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世界各国で進む中央銀行のデジタル通貨計画。個人に影響はあるのか?

出典:Getty Images

世界各国で中央銀行がデジタル通貨を導入しようとする流れがあるのをご存知でしょうか。

国によっては既に実際の企業取引などで実証実験も行われており5年、10年先のお金の在り方も変わってしまうかもしれません。

日本でも実は中央銀行のデジタル通貨について研究と議論が進んでいます。

日銀では2016年からFinTechセンターが設立されており、欧州中央銀行と共同で「プロジェクト・ステラ」という中央銀行のデジタル通貨発行に関する研究も行われています。

民間企業でもFacebookがリブラというデジタル通貨を発行しようとする動きが2019年にありました。

ビットコインをはじめとする暗号通貨バブルも2017年後半のことでした。

中央銀行・民間企業・管理者のいないビットコインのような暗号通貨と現在、三巴の状況ですが、着々とお金の形が変わろうとしています。

投資家の観点からデジタル通貨の発行の影響について考えていきましょう。

中央銀行発行のデジタル通貨とは?

中央銀行発行のデジタル通貨は一般的にCBDC(Central Bank Digital Currency)と呼ばれています。

世界各国には、それぞれの国の通貨を発行する中央銀行があります。

それらの中央銀行が発行する法定通貨を自国通貨建てで中央銀行の債務として発行し、しかもデジタル化した通貨がCBDCです。

現在は現金が広く流通しており、いきなり通貨をデジタルに置き換えるというのは非現実的です。

少なくとも日本では慎重な姿勢がとられており、通貨をデジタル化する計画はありません。

しかし、日銀は欧州中央銀行と共同でビットコインでも話題になった仕組み「分散型台帳技術」の研究を進めています。

世界で広がる中央銀行のデジタル通貨計画

中央銀行のデジタル通貨計画は世界中で広がっています。

例えば、スウェーデンのeクローナ、中国のデジタル人民元などが話題になっています。

カンボジアでは日本のブロックチェーン企業のソラミツがデジタル通貨バコンの発行に関わりました。

タイでも事業会社の決済システムでデジタル通貨を用いた決済システムの実験を行っており、世界中で着々とお金のあり方が変わろうとしているのは確かです。

デジタル通貨の発行で個人に影響はあるのか?

個人投資家にとって中央銀行のデジタル通貨発行はどのような影響があるのでしょうか。

日本円や米ドルなどの法定通貨は投資家にとって重要な価値を保存するアセットのひとつです。

そのためデジタル通貨が本格的に発行されることで、どのような影響が個人にあるのかを知っておいて損はありません。

国際送金

国際送金ではコルレス銀行と呼ばれる中継地点となる銀行を通して、為替の振替や送金が行われます。

そのような煩雑な取引通すため手数料が余分にかかってしまったり、着金が遅れてしまったりすることもありました。

デジタル通貨による送金が実現すれば、送金コストも抑えられスムーズな送金手続きが実現するのではないかと言われています。

ただ、既存の金融システムを大きく揺るがすうえに、送金対象の国との連携もあるためどうなるかは分かりません。

最近ではFinTechのTransferWiseのような国際送金を低コストで実現する企業も登場しているため、その気になれば国際送金を低コストで行うことは可能です。

法定通貨そのものの送金コストが抑えられれば、多くの人に恩恵があります。

キャッシュレス化の加速

現在でも民間企業の決済アプリやICカードなどキャッシュレスが進んでいますが、法定通貨のキャッシュレス化でさらにキャッシュレスの流れが進むかもしれません。

現金を管理するにはコストがかかります。

例えばATMの設置、レジ係や売上を管理する仕事、現金の輸送など現金を扱うだけでも様々なコストをキャッシュレス化するだけでも削減できます。

日常生活のお金の使い方も変わるかもしれません。

マネーロンダリングのような不正が発見されやすくなる

デジタル通貨ではマネーロンダリングのような不正が見つかりやすくなります。

現金のやり取りでは不透明だったところが可視化されます。

善良な投資家には関係ないことですが、企業や個人のお金の流れに影響を与えてしまうかもしれません。

タンス預金のあぶり出しに結果としてなる可能性がある

資産保全の観点から見逃せないのが、タンス預金のあぶり出しに結果としてなる可能性です。

例えば日本が国の借金を棒引きするために、タンス預金の現金を使えなくしてしまうこともあります。

タンス預金とデジタル通貨のレートを1対1にせずに、例えば4:6程度の比率で交換するなどというケースも、歴史を振り返るとないとは言いきれません。

現代の情報が飛び交う社会でそんなことをすれば、大変なことになることは目に見えていますが、可能性として留意しておいてもよいかもしれません。

取引の匿名性が許容されるのか不安の声もあがる

日銀の共同研究の中でも、デジタル通貨で取引の匿名性が本当に守られるのかという意見もあります。

例えば個人的に誰にも知られたくない趣味にお金を使っていることが、デジタル通貨のセキュリティホールをつかれて明るみに出てしまったらどうでしょうか。

自由に買い物や商取引をしようとする人が少なくなり、結果的に経済に悪影響ということもあるかもしれません。

また税務署が把握する実際の所得は昔からトーゴーサンピンと呼ばれ、サラリーマン10割、自営業者5割、一次産業の事業者3割、政治家1割などと言われています。

この状況もデジタル通貨が広がれば税の公平性が進む反面、社会広範に何かしらの影響が及ぶと考えるのが自然です。

マネーも数あるアセットのひとつ

法定通貨も株もコモディティも価値を保全したり交換したりする役割がある資産です。

税金は中央銀行の法定通貨で納めなければいけないため、法定通貨の立場は強いですが、それでも多くの資産のひとつであることに変わりありません。

法定通貨のデジタル化は通貨も数ある資産のひとつであることを気づかせてくれます。

法定通貨、暗号通貨、債権、不動産、日本株、米国株、金をはじめとするコモディティなど様々な形の資産の形は様々です。

江戸時代の日本の貨幣は金貨、銀貨、銭などの今の通貨とは全然、違う形をしていました。

今から10年後にお金の形が全く違うものに変わっても不思議はありません。

どのように資産を配分するのか、つまりアセットアロケーションは投資家の永遠のテーマのひとつです。

デジタル通貨に対して市場や社会がどのように動くのかは急ぐ必要はありませんが、気を配っておいても良いのではないでしょうか。

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