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【米国株動向】かつて確実に成功していた「配当株投資」は死んだのか?

モトリーフール米国本社、2020816日投稿記事より

長年にわたり、投資においては概ね配当株が非配当株をアウトパフォームするというのが当たり前のことでしたが、今やそうした状況にはありません。

グロース株は年初来で20%超上昇しているのに対して、配当株のリターンは配当を考慮に入れてもマイナス圏に沈んでいます。

本格的な嵐

新型コロナウイルスの世界的流行で見られる固有の特徴は、ある種の株式には破壊的影響が及んでいる一方で、他の株式とっては追い風となっていることです。

全体として最も深刻な影響を受けているのが配当株です。

なぜなら、パンデミックに対して最も脆弱なセクターの多くは、配当を支払うことで知られる景気敏感セクターだからです。

例えば、エクソン・モービル(NYSE:XOM)とシェブロンはいずれも「配当貴族(25年以上連続配当している企業)」ですが、原油価格の暴落を背景に株価は年初来で約25%と35%下落しています。

エクソン・モービルは第2四半期に11億ドルの損失を計上したことを受けて春期配当を先送りし、シェブロンも83億ドルの損失を計上しました。

金融セクターも同様の問題に直面しており、ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は配当を80%削減し、株価は年初来で53%下落しています(執筆時点)。

一般消費財(レストラン、小売、娯楽、旅行)や製造を含む他の景気敏感セクターも打撃を被っており、これらの企業の多くは配当の撤廃、削減、または一時停止を余儀なくされています。

一方、パンデミック局面でパフォーマンス上位セクターとなっているのがハイテクです。

外出自粛や在宅勤務に伴うeコマース、ビデオ会議、クラウドコンピューティングなどのハイテクツールの受け入れによって、製品やサービスに対する需要が拡大しているためです。

大半のハイテク企業は配当を支払わないため、今年はそれが有利に働いています。

低金利はグロース株に有利

パンデミックによって特に配当株は厳しい状況に置かれていますが、配当株よりもグロース株に有利な環境は今回の危機終息後も続くとみられます。

一点目として、金利が歴史的な低水準にあることが挙げられます。低金利は債券よりも株式に有利に作用するため、株式のバリュエーションも押し上げられる傾向があります。

S&P500指数のPERは28.7倍に上昇しており、低金利環境を背景に危機後も高止まりするとみられます。

PERと配当利回りは直接的な関係にあり、PERが上昇すると、配当利回りは低下します。

配当利回りの低下は配当株の魅力を低下させるため、配当株よりも非配当株に有利となります。

ハイテク株は最高

グロース株が相場を主導する状況が続くとみられる最大の理由は、ハイテク株が市場を支配するようになっている点にあります。

パンデミック発生前の時点で、米国企業の時価総額上位5社と言えば、アップル(NASDAQ:AAPL)、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、アルファベット(NASDAQ:GOOG)(NASDAQ:GOOGL)、フェイスブック(NASDAQ:FB)でしたが、この5社と他の企業との格差は危機の局面で拡大しています。

ハイテク企業は利益が無いまたは少額であることや、株価バリュエーションが高いため株主に資本を返す目的として配当は魅力がないといった理由から、配当の支払いを避ける傾向にありあます。

ハイテク企業のリーダーらは明確なビジョンを持ち、投資家への利益の直接的な還元は大型買収などの画期的な変化をもたらす投資を実行する可能性を排除すると考えているのです。

アマゾンやアルファベットやフェイスブックなどの大幅な株式リターンを見ると、投資家としては配当がなくとも不満を口にする理由はほとんど見当たりません。

恒久的な変化

配当株と非配当株の格差が危機局面で拡大するというパターンは目新しいものではありません。

実際、過去10年間の大半にわたりグロース株が配当株をアウトパフォームしてきました。

米国では金融危機以降、金利が低水準で推移しています。

そして、政治的圧力と最近の金利実績を踏まえると、この傾向はパンデミック終息後も続くと思われます。

一方、配当株と比較したハイテク株の優位は、配当株の人気凋落を意味します。

インカム重視の投資家は高配当株を選択するかもしれませんが、最高のパフォーマンスを上げるとみられるのはグロース株です。

これには、新たな事業や技術、賢明な買収など企業強化につながる分野に利益を再投資する企業が含まれます。

巨大ハイテク企業の幹部のひとりはこう述べています。

「配当株投資は死んでいないかもしれないが、過去のものとなっている」。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。アルファベットのエグゼクティブであるSuzanne Freyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。Randi Zuckerbergは、フェイスブックのマーケティング開発部の元ディレクターおよび元スポークスウーマンであり、マーク・ザッカーバーグCEOの姉です。Randiはモトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Jeremy Bowmanは、アマゾン株、フェイスブック株、ウォルト・ディズニー株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アルファベット(A株)、アルファベット(C株)、アマゾン株、アップル株、フェイスブック株、マイクロソフト株、ウォルト・ディズニー株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、以下のオプションを推奨しています(マイクロソフト株の2021年1月の85ドルのロング・コール、マイクロソフト株の2021年1月の115ドルのロング・コール、アマゾン株の2022年1月の1940ドルのショート・コール、アマゾン株の2022年1月の1920ドルのロング・コール、ウォルト・ディズニー株の2021年1月の60ドルのロング・コール、ウォルト・ディズニー株の2020年10月の125ドルのショート・コール)。

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