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、クリーン・エナジー・フューエルズ株、ダーリン・イングリディエンツ株を保有し、推奨しています。

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