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【米国株動向】大手資産運用会社が4-6月期に売却した株価上昇中の3銘柄

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020827日投稿記事より

S&P500指数は新型コロナウイルスによる不透明感とパニックによって、当初33日間で34%下落しましたが、その後5カ月足らずで下落分を取り戻しました。

今回のような乱高下は史上初めてのことです。

運用資産が1億ドル以上の大手資産運用会社は四半期末時点の株式保有に関する報告書(フォーム13F)を米国証券取引委員会(SEC)に提出することが義務付けられています。

これによって直近の四半期末時点の保有状況が分かるだけでなく、最も重要な点として、四半期の売買状況を読み解くことができます。

記録的な株価の乱高下が続く中で、大手資産運用会社が積極的に買いを入れたのはそれほど意外ではありません。

乱高下は時として恐怖を誘うものの、優良銘柄を割安な価格で購入できる大きなチャンスでもあるからです。

しかし、全ての大手資産運用会社が4-6月期の上昇相場が今後も続くと確信したわけではありません。

株価が上昇する中で、大手資産運用会社は以下に挙げる人気の3銘柄を売却しました。

アップル

アップル(NASDAQ:AAPL)の時価総額は過去3カ月の株価急騰を受けて2兆ドルを突破しました。

そんな中で、ジェフ・ヤス氏が率いるサスケハナ・インターナショナルはアップル株を400万株強(保有株の80%)売却し、ジム・サイモン氏率いるルネサンス・テクノロジーズは保有株を全て(97万9,033株)売り払いました。

フォーム13Fを提出する大手資産運用会社全体では4-6月期にアップル株を約1億4,000万株売却し、保有株数は前四半期比で5.2%縮小しました。

快進撃を続けるアップル株を売却した理由は何かと言えば、それはバリュエーションにあります。

ティム・クックCEOは過去数年間にわたり、製品志向の企業から高利益率のサービス及びウエアラブルに重点を置く企業への移行を推進してきました。

大半のサブスクリプション・サービス専業ハイテク企業の予想PERは2桁台後半または3桁台に達しています。

アップルの2020年予想PERは39倍ですが、サービス事業は4-6月期売上高全体の22%を占めるにすぎず、しかも過去10年超の期間における予想PERは10倍~20倍にとどまっています。

アップルの成長エンジンが失速すると言っているわけではありませんが、製品に依存する企業のバリュエーションはサービス専業企業と同等であるべきではないと考えるのが妥当でしょう。

【米国株動向】株式分割後のアップル株の購入を検討すべきか

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ

大手資産運用会社は全体として4-6月期に半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)を4,100万株売却し、保有株数は前四半期比で5.1%減少しました。

大手資産運用会社がAMDに対してやや慎重な姿勢を取った一つ目の理由は、新型コロナウイルスの世界的流行です。

自宅に籠もってビデオゲームに興じるのは、AMDの画像処理装置(GPU)の販売にとって好材料ですが、PC/ノートブックPC向け処理チップはパンデミックの打撃を被ると予想されています。

二つ目の理由は単純にこれまでの株価実績にあるかもしれません。

AMDは処理チップの分野で長きにわたりインテルの後塵を拝し、GPUの分野ではエヌビディアに苦戦してきました。

過去25年間で見ると、景気に敏感なAMD株は40ドルを突破すると売り時となってきました。

株価は4-6月期の大半で50ドルを上回ったため、運用会社は過去の実績を踏まえ利益を確定するのが賢明と考えた可能性があります。

ただし、AMDは処理チップ市場で引き続きインテルからシェアを奪っており、GPU市場でもエヌビディアとの競争力を確保しているほか、ゲーム機の分野でも成功を収めています。

これまでのところ、株価は売却を決断した大手資産運用会社が後悔する展開となっています。

【米国株決算】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の2020年第2四半期決算と今後の株価の推移

アマゾン

フォーム13Fを提出する大手資産運用会社全体の4-6月期保有株数が2桁台の減少を記録した唯一の銘柄は、アマゾン(NASDAQ:AMZN)でした。

全体では3,500万株を売却し、保有株数は前四半期比で11%減少しました。

売却の理由として考えられるのは、筆者がAMDに関して指摘した点と極めて似通っています。

つまり、アマゾンの株価は5歩前進した後に3歩後退するという経緯を辿っており、大手資産運用会社は単純にそのこと(例えば、2020年3月の安値から2倍近く上昇していること)を考慮したのかもしれません。

また、大手資産運用会社がアマゾンの高いバリュエーションを懸念した可能性もあります。

景気後退期にはバリュエーションに対する投資家の注目が高まるからです。

しかし、既に指摘したように、利益に比べて株価が割高であるという理由でアマゾンを売却するのは間違いであると思われます。

クラウド・インフラ・サービス部門はほぼ30%で成長しており、アマゾンは米国オンライン販売の44%を握っていると推定されます。

したがって、アマゾンは売却をすすめる銘柄でないことは確かです。

【米国株動向】3月の市場暴落時にアマゾン株に投資していたとしたら、その後いくらになっているか

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コロナ禍で消費者が一斉にレストランや航空機の利用を敬遠した一方、在宅需要という大きな恩恵を享受し、新産業として伸びた分野もあります。過去1年で既に株価は大幅に上昇してしまいましたが、在宅関連銘柄としても、長期的な成長株としても注目できる3銘柄を取り上げます。

在宅需要で新たな産業が勃興する中、注目のコンスーマー関連3銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Sean Williamsは、アマゾン株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株、アップル株、エヌビディア株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、インテル株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株のオプションを推奨しています(2022年1月の1940ドルのショート・コール、2022年1月の1920ドルのロング・コール)。
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